やりたいことを見つけようとしている人は、やりたいことを必ず見つけられる話
2022年は、たくさんの人に出会った1年でした。初めての副業、Linkedinの繋がり、転職活動、新しい会社への入社、世の中の状況も変わってきたことによる個別の忘年会。この1年で初めてお会いしてちゃんとお話した方が、ゆうに100人を超えています。そんな中で考えたり気付かせてもらった、自分がやりたいことについての備忘録を残しておこうと思います。
やりたいことを見つけるって、やっぱり難しい
就活相談やキャリア相談、人事面談やコーチング、ひと様のやりたいことに向き合うのは好きなわりに、自分のこととなると、さっぱり。悩んでる人がいれば、背中を押して、行動できていない理由を紐解いて、とにかく行動しようって促すわりに、自分のこととなると、さっぱりなわけです。
転職をたくさんしてきているので、「どうしてそんなにやりたいことが見つかるんですか?」と聞かれることも多いのですが、実際のところは、やりたいことがたくさんある、というよりは、その都度やりたいことができてくる、あるいは、目の前のことに真剣に取り組んでいると、それがやりたかったこととして既成事実になっている、ということが多いのです。
広い広い人事領域において、何をやりたいですか、と聞かれても
2022年の7月から9月にかけての2ヶ月弱は、久々にどっぷり転職活動をしました。前職が人事部長だったので、人事責任者の求人で活動をしていたのですが、人事という領域は、本当に広い。人事責任者と一言で言っても、CHRO的なことを求めている会社もあれば、採用責任者的なことを求めている会社もあれば、ざっくり組織課題を解決してください、と言っている中に、人事オペレーションの領域が入っていたり、経営的なことが入っていたり。HRBPという流行の言葉を使ってみても、会社によって、採用担当者によって、驚くほど定義が違ったり、あるいは募集している側も、明確には求めていることがわからなかったり。恐らく自分が採用する側になっても、同じことになるだろうな、とは思うわけですが、それに加えて、自分自身に明確にやりたいことがあるわけではないと、もう、収拾がつかない笑。でもそこから気付きも多く、そんな状態で面接に付き合ってくださった皆さんに、感謝しかないわけです。結局、自分は何がやりたいんだっけ。
一緒に働く人、もっと言えば、一緒に働く人のスタンスが大事
何をやるかより誰とやるか、ということをよく言われますが、私もまさにそれで。特に紹介会社を通しての責任者ポジションは、スタンスよりも、スキルや経験をとにかく問われていたなと感じます。「あなた、うちで結果出せますか?」っていう。「いやいや、結果を出すなんて当然のことで、でもそれは会社の状況も求められているポジションも流動的で、やってみなきゃわかんないすよ、でも結果を出すなんて当然のことなんですよ、それより、一緒に働きたいかどうかのスタンスでしょ」というのが、私の心の声なんです、今思い返すと。
たどり着いたのは人事職ではなく、研修会社の講師業。講師の求人を探していたわけではなくて、選考で接した人たちの熱さ、仕事や生き方のスタンスに無意識に惹かれていたのが決め手でした。その新しく入社した会社の上司である取締役にある日、「金谷さんがいた前職の会社のバリュー(行動指針、企業内での価値観)を見ていたら、うちの会社とすごく似てるんです」と言われてハッと思い出したのが、前職も、理念や事業内容ではなく、シンプルでわかりやすい、人として大切なことをまとめたバリューと、面談で会った社長や役員がそのバリューを体現してそうな良い人であったことが決め手だったのです。それは今回の転職活動でも、無意識のうちに同じであったわけです。
で、何がやりたいの?
