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第106回全国高等学校野球選手権大会を振り返る


はじめに

今日は、8月7日~23日にかけて開催された第106回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に関する雑感について綴ってみました。

1.京都国際高校、京都勢として68年ぶりの選手権優勝

第7日・第8日の対戦カード

甲子園球場開場100周年の節目に開催された第106回全国高等学校野球選手権大会ですが、決勝戦では京都府代表の京都国際高校が東京都(東)代表の関東第一高校を2-1で下し、京都府代表としては1956年第38回大会の平安高校(現龍谷大学平安高校)以来68年ぶりの選手権制覇を果たしました。
1998年第80回大会の京都成章高校(決勝で横浜高校に敗戦)2005年第87回大会の京都外大西高校(決勝で駒澤大学苫小牧高校に敗戦)があと一歩のところで悔し涙を飲んだのを記憶している身としては、今回の京都国際高校の快挙はまさに感無量でした。
ちなみに、京都国際高校の小牧憲継監督は、かつて全国制覇にあと1勝まで近づいたことのある京都成章高校のOBでした。
選手権準優勝は小松監督が入学する1年前のこととはいえ、ある意味で京都成章高校は26年越しの雪辱を晴らすことができたのではと思います。

2.石橋高校対聖和学園高校(第7日第2試合)を観戦して

石橋高校のナインたち
1塁側アルプススタンドを埋めた石橋高校応援団

大会第7日目、家内とともに第2試合の栃木県代表・石橋高校対宮城県代表・聖和学園高校の試合を観戦しました。
栃木県大会で強豪の國學院栃木高校・作新学院高校を破った石橋高校と、宮城県大会で前々回選手権優勝校の仙台育英高校を破った聖和学園高校。
初出場校同士の対戦ではありましたが、いずれも県大会で金星を挙げて出場している学校ということで、試合前から大きく注目を集めたカードでした。
試合は石橋高校のエースで4番の入江祥太投手がたびたびピンチを凌ぎ、自らもタイムリーヒットを放つなど投打両面で活躍を見せ、5-0で石橋高校が勝利を収めました。
次の青森県代表・青森山田高校との1戦ではチャンスをものにできず0-5で敗れ、甲子園を去ることになった石橋高校ですが、文武両道のナインの熱い戦いぶりとスタンドをオレンジ色に染めた大応援団は106回目の夏の聖地に一つの伝説を生んだことに間違いはありません。
エースの入江投手には、第105回大会で選手権優勝を果たした慶應高校の友人たちと同じ慶應義塾大学に進学して、東京六大学野球で引き続き活躍を続けて欲しいものです。

3.大社旋風

石橋高校静岡県代表の掛川西高校など、公立高校の活躍が光った第106回大会ですが、一番の話題を呼んだのは32年ぶりの出場でベスト8入りに輝いた島根県代表の大社高校でした。
1回戦エースの馬庭優太投手の好投もあり、優勝候補の一角だった地元兵庫県代表の報徳学園高校2-0で下すと、2回戦でも長崎県代表の創成館高校に5-4で逆転勝利。
さすがに次の3回戦の対戦相手である東京都(西)代表・早稲田実業高校には勝てないのではと思われましたが、抜きつ抜かれつのシーソーゲームの末延長タイブレークに持ち込み、3-2で勝利。「大社旋風」に地元島根県はもとより日本全国が沸きました。
失点の原因となるエラーを犯してしまった選手への声援、地区大会でも全国大会でも出番のなかった選手を信じて、代打に送り出した石飛文太監督の温かい言葉も話題になったものです。
準々決勝では優勝候補の鹿児島県代表・神村学園高校に惜敗、大社高校の熱い夏は幕を閉じました。
エースの馬庭投手についてですが、卒業後に石飛監督のような教師・監督を目指すのか、プロ入りを目指すのかは分かりませんが、今後の活躍を静かに見守りたいところです。

4.近畿強豪校の奮起に期待

京都国際高校の初優勝、滋賀県代表・滋賀学園高校及び奈良県代表・智弁学園高校のベスト8入りの一方で、同じ近畿勢である報徳学園高校、智弁和歌山高校、大阪桐蔭高校はいずれも初戦敗退か2回戦敗退という悔しい結果に終わりました。

報徳学園高校は私の実家のある兵庫県の強豪校とあり、かねて贔屓している学校なのですが、直近では2023年春の選抜大会での選手権準優勝こそあるものの、春夏とも選手権優勝から久しく遠ざかっているので、そろそろもう一度全国制覇をというところです。

2021年の第103回大会での選手権制覇が記憶に新しい智弁和歌山高校
ここはプロ野球の阪神タイガース、東北楽天ゴールデンイーグルス、読売ジャイアンツで活躍した同校OBの中谷仁監督が好きなので常々応援していますが、2022年以降は地区大会でも全国大会でも思うように結果が出ず心配なところです。
いろいろ課題はあるのかもしれませんが、来年は同校応援団が誇る魔曲・ジョックロックを1試合でも多く聴くことができればと思います。

そして、全国から有望な少年たちを集め、常勝軍団として君臨してきた大阪桐蔭高校。今大会では石川県代表の小松大谷高校に完封負けを喫し甲子園を去ることになりましたが、来年生まれ変わって聖地のグラウンドに現れることに期待したいです。

最後に

兵庫県代表や栃木県代表、智辯和歌山高校とあわせて高校野球で常々応援している学校の一つが、鹿児島県代表の神村学園高校なのですが、準決勝に進出するも関東第一高校に惜敗。2年連続のベスト4となりました。
来年の第107回大会で同校が鹿児島県勢初の夏の選手権優勝を果たすことを願いつつ、結びとさせていただきます。


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