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サザンロックにおける南軍旗とブラックミュージック

私はサザンロックが大好きで、有名無名合わせていろいろ聴いてきた。その中で南北戦争時の南軍旗をアルバムのジャケットなどに使用するバンドと使用しないバンドが二極化しているように感じていた。

ご存知のように南部連合軍は奴隷制を支持しており、アフリカン・アメリカン=奴隷という考え方で人種差別をおこなってきた。その一方で北部連邦軍は奴隷を解放することを目的の一つとし、そのため互いが戦うことになった。

ブルースはその発祥地がアメリカ南部のプランテーションであるというのが一つの考え方であり、アフリカから奴隷として連れてこられた人々の嘆きや(ある意味の)希望を労働と共に歌にしたものだというのが現在の認識だろう。
当然ながら彼らの中には南軍旗を敵視する者も少なくない。あるいは差別主義の同義として南軍旗がイメージされる場合もある。

そしてブラックミュージックに大きく影響を受けたバンドや、メンバーに白人以外の人種がいるバンドと、白人のみのバンドとを比較し、南軍旗とブラックミュージックから大きく影響を受けたバンドを考えてみる。

レーナード・スキナード(フロリダ州出身)
メンバー:白人のみ/南軍旗使用:あり(多い)

レジェンド (‘87)
ベスト・オブ・ザ・レスト (‘82)
ワン・モア・フロム・ザ・ロード (‘76)

ジョニー・ヴァン・ザント・バンド(フロリダ州出身)
メンバー:白人のみ/南軍旗使用:あり

ザ・ラスト・オブ・ワイルド・ワンズ (‘82)

チャーリー・ダニエルズ・バンド(テネシー州出身)
メンバー:白人のみ/南軍旗使用:あり
画像はコンピレーションライヴのボランティアー・ジャムより

ボランティアー・ジャムⅢ&Ⅳ (‘78)
ボランティアー・ジャムⅥ (‘80)

ただし、ボランティアー・ジャムには、ドビー・グレイ、パパ・ジョン・クリーチ、ルーファス・トーマスらも出演している。

アトランタ・リズム・セクション(ジョージア州出身)
メンバー:白人のみ/南軍旗使用:あり

ドッグ・デイズ (‘75)

アトランタ・リズム・セクションはセカンドアルバムにも南軍旗が使用されている。

一方、南軍旗を使用していないバンドとして

オールマン・ブラザーズ・バンド(ジョージア州出身)
メンバー:混成/南軍旗使用:なし

ウェット・ウィリー(アラバマ州出身)
メンバー:混成(時期による)/南軍旗使用:なし
さらに彼らのアルバムジャケットにはメンバー以外のアフリカン・アメリカンが使われている。

ウェット・ウィリーⅡ (‘72)
キープ・オン・スマイリン (‘74)
ザ・ウェッター・ザ・ベター (‘76)

サンプルとしては少ないとは思うし、それぞれのバンドのすべてのアルバムを検証した訳ではないので、見落としや間違いがあるかもしれない。
それでも、人種混成バンドやブラックミュージックに大きな影響を受けたバンドが南軍旗を使用していないのは、やはり「何か」意図するものがあるのではないだろうか。

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