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山の水を飲んで暮らす

昨夜、飛騨市の引越し先に帰宅した。雪が舞っていて、寒い夜だった。実家のある八王子から飛騨市古川町までは、濃飛バスで片道5時間。こんなご時世だからだろう、乗客はぼくを含めて10人程度だった。到着したときには20時を過ぎていた。引っ越してきた神岡町行きのバスを待つ。礼拝所がある待合室があるので、寒さを凌ぐことができた。

いくつもバス停を過ぎて、40分ほど走った。乗客は5人。一人、若い女性がいた。飛騨に住んでいる友人はいつも、若者を見かけると「こんな若い人いるんだ」と感動しているので、彼がバスの座席で寝ているこの若い女性を見たら、心底驚くに違いないと思った。バス代は300円と安かった。

家に上がると、まず水道の栓を開けた。実家に戻る際に、水道管が凍って漏水を起こす心配があったので、念のため栓を閉めていったのだった。家の中のあらゆる蛇口は、友人のアドバイス通り開けっぱなしにした。そのことを気にせず栓を開けたので、急いで家に上がって蛇口を閉めて回った。

水を通したのは、風呂に入るためだった。風呂以外の水は、山から引いてきている山水を使っている。普通に飲んだり、皿や食材を洗っている。味は特別に美味いということはないが、雪解け水そのままというような、純度の高いH2Oそのもののように感じる。

ここの生活で、最も心地よく感じるのが、この山水の利用だ。消毒がされているわけでも、貯水槽から送られてきているわけでもない水。その心地よさは、自然の循環が家の中に組み込まれていて、その循環に触れながら生活をしているからだと思う。

今年は暖冬だった。この辺りには、雪が少ないことによる水不足を心配している人もいる。ぼくもこの流れっぱなしの山水が絶えないか少し不安だ。

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