一緒に働く人が自分にとって大事なことであることは改めてわかったけれど、で、何をやりたいの?と言われると、喉のところまで出かかっている気はするのに、上手く言葉にできない。これが新卒の就職活動であれば、全く問題ないと思うわけですし、今後もプレイヤーとして転職活動をするのであれば、アリだと思うわけです。でも、マネジメントであったり、起業するであったり、人を引っ張っていく立場になるのであれば、やはり物足りないし、どこに向かっていくのか不安定だとも思うわけです。
よく、「起業しないんですか?金谷さんならできますよね?」ということを言われます。ありがたいことではあるんですが、人生かけてやりたいことでないことを、気軽に起業する、ましてや経営するのは、厳しいかなと思っています。たくさん転職する中で、小さな会社で経営者のそばにいたこともあったので、そんな生半可な気持ちで経営はできない、と思っているわけです。そして独立するとしても、フリーランス的な働き方ではなく、チームで働きたい、チームを創っていきたい、という思いが変わらずあって。
会うための心の準備が整いまして
そんな中、年末にお会いしたのが池田潤哉さん。潤哉さんとオンラインでお話したのが2年半前。それからはSNS上でゆるく繋がっていたのですが、実は半年ほど前から、潤哉さんに連絡をとろうかとらまいか、気持ちの整理がつかないまま半年が経ち、ようやく勇気を出して、会ってくださいと連絡をしたわけです。どうして会いたいのに会う勇気がなく躊躇していたかと言うと。潤哉さんは常に「自分らしく生きる」ということを発信されています。そこに惹かれつつも、自分らしく生きることに、内心少し恐怖を感じていて、でも熱い潤哉さんと会ってしまうと、その恐怖を全部剥がされてしまうんじゃないか、それに耐えられないんじゃないか、という躊躇をしていました。
それでもやっぱりお会いしたいと思ったのは、私が研修講師という職種にジョブチェンジしたことに対して、「伝えたいことがハッキリしている金谷さんに、講師という仕事はピッタリだと、ずっと前から思っていました」というコメントをもらったことでした。あ、そんな風に見られていたんだと。人事責任者のポジションではしっくりくる転職先を見つけられず、一緒に働く人のスタンスが合った先がたまたま研修会社だった、くらいに思っていたので、講師という仕事で、自分の伝えたいことを人に伝える、ということにそこまで重要性も適合性も感じていなかったのが正直なところだったのです。
ようやく心の準備ができて潤哉さんとお会いすることができ、実は会うことを半年ほど躊躇していたこと、やりたいことがぼんやりとしか見えていないことを聞いてもらいました。さすがコーチングもしていて私のことを見ていてくれた潤哉さん、いとも簡単に、私の未来をさらっと教えてくれました。
やりたいことを見つけたい人はごく少数
潤哉さんの話の中で印象的だったのが、「やりたいことを見つけようと思っている人は、必ずやりたいことを見つけます。そもそもやりたいことを見つけたいと思っている人は、そう多くないことに最近気付きました。我々のまわりは、人材やキャリアに興味がある人が多いので、やりたいことを見つけることが当然のことのように語られますが、そもそも、やりたいことをやるどころか、生涯かけてでも成し遂げたいことを考える人って、普通の人はしないんです」と。衝撃もありながら、納得の話。「やりたいことが何なのか迷ったり考えている時点で希少だし、それができる人は、そこに目を向けている時点で、やりたいことを必ず見つけるんです」と。
答えはやっぱり自分の中に
キャリアコンサルティングやコーチングの基本は、コーチが答えを出すのではなく、あくまで相談者の中にある答えを引き出すことにあります。わかっているはずなのに、自分のこととなると、小難しくなってしまうものですね。潤哉さんと話しているうちに、「それがやりたいことですよね」とズバリ言い当てられてしまいました。
自信のない人の背中を押すこと。人を活かす組織創り。それが私のやりたいこと。自分にとって全く真新しくないのに、言語化できていなかったこと。いや、言語化したこともとっくにあったのに、奥深くに埋もれてしまっていたことでした。
研修会社に入って講師として登壇させてもらったり、3年目となる母校の大学でキャリアの授業に登壇させてもらって、最近になって改めて気付けたのが、就活生やキャリアに悩む人や自分に自信がない人に寄り添い、話を聴き、背中を押すこと、その先に夢を語ってくれることが涙が出そうになるくらい嬉しいこと、自分に自信を持てた人が集まる組織が、個人の力の集合を活かして何倍もの結果を出すこと、そういうことに興味があって好きなんだということ。
ちなみに、今は独立している潤哉さん、もともとは人材系の仕事をされていた認識はあったのですが、研修会社で講師をしていた、という認識があまりありませんでした。大先輩だったわけです。そこで教えてもらったのが、「研修会社にも大きく2つあって、スタンスやマインド系をメインで研修する会社と、目標必達のためのスキル系をメインで研修する会社があって、金谷さんは前者のスタンスやマインド系の会社に入社していて、金谷さんに合ってますよね」と。おぉ、そうだったのかと、今さらながら、なかなか重要なことに気付かされました。
2023年はジャンプしそう
「恐らくこれからも、講師として登壇を重ねるごとに、金谷さんが人に伝えたいと思っていることが何なのか明確になっていきますよ、自分もそうだったんで」と研修講師の大先輩は教えてくれました。あぁ、この1年半くらい、もやもやしていたのは、きっとこれからの準備段階だったんだ、と光が見えてきました。副業を始め、転職をして、プライベートでは引越しもして、変化に富んだ一年でしたが、これはあくまで助走だったんだと。そんなワクワクに満ちた大晦日です。
ここまで読んでいただきありがとうございました!