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「既得権益に手を付ける」~イギリスの最もやりそうのないこと

November 17, 2022

Transcription

In the Netherlands, a court finds two Russians and a Ukrainian guilty of murdering 298 people who died in the 2014 downing of a Malaysia Airlines flight over Ukraine.

In Ukraine, Russian airstrikes continue to target energy centers, as the first snow of the season falls in the capital, Kyiv.

In Britain, the government announces an emergency budget of 65 billion dollars that includes both tax increases and spending cuts.

And in the United States, Republicans narrowly win control of the U.S. House of Representatives, after more than a week of vote-counting.

訳例

オランダでは、2014年に起きたウクライナ上空でのマレーシア航空機撃墜事件で、298人を殺害した罪でロシア人2人とウクライナ人1人を有罪とする判決が下されました。

ウクライナでは、ロシアの空爆が発電所を狙い続ける中、首都キエフでは今シーズン初の雪が降りました。

イギリスでは、政府が増税と歳出削減の両方を含む650億ドルの緊急予算を発表しました。

米国では、1週間以上にわたる開票作業の結果、共和党が下院の過半数を僅差で獲得しました。

勝手に探究

イギリスでリズ・トラス前首相が辞任を余儀なくされたのは、経済政策が市場に評価されなかったためでした。

減税を大々的に打ち出したものの、財源を明らかにしなかったために信用されず、「イギリス売り」に繋がったというものです。

そういう意味では、日本の経済政策はこんな状況下でもうまくいっている方です。円安にはなっていても、株価は安定し物価もインフレ率では許容範囲に収まっています。むしろ、円安を武器に反転攻勢に打って出られるなんて話もあります。

国内は景気が上向き、少々の物価高のおかげで消費税額は税率を変えずとも増えている状態です。そんな中での岸田総理の増税発言。これにはちょっとがっかりします。

さて、イギリスに話を戻します。今度のリシ・スナク政権では、どうするのでしょう。安易な減税はダメとなれば、インフレやエネルギーの高騰で苦しむ中で増税するというのでしょうか。

記事を見てみると、なんと、増税するらしいですよ。キッツー。

Millions of people across Britain face higher taxes and energy bills after the government on Thursday announced an emergency budget focused on restoring the country’s financial credibility and bolstering an economy battered by soaring inflation.

「木曜日に政府が、国家財政の信用回復と、暴騰するインフレによって打撃を受けた経済の強化に焦点を当てた緊急予算を発表したため、イギリス中の何百万人もの人々が増税とエネルギー料金の支払いに直面することになった」

Hunt sought to cushion the blow by pledging to protect the most vulnerable, announcing that he would increase welfare benefits and state pension payments in line with inflation and help low-income residents with their energy bills.

「ハント財務大臣は、最も弱い立場の人々の保護を約束し、生活保護手当と州年金の支給額をインフレ率に合わせて引き上げ、低所得者のエネルギー料金を支援すると発表し、(増税の)ダメージを緩和しようとしている」

取れるところから取るだけだから許してってことでしょうか。確かに、イギリスの生活保護受給者数割合は世界でもトップレベルのようです。しかも給付条件は緩く、また手厚いサポートがなされているように見えます。

なんなら、イギリスの労働者はほとんどこれに該当するんじゃないかと思われるほど。確かに、彼らを保護しつつ、資産家や給料の高い仕事に就くエリート層には増税するというのは税収の面で効果的であり、また政権の安定には繋がりそうです。

でも、これって保守党らしくない政策ですよね。イギリス人のことだから、何か裏があると考えた方が良さそうですよ。

最後のコメントも思わず深読みしてしまいます。

 The British people are tough, inventive and resourceful.

「英国人はタフで、創意に富み、機知に富んでいます(だからしんどくても大丈夫だよね)」

We aren’t immune to these headwinds, but with this plan for stability, growth and public services, we will face into the storm.

「この逆風と無縁ではいられませんが(絶対たいへんなことになるけど)、私たち(というか君たち)には(生活の)安定と(経済の)成長、公共サービス(の維持)のための(きっつ~い)政策があります。だから、私たち(君たち)は(外と内、両面からの)嵐に立ち向かうことができるのです(立ち向かってくれたまえ)(健闘を祈る!ニコッ)」

今からでも力を合わせれば、何とかなる」(by イーサン・ハント)『ミッションインポッシブル』より

実は今でも覇権国家なんて話もあるイギリスですが、虚業が稼ぎ頭のためか、カネがあっても買えない物不足は苦手かな。今後どうするか見ものです。

※上の画像は「ハント違い」ですが、案外、ジェレミー・ハント財務相も同じことを思っているかも。

もはやアメリカが手本とはならない時代。日本政府には、今回の難局を諸国がどう切り返す見ていただいて、参考になるところがあったらいただいてほしいものです。

おいしいところをいただきます!

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