沈黙の艦隊(2023)
吉野耕平監督の「沈黙の艦隊」を観た。原作漫画は、当時話題になっていたので読んでいたが、途中でやめてしまった。何故、やめたのかは覚えていない。
さて、原作コミックスが32巻も出ていた大長編を2時間の映画にするということで、どうアレンジするのかな?と思っていたのだが、原作のアタマの部分をしっかりと映像の形で見せて、本作のテーマ(の概観だけ)を伝える作りになっていた。
ちゃんと出来てるけど、まさにプロローグというか、ドラマシリーズのパイロットフィルムみたいな仕上がりだ。(もしかしたら、この続きはAmazonの配信ドラマとして計画されていて、そのプロモーションなのかもしれないが。)
公開されているあらすじは、以下の通り(だけど、ネタバレしてるな、このあらすじ)。
日本の近海で、海上自衛隊の潜水艦が米原潜に衝突し沈没した。艦長の海江田四郎を含む全76名が死亡との報道に衝撃が走る。だが実は、乗員は無事生存していた。事故は、日米政府が極秘に建造した高性能原潜〈シーバット〉に彼らを乗務させるための偽装工作だったのだ。米艦隊所属となったシーバット、その艦長に任命されたのが海自一の操艦を誇る海江田であった。
ところが、海江田はシーバットに核ミサイルを積載し、突如反乱逃亡。海江田を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を全世界へ宣言した。
やまとを核テロリストと認定し、太平洋艦隊を集結させて撃沈を図るアメリカ。アメリカより先にやまとを捕獲すべく追いかける、海自ディーゼル艦〈たつなみ〉。その艦長である深町は、過去の海難事故により海江田に並々ならぬ想いを抱いていた…。
と、まぁこんなお話で、基本的な場面は、潜水艦や艦隊の映像、潜水艦の中の会話、日米首脳陣の会話に集約され、やむをえないながら、絵がワンパターンの会話劇となる。
だからこそ、海江田たちが何を思ってこんな行動に出たのか、何をしたいのかに焦点が絞られ、そこをいかに見せていくのかが本作を面白く見せられるか否かの分かれ目になるわけで、そこは俳優陣の頑張りもあってなんとか上手くやっていた。
とはいえ、最初に述べたように、大きな物語のプロローグを観ただけで、いろんな要素が半端なまま宙ぶらりんで終わるので、本作の評価は"続き"を観てからにしたい。
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