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ザ・ショック(1977)

マリオ・バーヴァ監督が1977年に世に放った最後の劇場映画「ザ・ショック」を久しぶりに劇場で観た。80年代のホラーブームの時に劇場で観て、その後もDVDなんかで何度も見た作品。

夫を亡くしたドーラは息子のマルコを連れて再婚し、前夫と住んでいた家に戻ってくる。しかし、この家に戻ってから立て続けに奇怪な現象が起こり、何故かマルコも挙動不審に。

「39回連続ショックがあなたに襲いかかる!」なーんて宣伝がされた本作、矢継ぎ早に怖い出来事が起こるのがウリで、だからストレートにタイトルも「ショック」なのだが、舞台はほぼずっと一軒家の中で、割と似たような事が繰り返し起こり、主演のダリア・ニコロディがキャーキャー言ってあたふたしては、スリリングな演出を目的としたちょっと不気味なBGMを何度も何度も繰り返し聞く展開になる。

でも、最後には「一連の出来事はこういうことでしたー!」って解決する見せ場が(金田一耕助モノばりに)ちゃんと来るのでご安心を!

数多くの不気味な作品を撮り続けたマリオ・バーヴァ監督ではあるが、さすがに1977年ともなれば昔の"霧が立ち込める古風な洋館"…みたいのでは通じないと、ちゃんと頑張ってモダンホラーめいて作ってはいるものの、どこかしらゴシックホラーな面持ちは否めない。 でも、今見てもそこそこ怖いかな。古めかしくはあるけど。

ドーラを演じるのがダリア・ニコロディ、再婚相手役がジョン・スタイナーと来れば、ダリオ・アルジェント監督の「シャドー」を思い出すが、そちらは1982年作品だから5年後の作品なのですね。音楽も、ゴブリンに参加していたメンバーということで、アルジェント色を出してます。

往年のマリオ・バーヴァ監督らしさはずいぶんと薄れていますが、遺作がこのレベルで「これでもかっ!」と畳みかけてくるのは素晴らしいと思いました。

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