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第3回AbemaTVトーナメント(将棋)ドラフト予想-反省編-


前々回の準備編の記事、前回の予想編の記事を元に、4/11(土)から始まった、将棋SP第3回AbemaTVトーナメントのドラフト予想振り返ります。

1、豊島 将之 竜王・名人

【予想】
藤井 聡太 七段、近藤 誠也 七段、佐々木 勇気 七段、大橋 貴洸 六段、千田 翔太 七段、斎藤 慎太郎 八段、丸山 忠久 九段、松尾 歩 八段
(居飛車系統の戦法が得意、かつ、直近対戦がない棋士)

【ドラフト予想】
豊島 将之 竜王・名人 ― 佐々木 勇気 七段 ― 斎藤 慎太郎 八段 チーム
【結果】
一巡目1回目:佐々木 勇気 七段
二巡目1回目:斎藤 明日斗 四段

藤井七段を狙いに行かなかったのが少し意外でしたが、BAD BOYSの存在が完全に頭から抜けてました。竜王戦ブログもちゃんと確認しておくべきでしたね。
しかし、豊島先生はドライにデータを優先するのかなと思いましたが、意外と人間的な感覚でメンバーを選ばれたというのが一番意外なポイントでした。
研究会は行っていないという話を信じるなら、直近に交流があったメンバーだったからと考えるべきか?
もしくは、竜王・名人として配慮した結果、ファンが思いつきやすそうな組み合わせを狙ったか。

2、渡辺 明 三冠

【予想】
佐々木 大地 五段、中村 太地 七段、村山 慈明 七段、戸辺誠 七段、佐藤 和俊 七段、黒沢 怜生 五段、野月 浩貴 八段
(ある程度結果を出していて、気心が知れている間柄の棋士)

【ドラフト予想】
渡辺 明 三冠 ― 佐々木 大地 五段 ― 中村 太地 七段 チーム
【結果】
一巡目1回目:近藤 誠也 六段
二巡目1回目:石井 健太郎 五段

本人が述べられていたように、所司門下でしたね。
なんで所司門下という発想が出てこなかったのか、自分でも不思議でした。
松尾八段、大橋四段も有力でしたが、若手の実力者ということで近藤六段、石井五段が選ばれたのでしょうね。レーティングも上ですし。
現実的な感覚と気心の知れた中というところの落としどころが同門だったので、これはある意味読めたはずだなぁという反省点です。

3、永瀬 拓矢 二冠

【予想】
藤井 聡太 七段、佐々木 勇気 七段、斎藤 慎太郎 八段、高見 泰地 七段、三枚堂 達也 七段、八代 弥 七段、出口若武 四段
(競合してでも初手は確定、残りはVSメンバーを中心に年下(U-27)を優先)

【ドラフト予想】
永瀬 拓矢 二冠 ― 藤井 聡太 七段 ― 高見 泰地 七段 チーム
【結果】
一巡目1回目:藤井 聡太 七段 → 抽選(○)
二巡目1回目:増田 康宏 六段 → 抽選(○)

抽選が強かった。
一巡目の藤井聡太七段については宣言通りでしたし、競合するのも分かっていたので、そこで引けるという予想が当たったのは嬉しかったですね。
二巡目の増田六段については、接点が何もなかったので候補に入れていなかったんですが、終盤型と序盤研究型というバランスのとり方という意味では入れておいた方がよかったかなぁというところ。
こちらは逆に思っていたよりもドラスティックな選出だったなぁという印象でしたが、よくよく考えたらそういう情のようなものは入れないようにしていると発言されていましたね。

4、木村 一基 王位

【予想】
行方 尚史 九段、野月 浩貴 八段、深浦 康市 九段、山崎 隆之 八段、飯島 栄治 七段、高野 智史 五段
(実力よりも距離感を重視、他のチームと競合を避けるため、弟子の高野五段以外はあえて若手外からの起用をベースに)

【ドラフト予想】
木村 一基 王位 ― 行方 尚史 九段 ― 野月 浩貴 八段 チーム
【結果】
一巡目1回目:行方 尚史 九段
二巡目1回目:野月 浩貴 八段

これはパーフェクトの解答でした。
とは言っても、競合しづらい人選、かつ、木村王位のファンサービス精神、人間味を考えたらこれしかないというレベルの組み合わせだったので、当てるのはそれほど難しくなかったかと思います。
作戦会議の様子が一番楽しみな組み合わせではありますので、本編が楽しみです。

