#2 進化生態学的に、情報は遺伝子

場違い記者の小話#2 配信日2018/4/20

 先日、日本イーコマース学会の第1回シンポジウム「そのうちamazonに駆逐されて終ってしまう」に参加しました。お笑いコンビ・キングコングの西野さんによる講演が抜群に面白い内容でした。今回はその内容の一部を、進化生態学を学んだ私なりの視点で考えることに試みます。

 アマゾンが幅をきかせるEC業界でこれから生き残るにはどうすればいいのか。西野さんが講演で示したヒントの中に「王道で戦った時点で負けが始まる」「生き残るには極端な環境が必要」という言葉がありました。これを進化生態学的に考えます。前者は生存力のある外来種に真正面から戦いを挑んでも、弱い在来種に勝ち目はないという単純な構図。日本固有種のイシガメはアメリカ原産のミシシッピアカミミガメには勝てませんでした。残念。

 後者の「生き残るには極端な環境が必要」というのは、進化しなければ生き残れない、ということです。進化とは「生き物の性質が変化すること」。進化の裏には〝遺伝子頻度の変化″が存在します。ちょっと分かりにくいですよね。簡単な想像をしてみましょう。文明が崩壊して全人類がサバイバルを余儀なくされた場合。当然、狩猟能力の高い、例えば、すごく視力が高い人が生き残ります。サバイバルが1000年続ければ、当然目が悪い遺伝子を持った人は生き残ることができず、私のような眼鏡男子の割合は圧倒的に減ります。これが遺伝子頻度の変化です。当然長い年月がかかります。

 ところが西野さんいわく、私たちは私たちの人生の中で進化を迫られています。どうすればいいか。日ごろの取材活動で、同業者との飲み会を頻繁に開いている人に会います。そうした活動こそ進化の源泉に思えます。情報交換は遺伝子交換といえるかもしれません。私も取材先を広げ、新しい遺伝子を取り入れることで記者として進化したいものです。

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