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怪奇ディスコ・サウンド決定盤/ヴァリアス・アーティスツ (‘76)
All The Hits Of Monster Disco Sounds / Various Artists (‘76)
‘70年代中期はディスコが大流行し、猫も杓子もディスコという時代であり、当然、音楽も同様で、なんでもかんでも「ディスコ〇〇〇」や「ソウル〇〇〇」というタイトルで、レコードのリリースが乱発するといった状況だった。
そんな中、よくわからないダンス風にアレンジされた上に、変な笑い声や叫び声が入った、世界各国の音楽が輸入された。おそらくその手の音楽で、最も売れたのがフランスのグループ、ホット・ブラッドの「ソウル・ドラキュラ (‘76)」ではないだろうか。国内ではオリコンチャートの7位にランクインしたという記録があるが、本国では全くヒットしていないらしい。
「ソウル・ドラキュラ」のヒットにより、「怪奇ディスコ」が流行りだし、ドラキュラに続いて、フランケンシュタイン、ネッシー、雪男など、お化け屋敷のごとく、シングル盤がリリースされた。しかし、残念というか、当然というか、ドラキュラに続くヒットはなく、怪奇ディスコは終焉を迎えた。
本作は、そんな時期にテイチクのオーヴァーシーズ・レコードからリリースされた「怪奇ディスコ・サウンド決定盤」と銘打ったコンピレーション盤である。世界中の魑魅魍魎をA面、B面合わせて12曲収録している。しかし大きな落とし穴があり、ホット・ブラッド、ムッシュ・ゴラゲール、キャプテン・ダックスの3アーティストはシングル盤のリリースがあるが、両面の3曲目から6曲目までのスウィート・エクソシストなるアーティストの曲は、怪奇サウンド用に制作されたフランスの作品とのこと。要するに12曲のうち、8曲は間に合わせで制作されたようなものである。
まさに‘70年代の少年誌の裏にあった通信販売のような商品や売り方である。それでもジャンク箱で見つけたら購入してしまう。
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YouTubeでソウル・ドラキュラをどうぞ。PVがあるのにオドロキ。
Spotifyからはキャプテン・ダックスの「ソウル・フランケンシュタイン」をどうぞ。
実際、ヴァン・マッコイの「ハッスル」やカンフー・ディスコがヒットしていた記憶はある。私も当時「ソウル・ドラキュラ」や「ソウル・これっきりですか」などのシングル盤をリサイクル店で100円で購入し、喜んで聴いていた。
‘76年といえば、アメリカではジョージア州からカーター大統領が出て来て、キャプリコーン・レコードが支援コンサートをおこなった年である。しかし、サザンロックはディスコなどに代表される、「大量消費音楽」が台頭してきたことによって終焉を迎えたのは一つの事実である。
まあ、50年近く前にこんなブームがあったな〜と、あらためて感心する。恐るべし’70年代である。
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