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Charlotte Church: My Family & Me / あの人は今?シャルロット・チャーチ 【イギリス テレビ日記】

 2000年初頭に『天使の歌声』の12歳と評され、日本でも飛ぶようにCDが売れたシャルロット・チャーチとご家族に迫ったドキュメンタリー。

『Charlotte Church: My Family & Me』(Channel 4)
https://www.channel4.com/programmes/charlotte-church-my-family-me/episode-guide
※ 予告編映像はコチラ↓
https://www.facebook.com/watch/?v=2413158135621237

 2000年初頭に『天使の歌声』が世界中でヒットしたシャルロット。現在は33歳。結婚し、二児の母として郊外であるカーディフで静かに暮らす彼女。彼女とその両親がキャンプに出かけ、現在の心境を語りながら、過去のわだかまりをお互いに清算していくという非常に丁寧に作られた家族物語。特に母娘の間で傷ついてしまった親子関係の修復にスポットライトが当たります。

 『This is US』にはまっている30代なら確実に泣きます。日本でもSPEEDのメンバーあたりを中心にすえて、ぜひこういうドキュメンタリーを作ってもらいたいです。
 彼女の両親がとても仲良く、映るイギリスの自然もたいへん綺麗で、シャルロットを知らずとも癒される内容でした。

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11歳でデビューした彼女は瞬く間に有名になり、イギリス中はもとより、世界中をツアーする超売れっ子に。チャールズ皇太子の誕生日に出席したり、ミスタービーンと共演したりと。彼女はもちろん、家族の生活も激変。

 5日間のキャンプに出かけるチャーチ家。16歳の最後のツアーで家族一緒に出掛けて以来、家族で旅に出るのは15年強ぶり。彼女の運転でキャンプに出発。「途中でスーパーに寄るけど、どこがいい?テスコにする?」と、家族の超ローカルな会話から始まる旅。シャルロット自身は自分の子供を連れてアウトドアをしたことがないらしい(番組の伏線となるが、すなわちは”普通の家族の外出"のイメージが現在もなお持てていないようだ)。

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大きな口を開けてガハガハ笑うシャルロットに昔の可愛らしい面影はないものの、これはこれで楽しそう。お母さんはF*ckとかBloody ***とか結構、口が悪い

 ログハウスへの宿泊、キャンプファイヤしたり、屋外シャワー、カヌーで川下り、言葉当てゲーム、ぶた牧場で赤ちゃんにミルクをあげたり、山登りしたり、乗馬したり、カレー作ったり(さすがにライスではなく、ナンでしたが)……ほのぼのとしたイギリスの自然が本当に美しい。
 仕事を通じて家族でいろんな国に行き、VIP待遇で高級ホテルに家族で宿泊して、世界中を回ってきたけれども…「遠くに外出するのは難しかったから、こういうこと(大自然でキャンプ)はしたことがないね」と語る親子

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キャンプ先でも呼吸補助器をつけて寝る母などがリアル。30〜40代の視聴者であれば、自身の家族体験とも重なる部分が多くあるに違いない。

 10代で超売れっ子になったシャルロットだが、16歳で仕事が嫌になり始めた頃に、彼氏ができたことを機に引退。シャルロットは当時のことを両親と話す決意をする。
 母はシャルロットが当時のことを謝ることを期待しているだろうと彼女は想像しつつも、当時は初恋であっただけでなく、本当に好きで本気であり、熟慮の上での決断だったと語る。一方で、母も当時のことを「それはそれは酷かった」と振り返る。母からすると、仕事の関係者に頭を下げて回るとともに、娘も自分から離れていく、という非常に苦しい時期だったと涙を流す。「すぐ終わる恋だと、わかってたのに」と母。「ただし、あれはただの恋ではなかった」「母が傷ついたのもわかるが、私も傷ついた」。当時の親子ケンカの酷さを振り返りながらも、「どちらも酷かったよね」と抱き合う家族。

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 基本的には仕事には全て付き添っていた母。シャルロットが売れっ子になるにしたがって、当時は「子供を働かせる親」として母がバッシングを受けることもあった。一方で、仕事がなくなった今、特に趣味もなく生活する母をシャルロットは心配している。16歳で家を離れたものの、だからと言って母は用無しというわけではない、とわかってもらいたいと話す。
 番組最後に「(両親の)Kindnessがギフトだ。とても我慢強い両親だと思う。ありがとう」と語るシャルロット。旅を通じて、家族関係も修復され、良い方向に変わったと結ぶ。


 日本であれば「あの人は今」系のコンテンツは基本的にバラエティ番組の一枠で終わってしまうことが多いが(これはこれで面白いし、個人的には大好きですが)、こうやって掘り下げてドキュメンタリーとしてまとめ上げられるのが、イギリスのテレビ文化の深さだと感じました。

※写真はAmazon、公式サイトの宣材用ページ(各リンクご参照)より。
※番組本編を日本から観られる"違法じゃない動画"は見つかりませんでした。

いやぁ、テレビっていいですね。

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