3.パニック障害

「交差点で信号待ちをしている時にこのブレーキペダルを外したら」
と考える。

「トンネル内で対向車線にはみ出したい」
そんな衝動。

「電車に乗っても、もし気分が悪くなり倒れてしまったら。」
との不安で汗びっしょり。

 いつも通っている交差点、トンネル、そして乗り慣れた電車などで毎回不安を感じ、これはおかしい,変だと思い、心療内科クリニックを受診しました。2013年のことです。

経験豊かで何でも話せ、全てを受け入れてくれそうなドクターからは「パニック障害」との診断でした。病名は聞いたことはありましたが、各人で異なる症状が出るとのことで私は「まだ軽い方」との言葉と、不安や緊張を和らげる薬などを処方して頂きました。原因は「ストレスによる可能性が大きい」とのことです。

一概には言えませんが、私はその前年に会社において営業系部門からの異動により、財務を含めた経営企画部門の長として会社の舵取り役を仰せつかっており、業務への不安、不慣れと財務知識等の不足で会社には大変迷惑をかけていました。「私が何かしなければ」との強い思い込み、そのような気負いがストレスを生み病気の一因になったのかもしれません。

暫くの通院の中で物事への取組み方や考え方について多方面からまた楽観的に見たり考えたりするドクターの姿勢を学ばせていただいたような気がします。
例えば、普段利用する高速道路での運転が怖くなったと伝えると、
「高い料金、油代と大切な命を懸けて数十分の時間を短縮する必要があるのですか」とか、
「電車も各駅停車に乗れば、気分が悪くなってもすぐに降りることができます。今日はこの駅まで、次回はあの駅まで行けたという楽しみながらも自信と経験に繋いでゆっくり克服していきましょう。」などと
悪く思えることも他方から見ると大したことではなく、新たな前向きな心の処理法も生まれること、また仕事上にも通じるストレスと感じる事柄を自分なりに処理、適応していく能力であるレジリエンスの必要性なども学ばせていただきました。

いまだに運転中に不安な感情が生じるときもありますが、お陰様で生活に不自由さを感じない状況になりました。

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