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サーチン・フォー・ア・レインボー/マーシャル・タッカー・バンド (‘75)

Searchin’ for a Rainbow / The Marshall Tucker Band (‘75)
今まで多くのサザンロックのアルバムを紹介させていただいたが、まだ紹介していないバンドがある。今回はそんな中から、マーシャル・タッカー・バンドの’75年リリースのアルバムを紹介しようかと思う。

マーシャル・タッカー・バンドは’71年にサウスカロライナ州スパータンバーグで結成され、メンバーは、トイとトミーのコールドウェル兄弟、ダグ・グレイ(ボーカル)、ジェリー・ユーバンクス(フルート、サックス)、ジョージ・マッコール(ギター)、ポール・リドル(ドラム)の6人編成であった。

オールマンズに続く第2のバンドとして、キャプリコーンからコンスタントにアルバムをリリースし、ファーストアルバムからは、「テイク・ザ・ハイウェイ」「キャント・ユー・シー」などの、定番曲がヒットした。本作は’75年リリースの4作目のアルバムで、オープニングの「ファイヤー・オン・ザ・マウンテン」がヒットし、アルバムは初のプラチナディスクに輝いている。

彼らのサウンドは、単純にカントリーではなく、意外にもジャズ的な要素が見受けられる。インプロヴィゼーションの長尺ナンバーでは、オールマンズの「エリザベス・リードの追憶」にも匹敵する演奏である。

個人的に、彼らが一般的なカントリーバンドと大きく違うのは、根底にあるリズムが16ビートになっている点である。よくある8ビートの曲でも、ドラムは16ビートを基本にした8ビートになっているなど、バンドの独特なグルーヴに大きく貢献している。
また、トイ・コールドウェルのサムピックによる速弾きが有名だが、ベースのトミー・コールドウェルもサムピックを使用し、ギターのリフのようなベースのフレーズを弾いていることも、サウンドの特徴の一つである。

キャプリコーン 国内盤
裏ジャケット
ライナーノーツ
歌詞カード

‘77年にリリースされたアルバム「キャロライナの夢〜Carolina Dreams」は、彼らの最大のセールスとなり、’79年にはワーナーへ移籍するが、’80年にベースのトミー・コールドウェルが交通事故で亡くなってしまった。その後、アルバムをリリースするが実質的な失速は避けられず、ダグ・グレイとジェリー・ユーバンクス以外のメンバーが脱退するという事態に見舞われた。
新しいメンバーの加入により、カントリーやブルースに影響を受けた往年のサウンドで再び人気を博していった。なお、現在でもツアーをおこなっている。

YouTubeの音源をどうぞ。

Spotifyはこちらから。

近年、彼らの’70年代のライブ音源が、サブスクでかなりリスト化されている。’77年のキャロライナ・ドリームス・ツアーなど、ファンには嬉しい音源である。

キャリアの長いバンドだが、やはり’80年までのアルバムがオススメである。アナログ盤、CDともに球数も多く、入手は容易である。

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