5、羽生 善治 九段

【予想】
藤井 聡太 七段、近藤 誠也 七段、佐々木 大地 五段、本田 奎 五段、大橋 貴洸 六段、増田 康宏 六段、青嶋 未来 五段、出口 若武 四段
(勢いのある若手を評価。あくまで"夢=将来性"という捉え方)

【ドラフト予想】
羽生 善治 九段 ― 近藤 誠也 七段 ― 本田 奎 五段 チーム
【結果】
一巡目1回目:藤井 聡太 七段→抽選(×)
一巡目2回目:鈴木 大介 九段
二巡目1回目:三枚堂 達也 七段

一巡目1回目は予想通り。一巡目2回目は完全に予想外でした。
ただ、選ぶのは羽生九段ではなく、羽生九段にアドバイスを受けた藤田社長だというところを念頭に置いていれば近い予想ができたかなぁと思います。藤田社長は麻雀でもよく絡みがありますし。
三枚堂七段についてはあまり意識していなかったのですが、Abemaによく出ている人だったことも影響しているという発言もありましたが、時間があればその線も押さえたかった(出演回数のカウントもしたかった)ので、もっと計画的にやっていればよかったなぁという反省です。

6、佐藤 康光 九段

【予想】
森内 俊之 九段、郷田 真隆 九段、丸山 忠久 九段、鈴木 大介 九段、中川 大輔 八段、西尾 明七段
(会長でもあるため、上下関係が生まれにくい距離感=それなりの実績と比較的高めの年齢の棋士か、あるいは連盟理事経験者を選出)

【ドラフト予想】
佐藤 康光 九段 ― 森内 俊之 九段 ― 郷田 真隆 九段 チーム
【結果】
一巡目1回目:森内 俊之 九段
二巡目1回目:谷川 浩司 九段

オールスターという感じですね。
羽生世代と言っても島研が特別だったとも言えるのか、森内九段を当てるのは難しくなかったですが、読みとしては良い線いってましたね。
ただ、、谷川前会長は流石に選ばないかなぁと見送ったのが敗因でしたね。
ただファンの方の投票は多かったみたいで、結構熱い支持が見受けられたことを考えると、佐藤会長はやはりファンのことを考えて組んだんだなぁという印象が強く残りました。
また、ツイッターを始められたそうなので、興味がある方はフォローしてみると良いですね。

7、三浦 弘行 九段

【予想】
丸山 忠久 九段、都成 竜馬 六段、山崎 隆之 八段、谷川 浩司 九段、星野  良生 四段、大橋 貴洸 六段、三枚堂 達也 七段
(不正疑惑の件で直接的に攻撃した棋士以外で、レーティングが高い、あるいは、独自性の高い棋士)

【ドラフト予想】
三浦 弘行 九段 ― 丸山 忠久 九段 ― 谷川 浩司 九段 チーム
【結果】
一巡目1回目:本田 奎 五段
二巡目1回目:増田 康宏 六段 → 抽選(×)
二巡目2回目:高野 智史 五段

かすりもしなかったですねぇ!
あまり件のことを考えない方がフラットに考えられて良かったかもしれないなぁとちょっと反省しました。
ただ、棋士の交友関係については正直読みようがなかったので、ある程度外れたのはもう仕方ないかなぁという印象です。
しかし、データをもう少し重視するのかなぁと思っていたのですが、タイトル挑戦者の新人と新人王戦優勝者という経歴重視の方向が見えたのは意外な印象もあります。

8、久保 利明 九段

【予想】
菅井 竜也 八段、都成 竜馬 六段、山本 博志 四段、西田 拓也 四段、杉本 和陽 四段、矢倉 規広 七段
(振り飛車党の若手を中心に、振り飛車の採用率が高い棋士)

【ドラフト予想】
久保 利明 九段 ― 都成 竜馬 六段 ― 山本 博志 四段 チーム
【結果】
一巡目1回目:菅井 竜也 八段
二巡目1回目:今泉 健司 四段

二巡目は読めない。
一巡目は予想できたのですが、予想外だったのは被りが居なかったことでした。自分の予想では競合してくじに恵まれないと思っていたのですがね。
二巡目は本人のプッシュがあったということで、流石に読めなかったです。
ただ、開幕戦をみた後だと、採用したのも良くわかるという勢いがありましたね。見事な対局でした。
こちらもツイッターを始められたそうなので、気になる方はチェックを。

9、佐藤 天彦 九段

【予想】
藤井 聡太 七段、近藤 誠也 七段、千田 翔太 七段、佐々木 大地 五段、増田 康宏 六段、本田 奎 五段、佐々木 勇気 七段、山本 博志 四段、阿部 光瑠 六段、青嶋 未来 五段
(本人が32歳という点を考慮すると、25歳以下を指して若い人と解釈)

