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歴史を学ぶ

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2023年5月の記事一覧

第一次世界大戦でドイツが英米に送り込んだスパイ:Spies of the Kaiser(2004)の紹介

1909年、イギリス陸軍省に外局として秘密情報局(Secret Service Bureau)が設置されました。…

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メモ 河川と国家の関係をめぐる地理学者と歴史学者の議論から見えてくるもの

19世紀に活躍したドイツの地理学者ラッツェル(Friedrich Ratzel)は政治地理学の先駆者です。…

メモ 第一次世界大戦は経済的相互依存の効果で防げなかったのか?

第一次世界大戦(1914~1918)は国際政治学の領域で特に活発な論争が続けられてきたテーマであ…

メモ 既成事実(fait accompli)とは何か、戦略的に何の意味があるのか?

国際社会では、現状の維持を図るよりも、現状の変更を図る方がはるかに難しい判断を必要としま…

核兵器使用の恐れが差し迫ったとき、アメリカ国民はどう反応するのか?

核兵器の使用の恐れがある国際的危機に際して、普通の人々がどのような反応を示すのかを詳しく…

いかに国家は戦費を調達するのか? How States Pay for Wars(2016)の紹介

戦争を遂行する能力を構築するためには、財政的な裏付けが必要です。軍隊を構成する人員、武器…

第一次世界大戦の勃発に至る英独関係の歴史を記したThe Rise of the Anglo-German Antagonism(1980)の紹介

歴史学者ポール・ケネディは1980年の著作『英独対立の高まり(The Rise of the Anglo-German Antagonism)』の中でドイツとイギリスが敵対するに至ったことが必然であったという解釈を打ち出しています。彼の叙述の起点となるのは1860年であり、第一次世界大戦が勃発する1914年までの間に生じた英独関係の政治的、経済的、社会的な変化が多面的に検討されています。伝統的な外交史の方法だけに頼っておらず、ケネディの歴史解釈の奥深さが分かる研究です。 彼

メモ 「東洋的専制政治」とは何か、なぜ地理と関連するのか?

東洋的専制政治(oriental despotism)とは、ヨーロッパの政治学史で古くから使われてきた政治…