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パリ13区(2021)

ジャック・オーディアール監督の「パリ13区」を観た。

"再開発による高層マンションやビルが並び、アジア系移民も多く暮らすなど、パリの中でも現代を象徴する13区を舞台に、デジタル化された現代社会を生きるミレニアル世代の男女の孤独や不安、セックス、愛について描いたドラマ"と説明される本作ですが、まぁなんと言いますか… 恋愛&性愛関係が拗れ過ぎて、この人間関係、面倒臭すぎる!!! ってのが第一印象でした。

フランスだからこんななのか、13区だからこんななのか、ミレニアル世代は国や地域を問わずこんななのか!? そのへんが僕のような歳の人間には全くわからないのですが、この映画で描かれる「体の関係」と「心の関係」のバランスが"肌感覚"で理解できませんで…。映画を通して「そんなもんなのかなぁ…??」と推測したりはするのですけどね。

超個人的見解としましては、高校教師カミーユ、オマエはアカン! 自己都合だけであっちこっち手を出して、相手の気持ちをこれっぽっちも汲み取らない自分勝手さ。ええかげんにせえ!!! ってとこでしょうか。その無邪気さと無神経さに、見ていて腹立たしいことこの上ありませんでした。ま、最後の最後は許すけど。

アタマから登場する台湾系フランス人のエミリーは、年齢のせいなのか性格のせいなのか、ちょっと不安定な女の子で、ちょっと面倒そうな娘なわけですが。でも、芯のところでは寂しいのだねって思えました。

中盤から登場する、30半ばでパリの大学に復学したノラ(「燃ゆる女の肖像」のノエミ・メルラン!)は、現在進行形の学生たちとのギャップに、意気揚々と復学したのがどんどん落ち込んでいくという辛い役回り。でも、彼女のキャラクターが一番"大人"だなぁ…。彼女と対になる登場人物も素敵です。

ジャック・オーディアール監督って70歳なのに、こんなに瑞々しい映画を撮るんだって驚いたのだけど、そこは、「燃ゆる女の肖像」で注目されたセリーヌ・シアマ監督と、新進の監督・脚本家レア・ミシウスとの共同脚本という妙味でしょうか。

ポール・ギローム撮影によるキラキラと輝くような美しいモノクローム映像と、ローンによる刺激的な音楽の組み合わせは、とにかくお洒落でカッコ良く、まさに"現代的なフランス映画"という印象で、素晴らしい!

のだけど、この"拗れ過ぎた恋愛模様"には、やっぱ、ついていけませんわ☆ ←映画そのものがダメという意味ではないですよ。

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