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POLICEMEN 危機一髪!

 時代は昭和、私の生まれ故郷では珍しくないのだが、家内にこの話をすると「そんな人おらへんわ!」と疑問視されるので、皆さんの故郷には、こんな人、居ますか、という話! 
 1970年代から1980年代頃、私の生まれ育った街には、ホンモノではないがホンモノよりある意味おっそろしいおっさんが数多く点在していた。

 今日もまた、私には日常的な光景だが、皆さんにはちょっと恐ろしいか、笑えるか、信じられないと思うのか、それぞれだろう。
 近所の何処かに住んでいるであろうホンモノの方ではないものの一般市民とは違う空気をかもし出している、名前はわからないが、よく見る顔のおっさんと警察とのバトルの話をさらさらっと書いていく。

 角刈りのおっさんが、駐禁でキップをきられそうになっているこの状況。
 おっさんが「おぉっ、お姉ちゃん何してくれとんじゃ!!ワシのタイヤに落書きしよって、どうすんねんな?」とすごむ。
 2人組の婦警さんも動じない。「ここは駐車禁止の道路です。免許証お願いします。」 もう1人の婦警さんは無線で誰かに応援を頼んでいるような感じに見える。
 おっさんが「そんなんどーでもエエんや!ワシはタイヤに落書きしたことを聞いとじゃ、わからんか?お前はアホか?」
 婦警さんも全く動じておらずまた免許証の提示をもとめた。
 そのやり取りの間に6人の警察官が集まってきた。1人で8人を相手にするのは難儀な話だと思った表情で、それでもおっさんは戦いを止めようとはしない。おっさんはターゲットを1人に絞り、徹底的にやり合う構えだ。
 おっさんがロックオンしたターゲットはどうみても弱々しい、近くの派出所勤務のいかにも新人です、という感じの巡査で、いきなりおっさんがターゲットに向かって、「ちょっと兄(にい)ちゃん、お前はこの状況どない思うねん。」周りのベテラン巡査長、巡査部長が若い巡査をかばうように、おっさんの相手になろうとしているが、「おのれはだぁーとれ、ワシは兄ちゃんに聞いとんねん。」
 兄ちゃんが、口を開いた。「君はここが公道だとわかっているんか?」
 おっさんは「君って誰に抜かしとんじゃボケ!ここは昔っからワシの土地や、ホンで君って誰に抜かしとんじゃ?」
 ベテラン警察官がなだめるように、おっさんに近付こうとしたが、逆上したおっさんは「拳銃貸してみい、このボケ、撃ち殺したら」とベテラン警察官の腰に手をかけようとした瞬間、おっさんは、はらい腰でくるっとアスファルトの地面に寝っ転がらせられていた。冗談でも警察官に手を伸ばしてはいけない。おっさんは、公務執行妨害の現行犯で捕まったが、一週間もたたないうちに同じ場所に駐車していた。
 こんな人が、近くにいらっしゃいますか?


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