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❖空気や心理を読み間違えると、パーソナルスペースに土足で踏み込むことになる~If you misread the air and psychology, you will step into someone's personal space~❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2022年3月19日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を)

◆空気や心理を読み間違えると、パーソナルスペースに土足で踏み込むことになる◆

教員という職業としては、生徒の心の変化に敏感でなければならないと常々思うのだが、私は空気とか他者の心理とかを感じ取るのが苦手である。
As a teacher, I always think that I have to be sensitive to changes in the minds of students, but I am not good at feeling the air and the psychology of others.

そういう点でいうと、持ち出す内容の妥当性についての議論は置いておくとして、ここ最近、各国の議会などでリモート演説しているゼレンスキー大統領は、空気や心理を捉えるのが上手であると感じる。彼がもともと俳優やコメディアンをしていたということは無関係ではないと思う。しかし、有事においてロシア軍が間近に迫る首都から撤退せず留まることが、いかに自分のメッセージが重みをもって他者に伝わったり、共感を呼び起こしたりするかを意識し、命の危険よりもそちらを優先させていることから考えると、俳優やコメディアン以上に「覚悟をもった政治的指導者」としてのメンタリティが彼に備わっているといえる。
In that respect, President Zelensky, who has recently made a remote speech at parliaments in various countries, feels that he is good at capturing the air and psychology, aside from the debate about the appropriateness of the content to be brought out. I don't think it's irrelevant that he was originally an actor or comedian. However, in the event of an emergency, the Russian army will not withdraw from the imminent capital, but will be aware of how its message will be transmitted to others with weight and evoke sympathy, and prioritize it over the danger of life. It can be said that he has more mentality as a "prepared political leader" than an actor or comedian.

さて、この空気とか心理とかについて、身近な出来事から考えさせられることがあった。いつも履いている靴がかなりボロボロになってしまい、ちょうど海外に行くタイミングでもあるので、買い替えようと近くの靴屋に入った。

その靴屋は普段からそれほどお客が入っている印象はない。私が入店すると店内にいた2~3名の店員がすぐに反応したのが分かった。しかし、どの店員も私に近づいてくることなく、微妙な距離感を取りながらも、間違いなく私の動きに関心を持っているのが何となく伝わってくる不思議な雰囲気であった。これは靴屋に限ったことではなく、紳士服のお店でも感じることである。何となく遠くから見られていて、声をかけるタイミングをうかがっているような空気感があり、私はその状態が非常に苦手である。

店員さんとしては、相手のタイミングを考えて声をかけようとしているのかもしれないが、こちらとすれば、堂々と近づいてきてくれた方がすっきりするのである。微妙な距離感で様子を見てから声をかけられると、店員さんがリスクを負わないように声をかけられそうなタイミングを計っている感じに思えてしまうのである。そんなリスクのないタイミングでの声かけは何となく腑に落ちず、そういう声のかけられ方をされると、私はさっと店を出てしまう。

これはめんどくさい人間の歪んだ思考だが、何か困っているかなという空気や心理を感じ取りましたよという店員のマウンティングのようなものに思えてしまうのである。店員さんはそんな風に思っていないかもしれないのだが、どうしても「困っているように見えたから近づきました」という恩着せがましさみたいなものに思えてしまう。

逆に堂々と声をかけてくれた方が、店員さんは自分でもリスクを負って声をかけているように思え、その場合には、素直に相談したくなる。店員さんだって、お客に対応して商品を購入してもらえればそれが良いはずである。そのような本音があるにも関わらず、本音と素直に向き合ったような積極的な声かけを避け、しかし対応はしたいからお客の隙をうかがうようにしている様子が息苦しく思えてしまうのである。

こう思うのは私だけかもしれない。少なくとも私は、そう思うので、店員さんの行動は空気や心理を捉えているようで、実は逆の結果を生み出している行動であると評価している。もちろん空気や心理は読めないよりは読めた方がいいだろう。しかし、それはあくまでも自分の解釈に基づくものであって、相手から直接そして具体的にメッセージを伝えられたわけではない。だから、自分の解釈に固執するのは危険であろう。

ウクライナ情勢においてもお互いのコミュニケーションが不十分であると、自分の解釈に支配され、相手の空気や心理を正しく捉えたものにはならず、むしろ実態と大きくかけ離れたものになりかねない。それゆえ相互不信が膨らむ一方である。やはり、物事を平和に導くのは「対話」だと思う。もちろん、各国の利害関係があるので、容易には話は進まないかもしれない。しかし、対話に意味がないと諦めてしまえば、残る道は力と力をぶつけ合って、最後まで立っていた方が勝者であり、それが正義であるという悲惨な状況に陥ってしまう。
Even in the situation in Ukraine, if communication with each other is insufficient, it will be dominated by one's own interpretation, and it will not be possible to correctly grasp the atmosphere and psychology of the other party, but rather it may be far from the actual situation. Therefore, mutual distrust continues to grow. After all, I think it is "dialogue" that leads things to peace. Of course, there are interests in each country, so it may not be easy to talk about. However, if we give up on the fact that the dialogue is meaningless, the remaining roads will collide with each other, and the winner will be the one who stands to the end, and it will fall into a dire situation of justice.

私の靴問題に話を戻すと、結局、大型スーパーの2階のアウトレットコーナーで靴を購入した。そのコーナーは店員さんがキャッシャーからほとんど動かないため、不思議な雰囲気に苦しめられずに気楽に選ぶことができた。

『URBAN RESERCH(アーバンリサーチ)』というセレクトショップでは、「声掛け不要」バッグというものが導入されているらしい。これはお客と店員さんの間で変な心理戦を無くすことができるので、素敵な取り組みだと思う。お客が店員さんの助けを積極的に求めているかどうかと、店員さんの対応との需給関係が上手く成り立つだろう。

アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホールは、他人に接近されたときに不快な感情を抱く空間について研究し、これは一般に「パーソナルスペース」と呼ばれている。このスペースの範囲は個人差があるわけだが、空気や心理の捉え方によっても、スペースの範囲は変わるものである。そう考えると、ゼレンスキー大統領はパーソナルスペースへの入り込み方が絶妙ということになるだろう。
Edward T. Hall, an American cultural anthropologist, studied spaces that cause unpleasant feelings when approached by others, commonly referred to as "personal spaces." The range of this space varies from person to person, but the range of space also changes depending on how you perceive the air and psychology. With that in mind, President Zelensky would have an exquisite way to enter the personal space.

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