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なぜ熊が街に?

SDGsの犠牲になる野生動物

 最近「熊が街に出没云々・・・」というニュースをよく耳目にするようになった。
 特に東北、関東エリアが多いらしく、都市部での出没も散見され、今年はその人的被害も過去最大らしい。
 また、熊ばかりでなく、イノシシや鹿など、本来山間部にしか生息しない動物も人里で見かけることが多くなり、その食害も多くなっていると聞く。

 ではなぜ、熊が以前と比べて人里に降りてくるようになったのだろう。
 色々な原因があるようだ。
  ・少子高齢化により過疎地域
   が拡大したことによる山間
   部と人里との境界の消滅。
  ・気候変動等の問題による
   山間部におけるエサとなる
   植物の減少
など、いろいろ言われているようだが、大手メディアが決して口にしない原因がひとつだけある。

 それは
   太陽光発電や風力発電による
   山間部の乱開発問題
だ。
 現在、日本の奥山では、尾根筋には風力発電、日当たりの良い斜面には太陽光パネルを敷設した太陽光発電など再生可能エネルギー事業が恐ろしいスピードで進んでいるらしい。
 例をあげれば、関東ではその山間部で多摩ニュータウンの何十倍という規模の太陽光パネル設備があるとか。
 特に日当たりを重視する太陽光パネルが敷設される場所は、熊の大好物であるドングリが実をつけるブナ科の樹木が生育する場所でもある。
 そのような場所を乱開発し続ければ、熊にとっては死活問題となり、山を下りざるをえないだろう。
 この太陽光パネルと熊の出没にかかる問題に取り組んでいる学者が東北地域で熊出没マップを作ったところ、熊の出没が多い地域は、太陽光パネルが広大に敷設された地域と見事に一致したらしい。

 マスコミも、2011年頃までは太陽光パネル敷設工事場所に熊が頻繁に出没することをニュースにしていたらしい
 ところが、2018年ころからはピタリとそのような報道はなされなくなり、以降熊出没の主たる原因は
  気候変動等による山間部の植物
  の生育不調等
が主たる原因とされてしまった。
 おそらく、日本全国に太陽光パネルが膨大に敷設されるに及び、熊出没の原因が太陽光パネルと結び付けられることに危機感を持った事業者から何らかの圧力があっただろうことは想像に難くない。

 それに加えて、昨今取りざたされるようになったSDGs(国連が掲げる「持続可能な開発目標」)の17の施策のひとつである
   クリーンエネルギー施策
に乗っかった脱炭素化の世界的潮流がある。
 原子力と聞くだけでいまだに拒否反応しかしないメディアは、原子力発電は二酸化炭素を排出しないというメリットには目をつぶり、イメージだけで風力発電や太陽光発電を後押してきたこともあり、この点からも熊の出没問題を太陽光発電に結び付けなくなった。 

 おまけにこの太陽光発電施設は、耐用年数が十年あまりという短期間であり、その廃棄にあたっては猛毒性の薬物を排出しなければならず、深刻な環境破壊が懸念されるということだ。
 原子力発電所の耐用年数は半世紀あまりに及び、二酸化炭素も排出しないことからすれば、どちらが脱炭素化という地球環境に優しいエネルギー施策か明らかなのではないだろうか。

 ちなみに私が住む地域の原子力発電所が40年の運転期限を迎えたら、市民団体(おそらく左巻きの人)が中心となって、その原発の運転延長を阻止しようとして住民投票条例案提起のための署名活動に奔走したが、その条例案そのものが議会で否決されると「住民の民意がなおざりにされた・・・」と憤りをこめたようなコメントを発して、テレビもそのままそれを垂れ流していた。
 この人たちにとって、住民の選挙で選ばれた議会の議決は「民意」でないようだ。

 そしてさらに問題なのは、この太陽光パネルの一大生産国は中国なのだ。
 レアアース産出にしても太陽光パネルの生産にしても、中国はその産出や製造に従事する従業員に対して、その健康や人権を無視した過酷な労働を課しているが、なぜか日本のメディアは、国内では人権問題に過敏に反応するのに、こと中国のこととなると目をつぶってしまい、いつもながらの中国に弱い姿勢が見え隠れする。
 レアアースは、以前尖閣諸島を巡って中国の漁船が日本の巡視船に体当たりした時に、中国に外交カードに使われた経緯があったが、あまり太陽光発電にこだわっていると、今度はその太陽光パネルが外交カードに使われかねない。

 SDGsの17項目にも及ぶ提言内容は一言で言うならば
   地球に住む人類の全ての人に
   平等と幸せを
というものである。
 どこか既に死滅した論理とも言える共産主義に似たところがある。
 国連内で金に物を言わせて我が物顔にふるまっている中国の思惑と一致する施策なのかもしれない。
 SDGsは、共産主義者が姿形を変えて必死に生き残りを図ろうとしているなれの果ての姿なのかもしれない。

 またSDGsは、地球上で人間だけが幸せになることを願って作ったもので、ともに暮らす動植物との共生はこれっぽっちも考えていないことは、太陽光パネルの敷設実態から明らかだ。

 その道連れにされては熊もたまったものではないだろう。

 昔スタジオジブリのアニメで
   平成狸合戦ポンポコ
という作品があったが、これは
   宅地造成によって
   エサ場を失った多摩丘陵
   に住む狸たちが得意の「化学」
   を使って人間に化けて立ち向かう
というストーリーだった。

 次は誰かが
   令和熊合戦ポンポコ
なるアニメでも作り、この問題を世に問うてはどうだろうか。
 ただし、熊は狸のように化けることはできないかもしれないが・・・


次は「熊」の番か?

 
  


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