仕事におけるメンタルコントロール

○メンタルコントロールとは?
日々の生活の中で「感情」を揺さぶられることは多々あると思います。

仕事(ビジネス)をしている中で、特にストレスを感じたり初めての状況に遭遇した際は、「上手くできるかな。」「失敗したらどうしよう。」と、どちらかというとネガティブな感情を抱くことも多いと思います。

ここで重要になるのが「自分のメンタル(感情)をどうコントロールするのか」ということです。

「自分なら成功できる」と自信を持って臨むのか、「自分にはきっと無理だ」と不安が先に出てしまうのか。

どちらの心構えでいるかによって発揮できるパフォーマンスは変わるし、当然結果も変わってきます。

この後も述べると思いますが、メンタルは「弱い」「強い」という尺度で語るものではないと思います。
日々の取り組みの中で「鍛えること」も「コントロールすること」もできるようになります。
そのため、どうすれば自分なりの平常心を保てるか、という方法 論を知っておくことは、メンタルを安定させるためにも重要になると思います。

今日は普段私が心掛けている「理論」を1つ、あとは私なりの考え方を1つ、お話ししたいと思います。

1.マインドセット
マインドセット(mindset)とは、直訳すると「人の考え方や好み、習慣」となります。

心理学的にいうと人が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パ ターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」 を意味します。
ビジネスにおけるマインドセットの意味もほぼ同じですが、考え方の基本的な枠組みを指します。

マインドセットは今までの経験や持っている知識、先入観、信念、これまでの人間関係などさまざまな要素から成り立っていて、その人の思考や行動の根幹を形作っているのです。

人間の成長や仕事での成功が見込めるかどうかは、このマインドセットの状態によって変わると言われています。

(ここが大切→) 先天的なものではないので、意識や習慣化に よって後天的に変えることのできる思考だと覚えておきましょう。

心理学におけるマインドセットの種類は2種類あります。

1成長型マインドセット(growth mindset)
しなやかマインドセットとも呼ばれ、人間の能力や資質は努力次 第で成長させることができる、という考え方です。
このマインドセットを持つ人は物事を前向きに捉えるので、挑戦する、努力する、粘り強く頑張るといった行動を取ります。 また無理難題に直面した時でも絶好のチャンスと考えることがで きるでしょう。

成長型マインドセットを持つ人は、問題が解決できなくてもそこから何かを得られることを喜びとし、少しずつ修正しながら前進 していく傾向にあるでしょう。

2停滞型マインドセット(fixed mindset)
硬直・固定マインドセットとも呼ばれ、人間の能力や資質は一定 で決められており変わることはないという考え方です。
このマインドセットを持つ人は周囲に有能さを示そうとしますが、 挑戦せず、学習せず、何よりも失敗を恐れます。

停滞型マインドセットを持つ人は、問題を解決できない場合自 分にダメだという烙印を押し、今の状態にこだわり続けてなかなか先には進もうとはしない傾向にあるでしょう。
ちなみに多くの人はこのどちらのマインドセットも備えているといわれています。

マインドセットはさまざま種類がありますが、定着までに時間を要するものばかりです。
その中で定着するにあたって注意するべきことが幾つかあります。

1停滞型は挫折感を感じやすいことを理解する
停滞型のマインドセットを持つ人は、挫折を感じやすい傾向にあります。
また、マインドセット自体、すぐに定着するものではなく、時間をかけて修正、定着していくものです。そのため、それを理解したうえでさまざまな工夫を凝らしていく必要があります。

2小さな成功体験を積み重ねる
小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や自己効力感は上がります。
最初から高い目標を立てて、それを達成することでマインドセットが変わることもありますが、まずは再現性の高い目標から着手、一歩一歩クリアしていきながら、小さな成功を積み重ねていくと徐々にマインドセットが変化していきます。
「スモールステップを踏むこと」、「コツコツが勝つコツ」ですね。


では自分のマインドセットを変えるためにはどのような工夫が必要でしょうか?

1自分のマインドセットを自覚する
まずは自分のマインドセットがどのような状態かを自覚しましょう。 ほとんどの人は成長型マインドセットも停滞型マインドセットも両方 持っていますが、自分の不得意な分野において停滞型マインドセット となっている場合が多いようです。

例えば仕事において自分のマインドセットがどのような状態か観察するなら、自分の仕事を整理してメモなどに書き起こし、「どの分野において停滞型マインドセットとなっているのか」チェックしてみるのも一つです。

自分のあまり良くない面と向き合う必要もあるので無理をし過ぎる必要はありませんが、少しずつ分析しマインドセットを自覚するのがいいと思います。

2環境や人間関係を変える
マインドセットは周囲の環境や人間関係の影響を少なからず受けます。
アメリカの起業家ジム・ローンが「あなたは、最も一緒に過ごす時間の長い5人の友達の平均になる」という言葉を残しています。

この言葉の内容を活かして、停滞型マインドセットの人は同じように 停滞型マインドセットを持つ人とばかり付き合っていないか考え、少 しずつでも成長型マインドセットを持つ人と関わりを持つようにしてみましょう。

