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国内政治を学ぶ

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国内政治に関する記事をこのマガジンでまとめています
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記事一覧

メモ 軍種間の予算獲得競争で促進された米海軍の潜水艦発射弾道ミサイル開発

軍隊の中で最大の組織区分として陸海空軍といった軍種がありますが、この軍種間で起こる政策競…

宇宙開発の政治史を記述した先駆的研究The Heavens and the Earth(1985)の紹介

1957年にソ連が打ち上げた人工衛星スプートニク1号はその後の国際政治の展開に大きな影響を及…

軍隊の装備品の研究開発費を膨張させる要因を考察したThe Weapons Acquisition Proces…

軍隊が装備を調達費用を最小に抑えることは、有限なリソースを最適な仕方で配分したい国家にと…

メモ 政治学は公務員の汚職をどのようなモデルで説明するのか?

一般に公務員は高い倫理意識を維持することが期待されていますが、彼らも普通の人間であり、何…

メモ 2021年のクーデターで一変したミャンマーの政治情勢

東南アジアのミャンマーでは2021年2月1日に軍部がクーデターによって権力を掌握しました。しか…

メモ YouTubeの政治的コンテンツを研究者はどう分析しているか?

2005年にチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムの3人によって設立されたYou…

メモ クーデターを警戒する国家の指導者は、軍隊の能力を低下させる傾向にある

非民主的な政治体制の指導者は、合法的な手段で地位を追われることはあまりありませんが、その代わりに軍隊のクーデターのような非合法的な手段に警戒しなければなりません。特に軍隊の内部で危険な兆候を察知し、体制に危険が及ぶことがないように統制しなければなりません。これは指導者にとって骨の折れる仕事ですが、軍隊にとっても不都合が多い措置です。 クーデターを予防しようとする指導者は、軍隊のあらゆる業務に干渉します。兵士の採用、士官の昇任、部隊の行動の細部にも口を出し、自分に忠誠を誓う家

ソ連の立場で冷戦の歴史を辿ったA Failed Empire(2007)の紹介

ウラジスラフ・ズボクの著作『失敗した帝国(A Failed Empire)』(2007)はソ連の視点で冷戦…

論文紹介 ジョンソン政権のベトナム政策と国内におけるエリートの統制

国際関係論の理論では、その国の政治体制のタイプが対外政策の選択に重要な影響を及ぼすと考え…

軍事上の必要性と社会の価値観をいかに調和させるか?『市民と軍人』(1985)の紹介

現代の国際社会でアメリカが指導的地位を維持できている要因の一つは、その軍事的能力の優越に…

論文紹介 中国の対外政策は国内政治の副産物として形成される

1990年代以降、多くの研究者が中国の経済成長に関心を寄せ、その将来性を期待していました。論…

メモ 新興国の高度経済成長が終わると、その国の指導者は重商主義を推進する

タフツ大学のマイケル・ベックリー(Michael Beckley)准教授は、新興国の指導者が直面する課…

覇権国はどのようにして衰退するのか? ギルピンの政治経済学的考察

アメリカの政治学者ロバート・ギルピンは、それまで支配的な地位を維持してきた覇権国が、新た…

なぜ軍隊は調達戦略を策定し、防衛産業基盤を管理すべきなのか?

ガンスラー(Jacques Gansler)は防衛経済学の研究者であり、彼の最初の著作である『防衛産業(The Defense Industry)』(1980)は、制度論的アプローチでアメリカ軍の調達戦略の課題を検討した研究です。ガンスラーの基本的な考え方は、アメリカとして長期的な調達計画を策定し、防衛事業から撤退する企業の動きに歯止めをかけ、調達の安定化を図るべきというものです。そうしなければ、防衛産業基盤は空洞化し、戦時に調達を急増させなければならなくなっても、供給が追い