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北京モーターショーへ行ってきた

中国、それは世界最大の自動車販売市場。2023年の年間販売台数は3000万台、2位のアメリカ1500万台の二倍です(3位は日本で23年約480万台)。そんな大きな市場では毎年、上海と北京それぞれ交代でモーターショーを催しており、世界中の自動車メーカーが出展しています。

その会場面積は22万平米、出展会社数900社とジャパンモビリティショーの2倍ほどの展示規模があり、世界最大級の自動車ショーとなっています。

数字で聞くけど中国でしょ…?と。実際10年ほど前まではパチモン車両も多かったと聞きますが、現地を歩くと日本のモーターショーより全然大規模でかつ十分に高品質な車両が多く並んでおり、認識を改めました。

来訪される方も老若男女様々で、高齢化の進んだ日本よりずっと年齢層が若く、我々世代では初めて目にする「景気が良い」雰囲気でした。以下、写真とコメントでつらつらとお送りします。(ぱらぱらとご覧ください)

南門にはXiaomiの広告がお出迎え。ちなみに一般の方は地下鉄直結の東門からの来場が多いです。そちらはAudiが広告を出していました。
ちなみに、入場は事前にWeChat(日本で言うLINE)でのチケット購入とアクティベーションが必要です。前日までにやっていないと入場できないとのこと。QRの自動改札が設置されており、ハリボテではなさそうな雰囲気でした。。(アプリも本人認証の関係で、設定に数日かかるので準備はお早めに)
これが会場全体図(外のサプライヤーブース除く)車両台数だけでも東京モーターショー会場の2倍以上あり、ほとんどが知らないブランドだったりで歩いているだけでも楽しいです。この中でいくと、日系では日産が最大規模。それでも中国大手に面積で3割程度負ける印象。。。

