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どの粘着ラバーと比較しても、「男の嫉妬」ほど粘着質なものはない。

3月7日(土)にBS1で放送されていた番組。

「独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた 昭和編」(110分)

おもしろかった。

大衆がよく知る「ナベツネ=巨悪の根源」

これは渡辺恒雄が培ってきた膨大な功罪の一面をあくまでも「おもしろおかしく」メディアが切り取った事象に過ぎない。

御厨貴さんが渡辺を評するところの「人たらし」と「冷静な観察眼」

それらの支えとなる哲学、そして社会科学をベースとした知見は戦後に台頭した政治家にとって、大変センセーショナルなものだったに違いない。

日韓基本条約締結時の暗躍ぶりや外務省機密漏洩事件が起きた背景。

渡辺独自の推測は説得力に満ち溢れたものであった。

「たかが選手が」の構図で映し出され、「大衆にとっての着火剤」と位置付けられていたナベツネとは一体何者だったのだろう? 

私も若い頃は、受け手の共感を得てもらう為のコミュニケーションツールとして「ナベツネ=巨悪」の文脈を大いに利用させてもらったが、彼の功が果たして何だったのかについてもきちんと目を向けていかなければならない。

西暦2020年。令和に元号が変わり、昭和が益々遠くなってきた感覚に自身が覆われている昨今、そう思うようになった。

政治にとらわれず、社会生活全般で参考になる独占告白を紹介させていただく。

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池田勇人そして大平正芳の関係性から見えてくる、時の最高権力者の嫉妬について語った時の映像。渡辺はこうも付け加えている。

「僕の経験からするとね、物事は理屈でなく人間関係で動いてく」

エリートであればあるほど「所属集団のポジション取り」に固着する傾向が強くなる。自分を脅かす存在の活躍がおもしろくない。

私が偏愛する「T.T彩たま(卓球)」の組織内にはこういう事がないと信じているが、社長や専務が部下に対して粘りつくような視線を向けるような場面を見た事は一度もないので、大丈夫だろう。

嫉妬は見苦しいだけで何の生産性もない現象だと思っているが、「物事は理屈でなく人間関係である」為、こうして記事を書いている間にもどこかの現場で発生しているに違いない。

仲間の活躍を心から喜び、それを自分への糧につなげたい。

そういった感情のアップデートを30代半ば頃を実施。それなりに不自由なく生活することができている現状の下、今のところ成功をおさめているが万が一、躓きそうになった時は、私がフォア面に貼り付けている粘着ラバーを取り出し、自身を戒めたいと思っている。

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