![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114512361/rectangle_large_type_2_d9bc9100325d694b3dae378668e3f92b.jpg?width=800)
サーチン・フォー・ア・レインボー/マーシャル・タッカー・バンド (‘75)
Searchin’ for a Rainbow / The Marshall Tucker Band (‘75)
今まで多くのサザンロックのアルバムを紹介させていただいたが、まだ紹介していないバンドがある。今回はそんな中から、マーシャル・タッカー・バンドの’75年リリースのアルバムを紹介しようかと思う。
マーシャル・タッカー・バンドは’71年にサウスカロライナ州スパータンバーグで結成され、メンバーは、トイとトミーのコールドウェル兄弟、ダグ・グレイ(ボーカル)、ジェリー・ユーバンクス(フルート、サックス)、ジョージ・マッコール(ギター)、ポール・リドル(ドラム)の6人編成であった。
オールマンズに続く第2のバンドとして、キャプリコーンからコンスタントにアルバムをリリースし、ファーストアルバムからは、「テイク・ザ・ハイウェイ」「キャント・ユー・シー」などの、定番曲がヒットした。本作は’75年リリースの4作目のアルバムで、オープニングの「ファイヤー・オン・ザ・マウンテン」がヒットし、アルバムは初のプラチナディスクに輝いている。
彼らのサウンドは、単純にカントリーではなく、意外にもジャズ的な要素が見受けられる。インプロヴィゼーションの長尺ナンバーでは、オールマンズの「エリザベス・リードの追憶」にも匹敵する演奏である。
個人的に、彼らが一般的なカントリーバンドと大きく違うのは、根底にあるリズムが16ビートになっている点である。よくある8ビートの曲でも、ドラムは16ビートを基本にした8ビートになっているなど、バンドの独特なグルーヴに大きく貢献している。
また、トイ・コールドウェルのサムピックによる速弾きが有名だが、ベースのトミー・コールドウェルもサムピックを使用し、ギターのリフのようなベースのフレーズを弾いていることも、サウンドの特徴の一つである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114515919/picture_pc_0ade2708dfaa6a7ea8a656c4185138cc.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114515981/picture_pc_c77a0bfd11c55f168d3d9d889f857761.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114515984/picture_pc_845c3f200e60c60531680f4650005581.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114515986/picture_pc_06fff3dfb6b5f7229a5543c4ad87e5b3.jpg?width=800)
‘77年にリリースされたアルバム「キャロライナの夢〜Carolina Dreams」は、彼らの最大のセールスとなり、’79年にはワーナーへ移籍するが、’80年にベースのトミー・コールドウェルが交通事故で亡くなってしまった。その後、アルバムをリリースするが実質的な失速は避けられず、ダグ・グレイとジェリー・ユーバンクス以外のメンバーが脱退するという事態に見舞われた。
新しいメンバーの加入により、カントリーやブルースに影響を受けた往年のサウンドで再び人気を博していった。なお、現在でもツアーをおこなっている。
YouTubeの音源をどうぞ。
Spotifyはこちらから。
近年、彼らの’70年代のライブ音源が、サブスクでかなりリスト化されている。’77年のキャロライナ・ドリームス・ツアーなど、ファンには嬉しい音源である。
キャリアの長いバンドだが、やはり’80年までのアルバムがオススメである。アナログ盤、CDともに球数も多く、入手は容易である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?