10年後のワールドカップ

その興奮は、鮮明に覚えている。
大体10年前、ふとテレビをつけた時に日本代表の試合をやっていた。何の気なしにその試合を見ていて、ふと気がついた。
「これ、攻撃に論理があるんだ」
複数人が同時に同じビジョンを描き走り、ボールを回す。そしてその動きは、守備陣の混乱とスペースを意図的に作り出し、ゴール前でフリーの選手を作る。
まるで将棋のようだと思った。しかも、それを複数人の選手が変わり続ける状況の中で行う。複数人が同時に駒を操って、しかも自分の身体を使って行う将棋。
めっちゃ戦術的で面白い。
この興奮がサッカーに、ひいてはスポーツ全体にのめり込むきっかけになった。

そして、10 年が経った。
これだけ時間が経つと、選手たちも大分変わっていく。当時ベテランだった選手は引退した人によっては監督に。若手の選手がベテランと言われる年齢になっている。
その意味で明日から始まるW杯は、見始めた時にいたスター選手達の最後の大会という意味づけが自分にとっては大きい。メッシ、クリロナ、モドリッチ、ベイル。クラシコを彩ったこのスター達にとって、最後のW杯になる可能性が高いだろう。
その意味ではアルゼンチンの優勝が少し見たい気がする。メッシを同世代で見ていた、というのは一つ本当に幸運なことだろうから。


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