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柵越え

もしピッチャーがマスコミだったとしても、
その球を見事に打ち返すバッターが、

大谷翔平。

プロのピッチャーが、
時に、
打者の打ち損じを誘う「変化球」を、投げるように、

マスコミも、
様々な球種(質問)を投げてくる。

その日、
大谷に投じられた質問はこうだった。


尊敬するアスリートは?


「 My wife ! 」

即答だった。


打球は、
美しい放物線を描きながら、
柵を大きく越えて行った。

それを聞いて喜ぶ、ウチの奥さん

「 My wife だって〜! すっご〜い❤️ 」

大谷の打球は、
ウチの奥さんの「心のスタジアム」でも、
柵越えしたようだ。


柵越え

それは、柵(境界)を越えてゆくと言うこと、
越境。

・それは、
 何かが「枠から飛び出す」と言うこと。

・例えば、
 今日、明日、明後日、までは「カウントできる境界」だけれど、
 その先となると、
 もう「未来!」で括るしかない「向こうの世界」
 そこへの越境と言うこと。

・要は、
 想定外の「ワァ〜オ!」
 想像の枠を越えて向こう側へ到達すること。

それが「柵越え」


みんな、柵越えが好き。

日頃、柵の内側で、
色々やりくりしているから、
そう簡単には、
枠の外へは飛び出せない。

だから、
たまには「飛び出しを見た〜い!!」と言う、
隠されたマグマがあるのかもしれない。

普通、
「尊敬するアスリートは?」と問われたら、
まあベーブ・ルースか、
せいぜいサッカー選手ぐらいの答えかなぁ・・・、と。

そんな、
自分が創り上げている、
ありきたりな「柵の内側の考え」

その「思考停止っぷり」を、
「カキ〜〜ン!」と言う快音と共に破壊、
見事に柵越えしてくれる。


へぇ〜、

奥さんを尊敬しているんだ〜。

ん? 待てよ、
聞き手の前提、つまり柵の内側に、
尊敬の対象として「奥さん」って、
そもそも入っていたのだろうか・・・。

どうして、
前提として入ってなさそうな気がするのだろう?

これは、
もはや野球やスポーツというジャンルを柵越えして、
ジェンダーの領域へと、
打球が到達しているではないか!


人は、
その先に、まだ、もっと、
「自分の知らない何かが有りそう!」を、
・見てみたい、
・もっと感じてみたい、
そんなマグマを持っているのか、

大谷の打球には、
人々の、心の中を柵越えしてゆく何かがある。


ロサンジェルスには、

ドジャースのスタジアムがあるけれど、


人々の心の中には、

それぞれ自分スタジアムがあって、


誰か柵越えのHRを打ってほしい・・・、


そう願っているのではないか。

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