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国内政治を学ぶ

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記事一覧

論文紹介 冷戦終結が世界的な内戦の増加の原因だったわけではない

1991年にソビエト連邦が崩壊し、冷戦構造がなくなったことによって、世界では途上国を中心に内…

論文紹介 国際法は武力行使の支持態度にどれほど影響を及ぼすのか?

国家が武力行使を選択したとき、人々がそれを支持しているかどうかは、再選を目指す指導者にと…

メモ 軍種間の予算獲得競争で促進された米海軍の潜水艦発射弾道ミサイル開発

軍隊の中で最大の組織区分として陸海空軍といった軍種がありますが、この軍種間で起こる政策競…

宇宙開発の政治史を記述した先駆的研究The Heavens and the Earth(1985)の紹介

1957年にソ連が打ち上げた人工衛星スプートニク1号はその後の国際政治の展開に大きな影響を及…

軍隊の装備品の研究開発費を膨張させる要因を考察したThe Weapons Acquisition Proces…

軍隊が装備を調達費用を最小に抑えることは、有限なリソースを最適な仕方で配分したい国家にと…

メモ 政治学は公務員の汚職をどのようなモデルで説明するのか?

一般に公務員は高い倫理意識を維持することが期待されていますが、彼らも普通の人間であり、何…

メモ 2021年のクーデターで一変したミャンマーの政治情勢

東南アジアのミャンマーでは2021年2月1日に軍部がクーデターによって権力を掌握しました。しかし、軍部の支配に抵抗する少数派民族は武装闘争を開始し、2024年2月1日現在に至るまで内戦が続いており、終わりが見えない戦いが続いています。 2020年11月8日に国連の支援で選挙監視が実施される中で投開票が行われた結果、アウンサンスーチーが率いる与党の国民民主連盟が連邦議会の上院で85%、下院で81%の議席を獲得しました。軍部を基盤とする連邦団結発展党の獲得議席は上院で7、下院で

メモ YouTubeの政治的コンテンツを研究者はどう分析しているか?

2005年にチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムの3人によって設立されたYou…

メモ クーデターを警戒する国家の指導者は、軍隊の能力を低下させる傾向にある

非民主的な政治体制の指導者は、合法的な手段で地位を追われることはあまりありませんが、その…

ソ連の立場で冷戦の歴史を辿ったA Failed Empire(2007)の紹介

ウラジスラフ・ズボクの著作『失敗した帝国(A Failed Empire)』(2007)はソ連の視点で冷戦…

論文紹介 ジョンソン政権のベトナム政策と国内におけるエリートの統制

国際関係論の理論では、その国の政治体制のタイプが対外政策の選択に重要な影響を及ぼすと考え…

軍事上の必要性と社会の価値観をいかに調和させるか?『市民と軍人』(1985)の紹介

現代の国際社会でアメリカが指導的地位を維持できている要因の一つは、その軍事的能力の優越に…

論文紹介 中国の対外政策は国内政治の副産物として形成される

1990年代以降、多くの研究者が中国の経済成長に関心を寄せ、その将来性を期待していました。論…

メモ 新興国の高度経済成長が終わると、その国の指導者は重商主義を推進する

タフツ大学のマイケル・ベックリー(Michael Beckley)准教授は、新興国の指導者が直面する課題として、高度経済成長が終わった後の対応に注目しています(Beckley 2023)。それまで順調に上昇していた経済成長率が頭打ちになり、低成長が当たり前になってくると、成長を前提とした政治のあり方を抜本的に見直す必要に迫られます。 ベックリーは、このような状況下で国の指導者はより積極的な対外政策を選択しやすくなると考えており、特に純輸出を増やそうとする傾向があると指摘して