あいまいで主観的な意見こそなにより大事なんじゃないですか?私たちは人に感動してもらうために、ものを作ってるんですから
タイトルは、たまたま観ていたドラマ「それってパクリじゃないですか?」(第6話)で気になったセリフ。https://www.ntv.co.jp/sorepaku/
開発中の新ドリンク「カメレオンティー」。その試飲会で得られたお客の「ヤバい!」「かわいくない?」といった感想に主人公の亜季(芳根京子さん)は喜ぶ。しかし上司である北脇(重岡大毅さん)に「あいまいで主観的で役に立たない」と批判されてしまう。そこで冒頭のセリフ。
「でも、あいまいで主観的な意見こそなにより大事なんじゃないですか?私たちは人に感動してもらうために、ものを作ってるんですから」
知財部長役の野間口徹さんも、「胸に響いた!」的なことを言ってたし、ドラマ観てるときは、なんとなく普通に納得してしまった。でも、よくよく考えてみると、あんまりよくわからない。「あいまいで主観的な意見」って、ヒトに感動してもらうものづくりのために、どうして大事なんだっけ?
ヒトが感動するっていうのは、そもそもあいまいで主観的なことだからっていう理屈?それは、なんとなく実感としてはわかる(この間書いてみた記事)。https://note.com/takeuchi1113/n/n995a49557145
でも、実際にものを作ろうとしたとき、そんなあいまいなものばっかりだと、さすがに指針にはならない気もする。それに「明確で客観的なこと」にだって感動することはきっとある。ある種の数式とかに感動する人だっているし…。
…というわけで、最近ちょっと話題の「話し上手な知ったかぶり」に相談してみることにする。
な、なるほど~。なんかもっともらしい。言いくるめられそうな気もする。ハルシネーション?わからないけど、ちょっと反論してみる。
ちゃんと、こちらの主張を受けたうえで反論してくるんだ。うーん。なんかちょっと違う気もするけど、すぐには再反論できない…。悔しいのでまた考えてみるけど、要は質的データも量的データも両方大事ってことで、それはそれであたりまえなことかも。
ちなみに、ドラマではこのあと「官能評価」という、人の五感(視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚)を使った評価方法が登場する。これは冒頭の「あいまいで主観的なこと」に価値を持たせるため。これにより、なんとか特許申請(&学会発表)につなげていく様子が描かれる。
五感と言えば、このドラマではやたらと「じゅわわわっ」とか、変な擬態語を主演の芳根さんがたくさん発する。このあたりのことって、ドラマ(原作)全体のテーマでもあるのかなという気もする。最終回では、ついにあの北脇もドリンクの感想を「たわわ~ん」とか言ってしまい、「それってパクリ!」とか突っ込まれてたし(笑)。あ、これって「風間公親」における「なんとなくですけど」「なんとなくだが」と同じかも。
なお、原作者の奥乃桜子さんは、理科系の大学で博士号をとった元研究者とのこと。 https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/290600
そういう方が、こういうテーマで書かれてるのも、もしかしたら(職業上あるいは研究上の)必然性があったのかもしれないなぁ。
※原作はこちら。今度読んでみよう。
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