【ドラフト予想】
佐藤 天彦 九段 ― 千田 翔太 七段 ― 増田 康宏 六段 チーム
【結果】
一巡目1回目:佐々木 大地 五段 → 抽選(×)
一巡目2回目:斎藤 慎太郎 七段
二巡目1回目:黒沢 怜生 五段 → 抽選(×)
二巡目2回目:阿部 光瑠 六段

くじに2回負けることがある意味予想としては当たっていたので、その点の読みはしっかり当たって良かったです。
また、候補に阿部 光瑠 六段を入れていたのも自分としてはなかなかいい線いったなぁと思います。
結果的には全くかすりませんでしたが、千田七段以外は他の方に先着されたり、逆に先着の予想が外れていたので、くじ後の予想が異なってしまったなぁという印象でした。
放送中、ご本人も選出者に頭抱えていましたしね。

10、広瀬 章人 八段

【予想】
青嶋 未来 五段、鈴木 大介 九段、阿久津 主税 八段、先崎 学 九段、中田 功 八段、戸辺 誠 七段、高崎 一生 六段、
(宣言通り、麻雀を打ちそうな人、話しやすそうな人をチョイス)

【ドラフト予想】
広瀬 章人 八段 ― 青嶋 未来 五段 ― 鈴木 大介 九段 チーム
【結果】
一巡目1回目:青嶋 未来 五段
二巡目1回目:黒沢 怜生 五段 → 抽選(○)

宣言通り麻雀を主軸にした布陣。
一巡目の青嶋五段については競合読みも含めて完璧でしたが、二巡目の黒沢五段が少し予想外でした。
ただ、取り上げた記事の中で麻雀についても言及されていたので、候補に入れておけばよかったなぁと少し後悔しましたね。
鈴木九段が別のところに先着されたのも予想がズレた原因の一つではありますが、そこも含めて精度を高めたかったですね。

11、糸谷 哲郎 八段

【予想】
菅井 竜也 八段、佐々木 大地 五段、大橋 貴洸 六段、山崎 隆之 八段、中村 太地 七段
(宣言通りに行くと、経験者・早指し・交流がある人が中心の組み立て、藤井聡太勝ち越し者を優先)

【ドラフト予想】
糸谷 哲郎 八段 ― 大橋 貴洸 六段 ― 山崎 隆之 八段 チーム
【結果】
一巡目1回目:高見 泰地 七段
二巡目1回目:都成 竜馬 六段

ここも箸にも棒にも掛からなかった枠。
元々予想が難しくはあったのですが、高見七段、都成六段はかなり予想外の一手でした。とは言っても、本来であれば入れておくべき枠でしたね。
というのも、棋風としては妖刀の切れ味を持ったメンバーになっていたので、そういうややこしさを持ったメンバー基準にしておけば、もう少し予想に近づけたかなぁという印象です。
ただ、都成六段のプッシュもあった(都成六段としてはそこまでプッシュしたつもりはなかったらしいですが)というのは意外でした。

12、稲葉 陽 八段

【予想】
菅井 竜也 八段、山崎 隆之 八段、大橋 貴洸 六段、増田 康宏 六段、都成 竜馬 六段、船江 恒平 六段、村田 顕弘 六段、高見 泰地 七段、八代 弥 七段、三枚堂 達也 七段
(経験者主体。迷った末、一巡目は2,3番人気を選びそう。安牌もリストに入れつつ)

【ドラフト予想】
稲葉 陽 八段 ― 菅井 竜也 八段 ― 船江 恒平 六段 チーム
【結果】
一巡目1回目:佐々木 大地 五段→抽選(○)
二巡目1回目:山崎 隆之 八段

糸谷八段と予想を逆にすればよかったなぁ枠。
一巡目の佐々木大地五段の指名は、思っていたよりも安牌を取りに行ったなぁという印象を受けました。
二巡目の山崎八段は他の方が獲得するかなぁと思っていたので、ドラフト予想結果には並べていませんでしたが、指名しに行くところまでは合っていたので全外れではなかったのが個人的な救いです。
関東や関西というよりも、早指しにどれだけ強いかという方向性が色濃かったなぁという印象です。

というわけで、結果を見るとそこそこのHIT率でしたが、読みの方向性や、おしいなぁというところも多かったのでなかなかよかったんじゃないかなぁと思います。
(コロナがどの程度影響を及ぼすかわかりませんが)これから毎週土曜日に放送されるのを楽しみにしていきたいと思います。

参加される先生方、頑張って下さい!

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