ライヴ・アット・ザ・100クラブ/フレンジー (‘88)
Live at the 100 Club / Frenzy (‘88)
前回に続いて’80年代UKのアルバムを紹介させていただく。’80年代に盛り上がったネオロカビリーは、パンク、ニューウェーブのムーブメントを経たロカビリーというのが一つの雛形であったが、さらにガレージ、ポジティブパンクなどとの融合を経て「サイコビリー」が誕生した。
サイコビリーは「ホラー」「サイケデリック」などのダークな要素を持っており、演奏においても「スピード」が速い曲が多いのが特徴の一つである。また、サイコビリーのバンドは多くのカバー曲を演奏しており、そのネタが非常に広範囲にわたっているのも大きな特徴である。
本作はサイコビリーの重鎮であるフレンジーの通算4枚目のアルバムで、ロンドンの100クラブにおけるライブ盤である。フレンジーは前身のシャークスが’83年に解散した後、スティーヴ・ホワイトハウス(ベース、ボーカル)が中心となって結成したバンドである。
彼らも御多分に洩れず、カバー曲を演奏しており、本作ではロキシー・ミュージックの「ラヴ・イズ・ザ・ドラッグ」を収録している。また、彼らの代表曲の一つである「サーフィン・バード」はトラッシュメンのカバーであり、ファーストアルバムに収録されている。
個人的には、彼らの演奏におけるリズムが、ベースのスウィング気味の4ビートに対して、ドラムのオカズが三連になっているのが興味深い。理由としては、ベーシストがボーカルを兼任しているということが関係しているのかとも考えられる。
また、メロディアスな曲も多く、よくある3コードのロックンロールのみをルーツにしていないというバンドの音楽性を感じる。
本作はリアルタイムで購入した。サブスクからダウンロードしてクルマでも聴いている、まさに愛聴盤である。
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近年でもライブをおこなっており、アルバムもリリースされている。
現在では人気のなさそうなカテゴリーではあるが、サイコビリーという一括りでは片づけられない面白さがある。
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