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ツインドラムが印象的なサザンロック

先日、音楽つながりの友人と食事に行き、かつてはミックステープだったのが、今ではプレイリストになっているという話になり、それではプレイリストを作ってみようということになった。まずは利便性が高いということで、Spotifyの音源を使うという取り決めでスタートした。

テーマはいろいろあったが、個人的に好きなカテゴリーということで、サザンロックをチョイスした。その中でも「’70年代〜’80年代のサザンロックで、ツインドラム編成が特徴」というテーマで作ったプレイリストを紹介しようかと。

ツインドラムといっても、2人のドラマーが同じフレーズを叩くスタイルや、タイプの違う2人のドラマーがまったく違うフレーズを叩くスタイルなど、バンドによって特徴があるのが事実である。

まずはアウトロウズの’78年リリースの2枚組ライブ盤「嵐のワイルド・ライブ〜Bring it Back Alive」からオープニングのイントロと「スティック・アラウンド・フォー・ロックンロール」。ドラムはモンテ・ヨーホーとデヴィッド・ディックス。モンテはアウトロウズのオリジナルメンバーで、デヴィッドも古くからアウトロウズと交流があったこともあり、ハードなスタイルながら迫力満点。

アウトロウズの曲はラストの「約束の地へ〜Green Grass & High Tides」もリストに加えた。このアルバムのテイクは、’77年のツアー中にレーナード・スキナードの悲報を知り、事故から後の日程にはスキナードへの哀悼の意をMCに述べている。さらに曲の終盤、ギターバトルの前に「Just for you bird, FREE BIRD!」と叫んでいるのはこのテイクのみ。

続いてチャーリー・ダニエルズ・バンドからは「バーミンガム・ブルース」と「ウィスキー」。初期の彼らはツインドラムを含む6人編成で、ちょっとチープな雰囲気がニヤッとさせる演奏が魅力である。ドラムはドン・マレーとフレッド・エドワーズ。フレッドはデュアン・オールマンのような風貌である。バタバタ感が特徴的で、それがチープさの要因の一つかもしれない。

次はヘンリー・ポール・バンドのセカンドアルバム「灼熱の魂〜Feel the Heat」から「ゴー・ダウン・ロッキン」。サビ前のドラムが明らかにツインドラムの迫力である。ドラムはアウトロウズ時代の盟友、モンテ・ヨーホーとビル・ホフマン。彼らはこのアルバムからツインドラムの編成になるが、ファーストアルバムでもダビングで擬似ツインドラム効果を採用し録音している。

そしてディッキー・ベッツ&グレート・サザンのファーストアルバムから「ラン・ジプシー・ラン」と「ブーゲンビリア」の2曲をチョイス。曲はミディアムやスローだが、ドラムは結構ハードである。ドラムはジェリー・トンプソンとドニ・シャーボノ。セカンドアルバムでは、ジェリーが抜け、デヴィッド・トーラーが参加する。

さらに続いて38スペシャルのファーストアルバムから「ロング・タイム・ゴーン」。’80年代半ばの彼らのサウンドとは違って、まだまだ泥臭い南部バンドといった雰囲気の曲。ドラムはジャック・グロンドンとスティーヴ・ブルッキンス。

大御所オールマン・ブラザーズ・バンドは、’70年代のデュアン期と’90年代のウォーレン/ディッキー期から1曲ずつ。「腹黒い女〜Black Hearted Woman」と「Good Clean Fun」、どちらも迫力とスリリングさが同居する曲である。

そしてマイナーなところで、クーパー・ブラザーズの「ロックンロール・カウボーイズ」。カナダ出身の彼らの’78年にキャプリコーンからリリースされたファーストアルバムのタイトル曲である。ドラムはグレン・ベルとダリル・アルガイア。ペダルスティールやフィドルも入ったごった煮感のあるサウンドである。

ツインドラム=ドラマーが2人〜という単純なものではなく、バンドのサウンドの基礎の部分に関わってくるパートである。ドゥービー・ブラザーズやグレイトフル・デッドもツインドラムの編成であるが、ツインドラムはサザンロックの特徴の一つであることも事実である。

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