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横浜中央卸売市場見学で「OKKAKE」を見られなかった理由

先日、横浜中央卸売市場の魚市場の見学をさせていただきました。
同市場には、地元の魚はもちろん、全国から集まってきた魚や貝などの海産物が集結します。

日本で暮らす私たちの食卓には欠かせない魚介や海産物は、ここで一旦集約されたのち、スーパーなどの小売店や飲食店などに運ばれることになります。

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1.横浜中央卸売市場のOKKAKE(追駈け)

横浜中央卸売市場の魚市場の最大の特徴、それは「OKKAKE(追駈け)」という仕組み。
通常、午前4時半から競りが始まるそうですが、当日の早朝に漁港で獲れた魚も競りにかけられ、その競りのことを「追駈け」というのだそうです。
全くの素人である私は、競りにかけられる魚は全てその日に水揚げされたものだと思っていたのですが、実は「前日に獲れた魚が翌朝の競りにかけられる」というのが一般的だそうです。知らなかった・・・!

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見学当日は「追駈け」は行われなかったので、残念ながら見ることができませんでした。
魚の獲れる・獲れないなど、日によって違いがあるそうです。
元々そういうものかと思いましたが、近年は海水温や潮の流れなどの変化により、漁獲量や獲れる魚の地域にかなり影響が出てきているとのこと。
気候変動の影響も大きな原因なのではないでしょうか。

2.気候変動が水産資源に及ぼす影響

気象庁によると、世界の海面水温はここ100年で+0.56℃、日本近海においては+1.19℃の推移で上昇しています。日本は世界平均に比べると約2倍です。

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左図:日本近海の全海域平均海面水温(年平均)の平年差の推移
右図:日本近海の海域平均海面水温(年平均)の上昇率(℃/100年)
(画像引用:気象庁

地球温暖化による海水温の上昇等は、水産資源や漁業・養殖業に影響を与えます。海面水温の上昇や海洋汚染などの海洋環境に左右される、魚の卵や稚魚の生存率なども大きな要因です。
例えば、スルメイカは通常、南で生まれて北上したのち再び南下して卵を産みます。しかし、海流の高温化に伴い南下の時期が遅れ、同時期と比較すると小型化し、漁獲量も減少しています。

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太平洋クロマグロもこれまでは日本が漁獲の主体となる国でしたが、近年は新興漁業国の漁獲が増加。
中でも成長途中の小型魚の漁獲が、産卵できる個体数の減少を引き起こしているため、全体的な漁獲量の減少につながっています。

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3.私たち消費者にできること

これからも大切な海洋資源を食卓で美味しくいただくために、私たちにできることはなんでしょうか。
そもそもの原因である地球温暖化を防止するため、CO2排出削減などのエコ活動はもちろん大切ですよね。
さらに、水産代替品を活用することも、魚介類の乱獲や水産資源の減少・枯渇の防止につながります。
最近は、大豆由来のウニや鮭フレーク、おからを使ったウナギなど、様々な「代替シーフード」と呼ばれるものがどんどん開発されています。
魚介類と代替シーフードをバランスよく上手に取り入れて、環境を守りながら日頃の食事を楽しみたいですね。

今回の見学で、私たち消費者も現状や今できることを勉強していかなければならないのだと強く感じました。まずは自分ができるところから、一歩ずつ!
美味しいお魚がいつまでも食べられますように!

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