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ネッシーがいる証拠を集めようとすればするほど、いない証明になってしまう

小学生の頃からネッシーの存在を信じている私。もちろんおっさんになった今でもネッシーについてあれこれ調べている。
しかし、残念なことにネッシーがいる証拠を集めようとすればするほどネッシーがいない証明になってしまう。

ネッシーが首長竜の生き残りである説の否定

ネス湖のネッシーが首長竜であるプレシオサウルスの生き残りであるという説はかなり有名だ。ネッシーに興味がない人でもなんとなくそんな話を聞いたことがあるだろう。
ネッシーを写した写真や目撃例の多くが首長竜っぽい見た目だった。
ところが最新の古生物学では、首長竜は首を持ち上げることができないことがわかっている。
また、ネッシーが陸上に上がっているところを目撃された例もあるが、これもまた最新の古生物学で否定することができる。
首長竜は陸上に上がって這いずって移動することができなかったのだ。
そんなわけでネッシーを首長竜と仮定すればするほど、古生物学で否定できてしまう。これではネッシー=首長竜の生き残り説が成り立たない。

陸上に上がったネッシーの目撃例が映画の描写に似すぎている点

ネッシー信者なら誰もが知っているジョージ・スパイサー夫妻による目撃談。夫妻は休暇を終えてロンドンに帰る途中、ネス湖周辺の道路で陸上を這いずるように移動する巨大な生物を目撃している。
巨大生物の足はよく見えなかったらしく、ヒレだったのか足だったのか不明だそうだ。
ところが、この夫妻の目撃した生物の特徴が、『キングコング』に出てきた竜脚類にそっくりだったというのだ。
口に何かを咥えている、動く方向まで映画に出てきた竜脚類の恐竜のシチュエーションにそっくりだったという。
これはもう、ちょっと、あれですよ、確定でしょう。
嘘か、なにかを見間違えて、それを説明している内に頭の中で映画を参考にしてしまったのでしょう。
完全な嘘とまでは言わないが「ネス湖 伝説の真実」というドキュメンタリー番組でも私達の脳がいかに勘違いを起こしやすいかが説明されている。

最後の砦「聖コロンバ伝」の記述について

ネッシー好きなら誰もが知っているネッシー最古の目撃例。それが紀元565年の「聖コロンバ伝」の中で記述されているネス湖に住んでいる獣の話だ。ネス湖で漁をしていた若者が水中から現れた獣に襲われた。修道士コロンバは十字架を空にかかげ、その獣に向かって湖底に帰るように命じたという話である。
これは実際にネス湖で起った何かをモデルにしているとされ、我々ネッシー信者にとっては大切な話だった。
ここに書かれていることすべてを真実とまでは思わないが、ネス湖になにか巨大な生物がいて、それがモデルになっているという期待が私達の中にはあったのだ。
ところが、この話。よく見直さなければならない。
聖コロンバ伝に出てくる舞台、実はネス湖ではなくネス川なのだ。
え!?と思うかもしれない。
川と湖は繋がってるからセーフっしょ!と思うかもしれない。
いや、わかる。戸惑う気持ちもわかる。私も最初戸惑ったから。
だが残念なことにネス湖の獣について書かれたものは、ネス湖ではなくネス川なのだ。地図を見てもらえればわかるが、ネス湖とネス川は琵琶湖と淀川くらい違いがあるのだ。
しかもこの怪物退治は実際の怪物退治を表しているのではなく、聖コロンバによる異教徒の追い出しを怪物退治として描いているという説の方が有力なのだ。

こうして我々オールドスクールなネッシーファンたちは肩を落とさなくてはいけなくなった。
ネッシーの存在を証明しようとすればするほど、ネッシーがいない証明になってしまうのだ。

最近流行りのターリーモンスター説について

昨今はネッシーの正体は実は約3億年前に生きていた生物ターリーモンスターではないか説が上がっている。
私はこの説、ちょっとというかだいぶ無理があるなと思っている。
約3億年前の生物が生き残ってこれたか(しかも巨大化しながら)ということが可能かどうかは証明のしようがない。
実際ウミユリだって生きてこれたわけだし、条件さえ整えばありえないことでもないのだろうけど。
私がこの説に懐疑的なのは答えありきの説だからだ。
つまりプレシオサウルスっぽかったけど、古生物学的にプレシオサウルス説が無理っぽいから形が似てるこいつにしよう感が半端ない。
まるでスカイフィッシュの見た目がアノマロカリスに似てるからスカイフィッシュはアノマロカリスの進化した姿説に近い無理やりな論法だ。

私はUMAの存在を信じている。だから、こういう答えが最初にあってそれを肯定するやり方は好きではない。
あくまで目撃例や証拠があって、そこからUMAの生態を考察するべきなのだ。

参考



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