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「締め切りに追われる凡人」に必要なのは、時間ではなく寛容の精神

February 17, 2023

Transcription

Media in Turkey report the rescue of a woman, child and two men in Antakya, more than 10 days after disastrous earthquakes struck.

In Ethiopia, the head of an African Union council considers lifting restrictions on military governments in Mali, Burkina Faso and Guinea.

Demand for American artillery shells in Europe increases by three times as nations aim to make sure they have basic arms supplies.

And Japan halts a test launch of its newest 57-meter H3 rocket at the Tanegashima spaceport after one of its engines fails to start.

訳例

トルコのメディアは、大地震発生から10日以上たった今、アンタキヤで女性、子供、男性2人が救出されたことを報じました。

エチオピアでは、アフリカ連合の理事会議長が、マリ、ブルキナファソ、ギニアの軍事政権に対する制限の解除を検討しています。

ヨーロッパでは、基本的な武器の供給を確保するため、アメリカの砲弾の需要が3倍に増加しています。

日本は種子島宇宙センターで57mの最新型H3ロケットの打ち上げテストを行いましたが、エンジンの1つが始動しなかったため、打ち上げを中止しました。

勝手に探究

失敗と成功。それらを厳密に分けるものがあるとすれば、それは何か。

急に小難しいことを書き始めてしまったのは、「H3ロケットの打ち上げ中止」に関して「失敗かどうか」が話題になっているからです。

普通に考えれば、発射されるべきロケットが飛ばなかったらそれを失敗というのでしょうが、JAXAはもっとひどくなる前に制御できたことを評価して「延期」と主張しているようです。表現の仕方はさすがにアカデミックというか、何というか。

実際、安全装置が正常に作動し、ロケット本体や積み荷(の衛星など)を失ったわけではありません。比較的短期間での再挑戦が可能で、JAXAが「延期」と言うのもあながち間違いではないでしょう。

とはいえ、「延期」は予定が崩れたことを意味するので、それも失敗の範疇に入るような気がするのですが、それは締め切りに追われる凡人の発想かもしれません。

科学者や芸術家などは理想の追求を続けるもの。終わりのない戦いの中に予想しないことが当たり前に起こるのなら、彼らに凡人の言う「失敗」などはなく、話が平行線になるもの仕方ありません。

それでは、彼らにとって「失敗」とは何なのでしょうか。

凡人に彼らの「崇高な理念」を語ったこと?

というのは冗談で、実際、彼らに我々の思う失敗なんてないんでしょう。ナポレオンの辞書に不可能の文字がないくらいに。

学校では、ここのところやけに保守的になった生徒に失敗を勧めています。「失敗」を「成功のもと」と捉えて前向きに過ごして欲しいと思ってのことですが、その結果、何か不都合が起こる度に前向きに延期して誰も締め切りを守らなくなったりして・・・

それでもほとんどの生徒が無難な毎日を過ごしているところをみると、そんな心配は杞憂かな。それよりも、今回の報道のようにいちいち難癖付けてみんなで批判するみたいなのは何とかしたいところ。失敗を認めないとかではなく、失敗に寛容になってほしいものです。

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