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アンラーン💣リラーン📚ためらわん♫run31

⭐「自然な学び」「主体性」に繋がるような仕掛け⭐️
(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)
平日は勤務校で授業があるため、バンコク子ども図書館のお手伝いは土曜日に限定されてしまいます。しかし、11月・12月は定期テストやら成績処理やら土曜特別授業やらで、結局1回も入ることができず心苦しい状態でした。

1月は何とか2回ボランティアに入ることができ、微力ながらお手伝いができたので、多少は罪滅ぼしできたような気がしています。

先週図書館に行ってみると、ディスプレイがリニューアルされていました。
今回は「子ども図書館のかくれた名作本」です。

「かくれた」という表現は、子どもの興味・関心に強く訴えかけるマジックワードですね。大人であっても、このような「謎」を感じさせてくれる仕掛けは、ワクワクしますね。

それから2月のおはなし会が、2月11日(土)に予定されています。今回のプログラムは、「のんのんのんたとちびうさぎ」、「やさいのおなか」、「たまごねえちゃん」の3つ。

「かくれた」という表現で、子どもを引きつける空間的な仕掛けも素敵ですが、おはなし会という体感的な仕掛けもとてつもない影響力を持っています。

おはなし会の影響力について考えたとき、映画の『ユーガットメール』を思い出しました。これはメグ・ライアンとトム・ハンクスが主演で、ニューヨークの本屋さんを舞台にした映画です。メグ・ライアンは親の代から続いている子供向けの小さな絵本屋さんを経営し、トム・ハンクスは巨大資本を背景にチェーン展開するカフェ併設で値引きも積極的に行う大型書店の御曹司という設定です(細かいストーリーは割愛)。

小さな絵本屋さんは時代の流れか、売り上げは伸びず、そこに追い打ちをかけるように大型書店が近所に進出してくるのです。それによって売り上げはますます落ち込みますが、子どもたちはこの絵本屋さんのおはなし会を楽しみにしているシーンが描かれています。またメグ・ライアンは絵本の知識が豊富で、タイトルが分からないお客が覚えているキーワードから、絵本を言い当てるシーンもあって、絵本屋さんがお客に寄り添うことができている印象を受けました(映画の中では、絵本屋さんに来たときの対応ではなく、メグ・ライアンが大型書店を偵察に行ったとき、その店のスタッフが答えられない場面に遭遇し、代わりに答えるというシーンですが)。

ここから、大型書店は値段・蔵書・併設カフェといった、言わば「物的魅力、量的魅力」のようなものを売りにしているだと思います。これに対して、小さな絵本屋さんはおはなし会・ホスピタリティといった、いわば「精神的魅力、質的魅力」を持っているのだと思います。

バンコク子ども図書館のおはなし会でも、知識が増えるとか、勉強に役立つというような意味・価値(「理性的な意味・価値」)を子どもたちは意識しているわけではなく、純粋に嬉しいとか楽しいとかという「感覚的な意味・価値」を子どもたちは受け取っているのだと思います。理屈より前に、心を揺さぶる何かがあるから、それと繋がっていたいという感じではないでしょうか。そうして素朴に本が好きになるわけです。

「大道廃れて仁義あり」
これは古代中国の思想家である老子の言葉とされています。老子に代表される道家という思想グループは、孔子を祖とする儒家グループの教えを「作為的」なものとして批判します。儒家が繰り返し「仁義」の大切さを説くのは、かつて自然な形で存在していた世の中の大いなる道理が失われてしまっているからで、その部分の問題点に注目することなく、声高に仁義という行為や結果を説こうとするのは正しい姿ではないと、道家は考えているわけです。

これと同様に、「本を読みなさい」とか「勉強しなさい」と、行為や結果ばかりを求めてしまうのは教員や大人の都合でしかなく、それによって表面上、本を読んだり勉強したりするようになったとしても、そこには「自然な学び」「主体性」といったものはないことになります。

おはなし会が持つ「感覚的な意味・価値」や「精神的魅力、質的魅力」をヒントにして、授業でも「自然な学び」「主体性」に繋がるような仕掛けを工夫したいと思います。

#哲学   #老子
#バンコク子ども図書館
#ユーガットメール

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