ボイヤー&タルトン/カウボーイ (‘74)
Boyer & Talton / Cowboy (‘74)
国内では知名度の低いアーティストだが、サザンロック〜特にキャプリコーン・レコード関連では重要なバンドである。エリック・クラプトンで有名な「プリーズ・ビー・ウィズ・ミー」は彼らの曲である。
カウボーイは’69年にフロリダ州ジャクソンヴィルでスコット・ボイヤーとトミー・タルトンを中心に結成されたカントリーロックのバンド。’70年にファースト「リーチ・フォー・ザ・スカイ」、翌’71年に「5ウィル・ガッチャ・テン」をリリースするが、スコットとトミー以外のメンバーが脱退し、その後はグレッグ・オールマンの「レイド・バック」のレコーディングやツアーに参加、そして本作のリリースへと繋がった。
スコット・ボイヤーは元々、オールマンズのドラマー、ブッチ・トラックスの在籍していた「31st・オブ・フェブラリー」のメンバーであり、オールマンズとの親交からキャプリコーン・レコードとの関係が始まった。当然ながら本作もキャプリコーン・メンバー〜ビル・スチュワート、ランドール・ブラムレット、チャック・リーヴェル、ジェイモー、チャーリー・ヘイワードらが参加している。
サウンドはまったり感満載のスワンプミュージックである。先日紹介させていただいたトラヴィス・ワーマックと比べれば、180度逆転したような田舎風味であるが、しっかりキャプリコーンの音は感じていただけると思う。
本作は、ある意味キャプリコーン・レコードの「裏名盤」だと思う。国内では決して知名度が高くはないが、評価は非常に高い。彼らはこの後、セルフタイトルの4作目をリリースするが、あえなく解散。その後はマッスルショールズなどのスタジオミュージシャンとして活動し、’10年には2人で再結成するものの、’18年にスコット・ボイヤーは他界した。
YouTubeに音源があったのでどうぞ。Spotifyには該当なし。
いろいろな意味で「サザンロックの秘密」の一枚。私も昔は良さが分からなかった。
CD化により、ボーナストラック追加で再発されたので入手は容易かと。逆にアナログ盤を見かけなくなった。
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