また住む場所や毎日のルーティーンを変化させ、新しい価値観や生活パターンに触れることでもマインドセットは変わります。

自分がまず一歩を踏み出し、行動を変えてみることで自分も周囲も少しずつ成長型マインドセットへと変化していくでしょう。

3読書を習慣化する
マインドセットを変えるには、読書を習慣化するのも近道です。
読書の優れているところは、インプットとして習慣づけることで す。
最初は自分の好きなジャンルの本からで構わないので、時間を決めて読書に取り組みましょう。 そして読書をして考えたことを手帳にメモするなど、アウトプットする習慣をつけるとなお良いでしょう。
アウトプットすることで学んだことを行動にすぐ活かせるので、成長もしやすくなります。

4すぐに行動する癖をつける
ビジネスでもプライベートでも、すぐに行動を起こすことで問題を解決できた経験はありませんか?
これは素早く行動することで解決のタイミングを見誤らずに対処できたり、成功へと立ちはだかる壁の数を減らすことができるからです。
これと同じで、気づきを行動に繋げ、習慣化すれば早く成長できます。
あれこれ考えるより体を動かしたい人が停滞型マインド セットから成長型マインドセットへと変えたい場合、まずこの方 法から試してみましょう。

5ビジュアル化する
1972年に出版された「産業教育機器システム便覧」では、人間 の五感による知覚の割合が「味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、 聴覚 11.0%、視覚 83.0%」とされています。

感覚の世界ではやはり視覚が圧倒的に優位だと言われています。 そのためもし自分が思い描いたゴールやはっきりとした目標があるのなら、それを画像や動画にして毎日見る習慣をつけましょう。
手帳などに書くことでも振り返りができ、少しずつ成長型マインドセットへの変化が促せるでしょう。

一先ず簡単に纏めてみました。
マインドセットを変える、意識する、習慣化するというのは意外と難しいです。
ともすれば自分自身と向き合う作業にもなるので、苦しい時もあります。

ただ「自分なりの」思考のパターンや、得手不得手などを把握したうえで行動に移せた方が、その後の心理的なダメージが少なくなることも事実だと思います。
一つの考え方として参考にしてください。

2.私流メンタルの整え方
ここから先は私なりに意識をしていることです。
きちんとした文献を参考にしたわけでもなく、私が感覚値も含め て取り組んでいることなので、適当に読み流してください。

大前提としては、「メンタルは揺れ動くもの」という認識でいること。
どんなに実力があっても、経験があっても、信頼されていても、 そんなものは「ほんの小さな」きっかけや言葉や態度で跡形もなく砕かれることも有ります。

それであれば「何があっても動じない」ことより、「何が起きてもおかしくない」と思っていた方が、心持ちとしては楽になります。

信念や自信を持つことは大切。ただ過信せず「自分は未熟である」と認識して待ち受けておくことがいいかな、と思います。

その上で気にしているのは、「普段の自分」を知っておくこと。 メンタル的には「±ゼロ」の状態。波のない湖のような感じ。
体調としても「普段の体力」「普段の眠気」「普段疲れた時の疲労感」などなど。

ある程度「自分自身」がどんな人間であるかを把握しておいて、 その上で今の状態が「±ゼロ」「普段の○○」からどの程度「ずれているか(差があるか)」を観察します。
「どの程度ずれているか」を把握したら、普段の状態に戻すには どうすればいいか、を自分なりに探求していきます。

例えばメンタル的に、普段より落ち込んでいるのあれば「普段より早めに仕事を切り上げて気分転換する。」「お酒を飲む。」 「落ちるところまで落ちてみる」など。
体力的にずれがあるなら、「早めに寝る」「栄養ドリンクを飲む」「お風呂にゆっくり入る」など。

自分なりに普段の状態に戻すための方法論を探求すること。
出来れば「この時はこの方法がよかった」「この方法を試したけどダメだった」と、結果まで記憶できているといいと思います。

メンタル的につらいのは、「この辛い状態がいつまで続くのでは ないか」、「浮上しなかったらどうしよう」、「自分以外みんなは順調なのに・・・」とネガティブな方向に思考がハマってしま うことだと思います。

大丈夫。誰だって失敗するし、怒られることもあるし、順調にいかないことだらけです。
でも「上手くいかない状況の対処法(脱出法)」を自分なりに心得ているから、人よりも「切り替えが早い」「落ち込んでいるよ うに見えない」という風に見られているのかもしれない。
落ち込むことは悪いことではありません。だからこそ自分なりの対処法を考えてみましょう。

メンタル的に絶好調の時は、多少調子に乗ってもいいと思います。
さっきの「ずれているか」を認識する話で、絶好調の時は普段と何が違うのかを把握するいい機会です。

絶好調になる前には何があったか、自分が絶好調だと周りにどんな影響をおよぼすか。それを知ることも大切です。

逆に絶不調の時は、先ほど述べたように「元に戻る」ための方法論を駆使して平常を戻せる取り組みをすること。
もしくは「駄目な時は何をしても駄目」と割り切って、落ちると ころまで落ちてもいいと思います。
最底辺まで落ちたら、浮上するしかないからね。

前にTwitterかなんかで見た迷言?がありました。

「止まない雨はない、じゃなくて今降ってる雨がもう耐えられな いって言ってんの」

辛い時は何をしても辛い。無理に抗わないことも大切。

まとめ
適切に客観的に、自己分析をしながら自分のメンタルがどこにあるか、どうすれば整えられるか。考えるヒントになればと思いま す。

メンタルが弱くて、打たれ弱くても結構だと思います。 何か言われて凹んで泣いて怒ってで構わないと思います。

出来る限りの自己分析をして自分の心をコントロールするすべを 少しずつ身に着けていきましょう。

以上

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