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領収書は、どのように経費処理するか?

会社を設立した後は、色々な支出が出ていきます。固定費は、地代家賃やサブスクや人件費、変動費は、交通費や交際費が主なところでしょうか。支出の経費処理は日々日々の作業なので、できるだけ効率的にやりたいものです。

初めは、自分で経費処理をしよう!

立ち上げたばかりの会社の多くは、freeeかMoney Forwardを利用していると思います。その時、経費処理を自分でやるか?税理士事務所でやるか?の分岐があります。

個人的には、初めは、自分で経費処理をした方が良いと考えています。

まずコスト面の理由。税理士事務所にお願いする場合、記帳代行として、毎月数万円前後のコストをかけてお願いすることになります(規模によって増減)が、会社を立ち上げたばかりですと、できるだけ外部流出費は抑えた方が良いのは当然です。後述しますが、大した工数ではないのですよね。にもかかわらず、固定費として、月数万円を費消するのは避けたいです。

もう一つは、スキル面の理由。経理業務をしたことがある人は別ですが、そうでない人は、会社設立後の時点では経理や会計の仕組みを正しく理解していないと思います。その状態だと、仮に外部に任せたときに、外部のミスや不正に気付くことはできないですし、外部が言っていることも理解できないことになります。一度自分でやってみる、というのは経験として必要だと思います。

あくまで、初めは、です。キャッシュが回ってきて、経費処理の工数も増えてきて、外部をマネージするスキルが出てきたら、外部に出せば良いと思いますが、やはり、初めは、自分でやった方が良いと思うのです。

領収書等が必要な理由

さて、今回のエントリーは、仕訳等の会計知識は置いておいて、よりオペレーティブな領収書等の話です。

会社に勤めていた時も、経費処理で領収書を添付してください、と言われて、実行していたと思いますが、領収書が必要です。理由としては、会社税法、所得税法、消費税法、で定められていて、税金の観点で、不正が起きないようにするためです。

そして、領収書は保存しておかないといけないことも決まっています。普通に会社勤めをしているだけでは、この義務に遭遇することはないと思います。会社の属性によって、5年間から7年間の保存期間です。詳しくはこちらをご覧ください。

領収書"等"の等とは何か?

これは、最近知ったのですが、領収書ではない場合があります。これは、クレジットカードで決済した場合です。

クレジットカードで決済すると、クレジットカード会社から利用明細がwebや郵送で届きますが、この利用明細は、領収書等に該当しません。クレジットカード会社からではなく、利用したサービスの該当事業者から利用明細を出してもらう必要があります。

クレジットカード支払いは便利、という話がよくあがりますが、クレジットカード会社の利用明細で一元的に保存することはできず、個別事業者の利用明細を保存することが必要でした。詳しくは、こちら(国税庁HP)をご覧ください。

ということで、クレジットカード支払いによる効率化は程度があって、API連携により会計クラウドにデータ取り込みをしてくれる点は便利ですが、領収書の観点ではそこまで便利にはなりません。

領収書等のデジタルデータ添付には注意が必要

会計クラウドのスマホアプリでは、領収書等を写真に撮って、OCRでデータ入力してくれる機能があります。この時、領収書等のデータファイルも会計クラウドのスマホアプリに添付、保存されるのですが、通常は、このデータを保存していることは領収書等の保管にならず、紙の領収書等は保管しておかないといけません。デジタルデータであるから紙は破棄してしまおう、とはいかないのです。別途、所管税務署長の承認等が必要となり、現行制度だと逆に工数がかかってしまいます(大企業では、領収書等の量が多いので、承認等の工数をかけている会社が多そうですが)。

この法律もあまり知っている人がいないのではないでしょうか。5-7年間の領収書等の紙保存はできればしたくないのですが、現行制度だと中小企業だと逆に工数がかかるだろうという税理士の見解もあり、個人的には、紙保存で対応しようと考えています。

領収書等の保存ルール

ということで、紙保存をしていくのですが、その保存方法についてです。

クレジットカード支払いは便利ですが、品目や取引先等までは取り込めないので、結局会計クラウドと領収書等を突き合わせて、入力するタイミングがあります。その時に、抜け漏れなく、スムーズに完了できるようにしたいところです。

数か月経ってみて、領収書等の保存ルールとして落ち着いたのがこちらです。

(1)会計クラウドに入力前の領収書等は、未処理として別出し
入力済の領収書等については、
(2)利用頻度の高い取引先(Amazonやサブスク等)は、取引先別に保存
(3)利用頻度の低い取引先(会食場所等)は、月別に保存

(1)は当然かもしれませんが、未処理ケースを用意し、ルーティーン的に入れていって、週次や隔週等で処理。(2)(3)は最初は混ぜていましたが、後から抜け漏れチェック等が必要な時(基本的に、これは起きなくさせるのですが)に探すのが面倒(特に、サブスクで)なので、分けておきました。

まだ1期目ですが、期が終わったら年単位で保存箱みたいなのを準備して、保存しておくのかなと思います。小さな会社だと、この保存ルールで良いですが、規模が大きくなると、やはり紙は厳しいですね。。。

おわりに

働き出すと、領収書と向き合う機会が出てきますが、自分で会社をすると、より真剣に向き合うことになります。法律に関係する内容については、最初に鉄壁のオペレーションを組んでしまった方が後々楽になるので、少し調べたり質問して、今回のような整理になりました。宜しければ、ご参考下さい!

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