柵越え
もしピッチャーがマスコミだったとしても、
その球を見事に打ち返すバッターが、
大谷翔平。
プロのピッチャーが、
時に、
打者の打ち損じを誘う「変化球」を、投げるように、
マスコミも、
様々な球種(質問)を投げてくる。
その日、
大谷に投じられた質問はこうだった。
尊敬するアスリートは?
「 My wife ! 」
即答だった。
打球は、
美しい放物線を描きながら、
柵を大きく越えて行った。
それを聞いて喜ぶ、ウチの奥さん
「 My wife だって〜! すっご〜い❤️ 」
大谷の打球は、
ウチの奥さんの「心のスタジアム」でも、
柵越えしたようだ。
※
柵越え
それは、柵(境界)を越えてゆくと言うこと、
越境。
・それは、
何かが「枠から飛び出す」と言うこと。
・例えば、
今日、明日、明後日、までは「カウントできる境界」だけれど、
その先となると、
もう「未来!」で括るしかない「向こうの世界」
そこへの越境と言うこと。
・要は、
想定外の「ワァ〜オ!」
想像の枠を越えて向こう側へ到達すること。
それが「柵越え」
※
みんな、柵越えが好き。
日頃、柵の内側で、
色々やりくりしているから、
そう簡単には、
枠の外へは飛び出せない。
だから、
たまには「飛び出しを見た〜い!!」と言う、
隠されたマグマがあるのかもしれない。
普通、
「尊敬するアスリートは?」と問われたら、
まあベーブ・ルースか、
せいぜいサッカー選手ぐらいの答えかなぁ・・・、と。
そんな、
自分が創り上げている、
ありきたりな「柵の内側の考え」
その「思考停止っぷり」を、
「カキ〜〜ン!」と言う快音と共に破壊、
見事に柵越えしてくれる。
へぇ〜、
奥さんを尊敬しているんだ〜。
ん? 待てよ、
聞き手の前提、つまり柵の内側に、
尊敬の対象として「奥さん」って、
そもそも入っていたのだろうか・・・。
どうして、
前提として入ってなさそうな気がするのだろう?
これは、
もはや野球やスポーツというジャンルを柵越えして、
ジェンダーの領域へと、
打球が到達しているではないか!
※
人は、
その先に、まだ、もっと、
「自分の知らない何かが有りそう!」を、
・見てみたい、
・もっと感じてみたい、
そんなマグマを持っているのか、
大谷の打球には、
人々の、心の中を柵越えしてゆく何かがある。
ロサンジェルスには、
ドジャースのスタジアムがあるけれど、
人々の心の中には、
それぞれ自分スタジアムがあって、
誰か柵越えのHRを打ってほしい・・・、
そう願っているのではないか。
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