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アメリカを学ぶ

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アメリカ関連の記事をまとめているマガジンです。
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#戦略

なぜ大国の脅しが失敗するのか?: Coercion, Survival, and War(2015)の紹介

国力に優れた大国は、自国の要求を他国に押し付けやすくなるというイメージがありますが、実際…

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メモ 軍種間の予算獲得競争で促進された米海軍の潜水艦発射弾道ミサイル開発

軍隊の中で最大の組織区分として陸海空軍といった軍種がありますが、この軍種間で起こる政策競…

軍事と外交を統合する戦略を探求したジョージの強制外交理論 The Limits of Coercive …

強制外交(coercive diplomacy)は、すでに何らかの望ましくない行動を開始している相手に対し…

冷戦期の米国はどのように対外援助を利用していたか?Foreign Aid as Foreign Policy(…

国際政治では、対外政策の手段として軍事力だけでなく、経済力が使用されてきました。貿易や投…

論文紹介 朝鮮戦争とベトナム戦争で米軍が消耗戦を選んだ理由は何か?

消耗戦(attrition warfare)が望ましくないもの、非合理なものと見なされることが多い主な理…

論文紹介 1980年代の中東情勢と米軍の対ソ戦略に対するウォルツの考察

1979年9月1日、アメリカ上院外交委員会では中東地域に配備する新しい部隊として即応展開部隊(…

論文紹介 冷戦期の米国でCIAの情報活動の質の悪さを指摘した研究者の批判

ロバート・ジャーヴィスは、国際政治を理解するためには、人間の認知が対外政策の形成に与える影響を知ることが重要であると主張した政治学者です。彼は国家の情報活動も分析しており、その研究成果を「情報処理の何が問題か?(What's Wrong with the Intelligence Process?)」(1986)でまとめています。この論文は、1980年代のアメリカの中央情報局を中心に情報コミュニティの現状を厳しく批判したものですが、情報業務に必要な教育や組織などに関して興味深

なぜ抑止戦略の研究で評判が問題になるのか?

現代の軍隊が達成すべき任務の一つは、自国に脅威を及ぼす恐れがある他国に武力の行使を思いと…

核兵器使用の恐れが差し迫ったとき、アメリカ国民はどう反応するのか?

核兵器の使用の恐れがある国際的危機に際して、普通の人々がどのような反応を示すのかを詳しく…

信頼の喪失が国際政治に及ぼす影響を説明したTrust and Mistrust in International Re…

政治学の研究で最も基本的な分析対象に交渉があります。交渉を分析する場合、研究者は何が争点…

論文紹介 米国は中国といかに向き合うべきなのか?

プリンストン大学のアーロン・フリードバーグ教授はアメリカの政策、戦略を専門とする研究者で…

議会制度は国家の戦略形成にどのような影響を及ぼすと考えられるのか?

国家安全保障の最も重要な問題は、国内外の脅威に対し、国家がどのような能力や構想によって対…

論文紹介 アフリカで米軍の対テロ作戦はどのように進んでいるのか?

2007年にアメリカ軍はアフリカを作戦地域とする地域単位の統合軍を新編し、アフリカ軍(AFRICO…

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より少ない費用で米国の安全保障を実現する戦略が必要と主張した『抑制(Restraint)』の紹介

冷戦が終わり、アメリカが唯一の超大国になると、研究者の間でアメリカがとるべき戦略をめぐり大きな論争が繰り広げられました。マサチューセッツ工科大学の政治学者であるバリー・ポーゼン教授はこの論争に当初から参加してきた研究者であり、以前から戦略の研究に取り組んでいました(軍隊が選択したドクトリンによって国際情勢が不安定になる場合がある『軍事ドクトリンの源泉』の紹介)。 ポーゼンはアメリカがその世界の経済と安全保障を支え、自由と民主主義の価値観を広めようとすることに反対しており、そ

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