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バービー(2023)

グレタ・ガーウィグ&ノア・バームバック脚本、グレタ・ガーウィグ監督の「バービー」を観た。

さすがは「フランシス・ハ」「マリッジ・ストーリー」「レディ・バード」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」などを送り出してきたコンビだけあって、「バービー」を扱ってもなお、非常にメッセージ性の強い作品に仕上げてきたのは期待通り。いや、それをさほど嫌味なくうまく「バービー」に組み込んだところは期待以上。

と同時に「バービー」らしさ全開のカラフルさを前面に押し出し、実際に玩具として遊ばれる状況を「バービー」の世界として表現して見せたのは、この映画を観に来る万人が期待したものを実現して面白いし、加えて冒頭の「2001年宇宙の旅」をはじめとするパロディや、第4の壁を超えてのツッコミなど、さまざまな面白ネタが盛り盛りにトッピングされて、とてもゴージャスな仕上がり。

見た目で単純にポップなエンタメを期待して観に行くと、思ったのと違ってビックリするかもしれないけど、それを乗り超えてしっかりとメッセージが伝わってくる、心がこもった良い作品です。

マテル社としては正直これをそのまま許容していいのか悩んだかと思いますが、結果的に素晴らしい作品を生んだことで「バービー」とマテル社の価値は上がったと思います。

性別も肌の色も関係ない。自分は自分。自分の人生は自分のもの。誰かに決められるものではない。何になるか、どう生きるかは自分で選べばいい。そんな監督のメッセージが嫌味なく真摯に伝わってきました。傑作。

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