余命30年

年齢が40歳に近づいて、「人生も折り返し地点なのかな」と感じはじめている。
寿命は伸びているとは言え、健康体で全力で仕事などをやれるのは70歳ぐらいまでだろう。
そう考えると、残り余命30年。
この「余命30年」という感覚が、結構気に入っている。

30年間という期間もある程度は手触り感を持って感じられる。
今から30年前は約10歳、物心がついた頃。そこから今までの期間。

違う捉え方をすれば、社会人になって20代、30代と、10年間を二回過ごしてきた。
その10年間を、あと3回はやれる。過去自分に起こった変化を思えば、まだまだ色んな出来事や人や世界に出会える余地はある。守らないといけないこと気にするべきことは20代初頭に比べてかなり多くはなったけど、それでもまだ何か挑戦はできる。それだけの時間は十分にある。

運がいいと思った方がいいだろう。寿命がもっと短かった時代のほうが長いし、60代でも何かトライができると感じられるのはここ最近のことだと思う。

人生が無限にあると考えるよりは、あと30年は戦える。であれば、その時間で何をやりたいか。仕事だけではなく、家族や趣味を含めて。

自分が死に、この世から消え去る存在だと認めることは、ずっと嫌だった。今でも嫌だ。でも、ゴールがある方が、物事は考えやすい。そして、それは事実だ。この体と頭は、いつまでも現世にはいられない。
十分に時間はある。けど、無限ではない。
この「余命」は、視界の隅に入れておきたい。