なぜ軍隊は調達戦略を策定し、防衛産業基盤を管理すべきなのか?
ガンスラー(Jacques Gansler)は防衛経済学の研究者であり、彼の最初の著作である『防衛産業(The Defense Industry)』(1980)は、制度論的アプローチでアメリカ軍の調達戦略の課題を検討した研究です。ガンスラーの基本的な考え方は、アメリカとして長期的な調達計画を策定し、防衛事業から撤退する企業の動きに歯止めをかけ、調達の安定化を図るべきというものです。そうしなければ、防衛産業基盤は空洞化し、戦時に調達を急増させなければならなくなっても、供給が追い