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ヘカテ(1982)

ダニエル・シュミット監督「ヘカテ」を見た。

1920年代、フランスの植民地時代が終わりに近づきつつある北アフリカに赴任した若き外交官がパーティーで出会ったとても蠱惑的な女性。

すっかり彼女に魅了された外交官は、仕事も何もかもを放り出して彼女との愛の日々に溺れてゆく。

ヘカテとは、世界を支配する魔性を持つギリシャ神話の異形の女神。甘やかな愛の絶頂は、やがて愛の奈落に姿を変える…。

謎めいた魅惑の女神を狂おしいほどに追い求め、溺れはじめる外交官に対し、セクシャルでありながらいつもどこかクールな彼女。バランスを崩した愛は、彼を破滅に追いこんでいく。

今となっては割と淡々とした印象すら受ける映画だが、制作された時代を考えれば、かなりインパクトのある描写だったろうなぁ…と思ったりした。

人を愛しすぎると、相手のことが何から何まで気になって、それが嵩じると気が狂わんばかりになってしまうというのは、いつの時代においてもあることだよね。

(2021/2/7記)


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