見出し画像

A & Rスタジオ:ニューヨーク 8/26/71/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘11)

A&R Studios: New York 26th August 1971 / The Allman Brothers Band (‘11)
今回はオールマン・ブラザーズ・バンドの’71年8月26日のライブ盤を紹介させていただこう。もちろんデュアン・オールマン在籍時であり、WPLJのFM音源のため音質も良い。本作はブートレグ音源であるが、’16年にはオフィシャル盤がリリースされた。

曲目は名盤「フィルモア・イースト・ライヴ」とほぼ同じであるが、言い換えれば彼らのステージの定番曲だったと考えられる。個人的には、「ユー・ドント・ラヴ・ミー」の演奏が非常によくまとまっており、ツインリードの魅力を遺憾無く発揮している。また、サックスプレイヤーのキング・カーティスが同年8月13日に麻薬中毒者によって刺殺されたこともあり、その追悼の意をMCで聞くことができる。

本作には非常に小さな音でカウントを出す声や、ドラムのフィルインをやり直したように感じる部分など、臨場感を感じつつもリラックスした演奏であった様子が窺える。ディッキー・ベッツのギターも以前にも増して歪んでおり、この点についてはデュアン・オールマンからの影響が大きかったのではないかとも推測できるなど、「フィルモア・イースト・ライヴ」から半年近く経過したバンドが、どのように進化していたのかという疑問の一つの答えがあるようにも思う。

レフト・フィールド・メディア ブートレグ
レーベル
スリップケース&ブックレット

‘71年10月29日にデュアン・オールマンが亡くなるまでのバンドの歩みを知るのにも重要な時期の音源だと思う。現在はデュアンの最後の演奏、’71年10月17日、メリーランド州オーウィングス・ミルズでのライブ音源〜「ザ・ファイナル・ノート」がオフィシャルからリリースされている。かつてはこの2日前、10月15日のピッツバーグのシリア・モスクでのライブ音源が最後とされていたが、新たに音源が発見されてレストアされた。現在、販売されている「シリア・モスク」とは日付が違うのでご注意を。

オールマンズはキャリアも長いため、それぞれの時代によってサウンドが全く違うが、個人的には「デュアン・オールマン在籍時」「ラマー・ウィリアムズ在籍時」「ウォーレン&アレン期」をコレクションの対象にしている。

強烈に火を吹くデュアン・オールマンのギターが素晴らしいのはもちろんだが、ジェイモー・ジョハンソンのドラムのフィルインを意識して聴いてみるのも興味深い。彼の持ち味のジャズによって、オールマンズのサウンドが他のサザンロックのバンドと同一化していなかったのがわかると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?