日本と大きく違うのは、三菱・スズキ・ダイハツ・ルノーやステランティス系を見ないことでしょうか。
入口に近いエリアの広告は、ドイツ系が軒並み押さえていました。中国の輸入車では最大販売規模を誇るため、ここは存在感を残したいのでしょう。(北京首都空港の入国エリアにも、天井まで届く大型展示がありました)
EVバッテリーで有名なCATL。元々はTDKの一部門でしたがスピンアウトして現在の形に。今ではホンダや日産にも電池を提供する、世界最大規模のバッテリーメーカーです。部品メーカーではほぼ唯一車両出展会場の一角へ出展するほど、存在感を出していました。
バッテリー構造図。。。ですが、これもしかして汎用プラットフォームだったのかな。
充電時間と航続距離など。この辺りはどんどん技術革新が進んでいくのでしょうね。。
マツダブース。日本より規模が大きいです。これでも中国ではかなりこじんまりしたブース。。。
中国・長安汽車開発の次期Mazda6。なかなか格好良くて日本でも売って欲しいと思ったくらい。FFのDセグセダン冬の時代で、トヨタですらこのカテゴリーは撤退しつつありますが、、、
こちらは新型電動車のコンセプト。目は細くなりましたが、グリルの形がMazdaお馴染みですね。
こちらは紅旗のブース。中国三大メーカーの一つ、第一汽車のプレミアムブランドです。習近平氏も乗る車両(アメリカでいうビーストですね)を手がけています。ブース規模も中国でも最大規模でした。
ブースの中は、高級ミニバンやセダン。そして右側の行列は。。。
これ、主席も乗る車の体験試乗に並ぶ列です。すごい人気。
こちらはスマートのブース。日本だとあまり感じませんが、中国だと結構人気。元々はスイス時計のSwatchとメルセデスベンツが組み、社名の頭文字を1文字ずつ、かつ芸術のartからSmartと名付けられたブランド。
Geelyとの共同開発で、なんとなくBYDテイストな顔つきになっています。
こちらは現代自動車。なんだか、日本のディーラーみたいな値札帽子を被った車が・・・
金額はいくらですーって凄く叩き売り感が。。。直近二年間で中国メーカーの躍進が著しく、年間販売台数を半減〜8割減させた外資メーカーが多々あります。現代自動車も減少に歯止めをかけようと、こういった価格を打ち出したマーケティングに走っていると推察されます。
(北京の街でも数年前まで現代車のタクシーが軒並み、北京汽車に置き換えが進み、急速に現代の姿を見なくなりつつあります。。。)
こちらが現代の提携先である北京集団。結構な集客ぶりです。自国のブランドが強くなっていくのは誇らしいのでしょうね。。。また老若男女様々な人が集まっていて、景気の良さを感じます。
NETA。こちらも中国の低価格EVメーカーです(日本円で1台150万円くらい。サイズは様々ですが、日本の軽よりやや大きいくらいの車両からラインナップされています)。東南アジアなどでタクシーアプリを使うと、この車がやってきたりします(私も昨年夏、タイでGrabタクシーに乗りました。)
こちらもEV不況なのか、かなり補助金などで価格を前面に押し出したPRがされていました。。。モーターショーの現場で価格を大きく触れてしまうと、やはり何だか残念感。。。
こちらはトヨタブース。小規模でびっくりしました。モーターショーの販売効果を重く見ていないのか、それともトヨタですらブース確保に苦しんだのか。。。
置いてある車両はランクルなど、世界的に知名度の高い車両が主。
こうして現地開発車両もラインナップ。。。。トヨタでも現地パートナーの力を使いつつ、開発を進められていますね。(日本でも元々、本体開発・生産は少ないですが)
GRヤリスも。一昔前より、スポーツカー増えているんですかね。。。?意外と中国はチューニングカーのイメージがないので、ちょっと驚き(東南アジアや香港では多少見かけるのですが。。。)
こういうのを見ていると、日本はおおらかな国なのだと改めて思います。
こちらはORA CAT。東南アジアでよく見かけるEVです。400万円弱ですが、補助金で半額くらいになるようで、昨年タイ・バンコクではよく見かけました。
こちらは日産インフィニティ。ホンダのアキュラが撤退した今、レクサスと並ぶ日系ラグジュアリーの一角ですが、ブースはけっこう小規模です。。
QX60, QX50とSUVを大きく置いていますね。
ちょくちょく人が訪れては様子を見ておられました。一時期は日本メーカーで最大販売台数を誇った日産としては、まだまだファンも多いのだと思います。
レクサス。インフィニティと同じ程度の規模で、トブースが大きくないのです。。。
置いている車両は、なんとセンチュリー。ブランド位置付けどうやってるんだろう。。。そして試乗はなしで展示のみだけでした。。。
写真を撮っている人たちもちらほら見かけましたが、、、すでにホンダのアキュラは撤退、日産インフィニティも台数を落としており、レクサスもこの注目度。今後、輸入車の高級ブランドから日系は冬の時代が来る気がしてしまいました。。。
ちょっと離れて日産ブース。結構ブース規模が大きく、ジャパンモビリティショー同様頑張っています。写真に写っているのはシルフィePOWER。日産の中国販売の半分(!)を支える屋台骨モデルです。私も会場に来るまでのDiDiタクシーで乗りました。
新型のコンセプトモデルも。サイズ的に、スカイラインなのかアルティマ(日本でいうティアナ)あたりかな。このご時世に発売できるのやら。
こちらはVOLVOブース。サイネージなどが派手ですね。Geelyと組んでEVを推し進めるなど、なかなか元気な様子です。
こちらがスマホメーカーXiaomiのブース。集客も最大規模であり、かなり注目度が集まっていました。
これがXiaomiのEV。どことなくポルシェタイカンを彷彿とさせますが、価格は1/4以下の450万円。それで買えるなら欲しいなぁ。かつて日本車のスポーツカーがたどった道を、今度は中国メーカーが駆け抜けるのかもしれません。(本当にワイルドスピードに出てきそう。中国車なので政治的に厳しいかもしれませんが)
こちらは東風汽車。日産自動車の現地パートナーですね。中国五大メーカーの一角で、早々の規模のブースを構えていました。
アルファードやエルグランドに競合するミニバン。。。そう、中国モーターショーでは、かなり大型ミニバンと大型SUVを各社置いているのです。今後このカテゴリーが相当強くなるような気がしました。(どことは言いませんが、某社の行末が不安です。。。)
こちらはBYDブース。やっぱり大きいですね。。。結構な人気ですが、Xiaomiや中国大手に比べると、これでも人が少ない方でした。
NIO。一時期中国EVメーカーの代名詞で、北米上場している関係から、日本でもNIO長者がたくさんいたと思います。(2019年年に株買ってた人は翌年60倍の株価に。その1年後に暴落しましたが。。。)。デザイン優れており、バッテリー交換による充電ステーションなどなかなか新しい発想をしているメーカーの一つです。北京でもたまに走っているのをみかけました。
Xpeng。3年前に米国市場に上場していた株で、馴染みのある方も多いのではないでしょうか?笑
置いている車は非常に立派で、実際欧州市場にも輸出しており、締め出し規制がかかりつつあるほどなので大したものです。
この子は・・・わからん笑(こういう写真がたくさんあり、掲載を諦めております笑)
こちらはフォルクスワーゲンブース。人はそこまで多くないですが、来訪される方は服装の小綺麗な方が総じて多く、ブランドポジションの確保されていることが最も印象的でした。

大雑把な紹介となりましたが、トランジットの短い2時間でざーっと見てきた印象は以上です。日本から3時間程度で渡航でき、入場料も1000円。そして毎年開催。これなら毎年訪れてみるのも良いと思いました。

来年は上海モーターショー、行ってみようかな。。。


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