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(2)「書く」ことが生産性を激増させる

ということで、生産性向上読本シリーズです。

随分時間が空きましたが、昔から継続的に取り組んでいることなので、今では当たり前になっていることも多く、20代のために、と入れると、コンテンツを決めるのが難しくなりました。

なので、あまり20代は気にしないことにしました笑。30代や40代の生産性を上げることは20代にも当てはまるでしょう、ということで(組織マネジメント系等は注意しますが)。

仕事は、必ず誰かにアウトプットされる

まずそもそもですが、どんな仕事も、必ず誰かにアウトプットされます。アウトプットの形は、資料やメール、プロダクト等色々ですが、必ず誰かにアウトプットされます。

誰かにアウトプットされない仕事は仕事ではなく、自分だけの趣味か勉強です。それはそれで良いのですが、まず、誰かへのアウトプットを前提に仕事を考えていきます。

アウトプットまでのプロセスは、「考える」と「実行する」に大別

誰かに、何かを、アウトプットするまでに、私たちは何をしているか?ですが、(1)考える、と、(2)実行する、をしています。

例えば、部署の部長会への起案資料だとすると、(1)起案する内容を考えて、(2)それをパワーポイントやワード等の資料等に落とし込みます。例えば、何かの商品開発だと、(1)顧客ニーズと、そのニーズを満たす機能などを考え、(2)商品設計・開発をします。

多くの仕事で、この2つを一緒にすると、目的に対して何をしているかわからなくなったり、手戻りが多発して、目的を実現できないこともあれば、目的は実現できるが時間が多大にかかる、ということが起きます。

そこで、「考える」と「実行する」は、明確に分けて、取組むべきです。まず、ちゃんと考えて、実行するべきことを固めてから、実行することが大事です。よって、「実行する」とはかなり作業的なプロセスになります。(勿論、その作業的プロセスにおいて、効率性を高める要素は沢山ありますが、今回のテーマからは外しますね。)

考える近道は、「書く」こと

では、どのようにしたら、うまく考えることができるか?を考えることになるのですが、結論としては、「書く」ことが大事だと思います。

・頭の中で考えていることを頭の外に出し、言葉としてちゃんと認識する
・書き出した言葉は、文章化や構造化を通じて、意味ある情報にする
・意味ある情報を目にすることで、更に新しい思考を広げる、深める

こうすることで、何かの業務(お題)に対して、こうすべきである、という答えを短い時間で出すことができます。書くにはコツがいるのですが、このコツも、書くことを重ね、工夫をしていくと、身についていきます。

著名人による「書く」こと

更にイメージがわくように、「書く」ことの効用や可能性に触れている署名人も多いので、幾つか紹介します。

1)ゼロ秒思考(赤羽 雄二)
まず、書き方、書くコツについては、こちらの本に詳述されています。元マッキンゼーのパートナーの方の本ですね。一読の価値あり、です。

2)論理的思考のコアスキル(波頭 亮)
こちらも、マッキンゼー出身の方の本ですね。

非常に大事な部分を抜粋しますね。

私たちが何らかのテーマについて思考しようとする場合、多くは4個(あるいは7個)以上の情報を同時に扱うことになるので、脳内だけで情報処理、すなわち思考を完結させることは難しい。また脳内だけでやろうとすると、正確な情報処理が行えず、とても"論理的"とは言えない思考になってしまいがちである。
それでは、どのようにすれば人間は複雑な情報処理や正確な論理的思考を行うことができるのかというと、"脳の手助け"、すなわち持ち通り「脳を手で助けること」が有効である。具体的には、紙に書き出しながら考えることによって、つまり情報や知識を紙面上に載せて、これらを繋げたり分類したり、一時的にホールドしておいたりすることによって、脳の処理容量を超えた情報を扱うことが可能になる

脱線しますが、波頭 亮さんの本は、企画に携わる人によって一読の価値ありの本が多いです。一冊だけ紹介しておきます。本のタイトルの通り、正しく考えるための理論が書かれています。無駄な文字が全くない本です。

3)確率思考の戦略論(森岡 毅、今西 聖貴)

瀕死のUSJをV字回復した立役者である二人によるマーケティングの本で、主に数字による分析の大切さを説いているのですが、そのコンテキストの中に、こんなことが書かれています。

頭の中で素晴らしいと思っていたコンセプトをいざ実際に書き出してみると、思っていた強さがどうしても失われるという感覚に見舞われたことはないでしょうか
「現実の世界」を知るには、現実をサンプル抽出したデータや言語などの「記号の世界」に一度翻訳しなくてはなりません。我々は現実の全体を直接見たり触れたりできる訳ではありません。その一部を「記号の世界」に通すことで、我々の頭の中の「認識の世界」を構成することができるのです
我々は「認識」と「現実」の間に、データや数字や言語といった「符号」を媒介させて、現実の世界をできるだけ正しく知るしか方法がないのです。そのためには、間に必ずズレが生じていることを知ったうえで、1) あらゆる「データ」の性格をよく理解し、できる限り現実に符号させながら読み解いていくこと。2) できるだけ多角的な「データ」を用いて整合性のある現実の認識を構成していくこと。この2つのアプローチしかない

頭の中だけで考えることは、認識の世界に閉じてしまうため、現実の世界とは乖離が生じてしまう。よって、数字や文字などの記号の世界に変換して、考えることが重要という話です。

4)濱口 秀司
言わずとしれた、グローバルなビジネスデザイナー。アメリカで一番フィーが高い方らしいですよ。彼のセミナーは二回ほど出ましたが、モレスキンのノートと、LAMYのペンを必ず持っていて、ダイヤグラムなどを書きまくっています。考えるために書いているみたいです。

5)佐藤オオキ
400のプロジェクトを同時に進める、超人的なデザイナーですが、彼も、ノートにデッサンを書きまくっています。日本テレビ「アナザースカイ」では、このように言っています。

あの白い紙は本当に誰にも何も言われない自由な空間ですよね。もうそれを開いた瞬間に世界と繋がっている感覚というか、どこまでも自由でありながらどこまでも広いというか、そういう場所ですね。

思考を広げるためのツール、といった感じでしょうか。

おわりに

私は、20代後半から、紙に書く、ということをし続けています。いつ、何を、どのように書くか?の工夫は終わりがなく、少しずつ工夫し続けています。

どんな仕事をしている人にも、考えることは欠かせないと思います。とした時に、書くことも欠かさせないと思います。もし普段書かないで考える人は、何かに書いて考えてみてはいかがでしょうか。一度試してみると良いと思いますよ!

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