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イン・ユア・フェイス/フィッシュボーン (‘86)

In Your Face / Fishbone (‘86)
‘79年にロサンゼルスで結成された、今で言う「ミクスチャーロック」の先駆けのバンドの一つ、フィッシュボーンのファーストアルバムである。彼らは’85年にミニアルバムをリリース、このミニアルバムは音楽誌などでもかなり好評価を受けた。そして翌年に12インチシングル、続いて本作という流れである。

「ミクスチャーロック」という言葉も、レッド・ホット・チリ・ペッパーズらの成功によって一般化されたが、実際にはアメリカのあちこちで、新しい世代による白人音楽と黒人音楽の融合がおこなわれていた。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのファーストアルバムのリリースは’84年であるが、バッド・ブレインズは’82年にセルフタイトルのファーストアルバムをリリースしている。彼らはメンバー全員が黒人であるが、ハードコアやスラッシュといった白人音楽を通過したサウンドを確立していた。

個人的にサイケファンカパスもお気に入りであるが、残念ながらサブスクにはリスト化されていない。中古盤もあまり見かけないが好盤である。

この辺りのバンドは、ファンク、ヒップホップ、ラップといった黒人音楽の要素を、白人音楽の従来の形式を通じて発信していた。それに加えて、ハードコアの洗礼を受けたバンドらしいメッセージ性をバンドの特徴にしていた。バッド・ブレインズのファーストアルバムは、ホワイトハウスに落雷というジャケットであり、実際に彼らは、その過激さから、地元ワシントンD.C.のライブハウスから締め出されていた経緯がある。

コロムビア US盤
レーベル

CDの価値が下落している現在、こういったアルバムを掘るのも一興かと思う。

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