コロコロの中での旅日記 その2

2.ギルドハウス十日町
ギルドハウス十日町。途中、温泉でゆっくりしたおかげで予定時刻を少し過ぎて到着した。

十日町の街を抜けて、山をどんどん登っていく。冬は雪が凄いのだろうことは容易に想像できるような環境に、ギルドハウス十日町はあった。
久しぶりにお会いする、ソーシャルな隠居生活を送るハルさん。瑛美ちゃんは有隣庵でスタッフとして働いていた時代に、ゲストでハルさんが訪れ、丁度宿オーナーのあっちゃんが誕生日を迎える日だったこともあり、サプライズでお祝いを一緒にしたのだとか。僕もそれと近い時期に会っており、最初は第一回目の安曇野シャルソンに参加した時。この時に地球宿に一緒に泊まったのだ。それが縁で、翌年に主催した岐阜シャルソンにも、はるばる新潟からやってきてくれた。それ以来の再会だ。

瑛美ちゃん僕も機会あれば行ってみようかと思っていた。安曇野まで来ればあともう一息というところでもあるのだが、なかなか行くタイミングを逃し続けており、ようやく叶った形だ。

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会わない間にハルさんは結婚し、第一子まで授かっていた。そして不思議なのは、このギルドハウスという空間。10名ほどが共同生活を送るところに、僕達のような短期滞在の友達も時折やってくるのだとか。滞在者からは少しずつ家賃をカンパしてもらい、それによって日々の生活費や家の維持費が賄われているという。0円収入でも成り立つソーシャルな隠居。そこに住まう人は、それぞれ自分のペースを守りながら、気を使いすぎるでもなく自然に調和しているような雰囲気があった。作ってもらったご飯を頂きながら、色々とお話が出来た。


4日目。
昨日、近くに北越急行・ほくほく線の美佐島駅があるのに気づき、折角なので電車を使って少しお出かけしようと思い立った。やはり温泉に入りたい。しかし相談してみると、駅から遠い所にしか温泉がないばかりか、このエリアは県外利用客を断っている所ばかりみたい。
Googleで検索してみると、車で行くと遠いが、ほくほく線を使えばさほど遠くない六日町に、駅近くの共同浴場があるのを発見。そこへ行くことにした。ハルさんに、一駅向こうの塩沢に、おススメのカフェを教えてもらい、出発した。

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少し山道を歩いて到着した美佐島駅。前日、瑛美ちゃんはこんなところに列車が?と訝しんだが、それもその筈。地上にあるのは駅舎のみで、地下に潜ればちゃんと線路があるのだ。
昔は首都圏と北陸を結ぶ大動脈の一つとして、単線ながらも在来線最高速で走る特急が行き交っていたものの、北陸新幹線の延伸に伴い、ローカル線に転落した路線。(超快速を走らせるなど、上越市から首都圏へのアクセスのシェアを少しでも奪おうと、果敢に挑戦しているが)

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美佐島駅は、とても特殊な構造。単線トンネルならではの、列車が高速走行するときの風圧から安全を確保するために、分厚い鋼鉄の扉が二重にあり、乗客は列車が近づくまで地上の待合室で待機することになる。
話には聞いていたが、実際に駅に入ってみると、まるで地価の要塞に入っていくかのような異空間を感じることが出来た。

列車が近づくまではホームに入ることも出来ず、到着したところで重厚な自動ドアが開き、ホームに出ることが出来る。
丁度乗車したのは、トンネル区間が大半を占める中でも楽しんでもらおうと、客室天井に夜空を映し出す「ゆめぞら」編成ではあるが、コロナで観光客を呼ばないためにか、上映は中止だった。

塩沢に到着。駅の近くには、昔の宿場町を保存した地区が広がる。閑散としており、結局教えてもらったカフェは、臨時休業の模様だった。通り沿いの他のお店を覗いてみると、県外の方お断りの文字…。これはマズいかな?と思ったら少し路地に入ったところのお店を見ると、特にそういった表示もなく、少し緊張しながら入る。
美味しくお昼ご飯を頂き、腹ごなしの散歩がてら、隣駅の六日町まで歩いてみることに。6月といえど、日差しは強い。お喋りしながら1時間近く歩き、六日町の温泉に到着。

少し心配だったものの、ここも特に県外お断りではない模様。熱めのお湯が気持ちよく、水風呂と交互に入るのを繰り返した。帰りの電車まで時間があることもあり、駅前商店街の中にある喫茶店へ。
フルーツがゴロゴロ入るパフェと、レモネードもしっかりレモンの味が効いて美味かった。フード系のメニューも美味しそうで、次に近くに来ることがあったら再訪してみたい。
晩御飯の材料を買いだして、少し重くなった荷物を抱えながら電車に乗る。

美佐島駅からギルドハウスまでは少し上り坂。荷物もあるし、暑くてキツイな~と思っていたら、丁度買い物帰りのギルドハウス住人が車を停めてくれて、定員いっぱいだったので僕達は乗せられないものの、重い荷物を預かって運んでくれた。

夜ご飯は僕らも一緒に一品を作る。鶏肉を使って、岐阜の料理・ケイチャン風に仕立てる。ご飯が進む味付けになり、とても喜んでくれた。
この日は天気も良かったので、瑛美ちゃんを誘い、夜のお出かけ。クルマで高台にある池の畔へ行くと、星空が綺麗に見ることが出来た。本当に真っ暗で、野生動物がでないか少し怖かったが。

5日目

この日は大移動の日。少し早めに出発して、山形を目指す。
ハルさん達と、またの再会を約束してお別れし、細いクネクネ道の山越えルートを取る。
町に降りたところで、ローカルな雰囲気のパン屋さんに立ち寄り朝ご飯を調達。
越後川口の街中からは、只見線に沿ったルートで福島県を経由して山形へ。
最初は山に囲まれながらもスムーズに走る快走路だったものの、福島との県境が近づくにつれて、くねくね曲がる峠道に。サミットのトンネルを越えて下りに転じると、巨大な田子倉ダムを望む絶景が見えた。

どこかで温泉でも入るかな~?と思っていたら、「大塩天然炭酸水」の文字を発見し、少し通り過ぎたものの、Uターンして向かう。
一口飲んでみると、そんなに強くはないけれど、しっかりとシュワっという感覚が口に広がり、天然の炭酸水であることがわかる。近くには工場もあり、天然炭酸水を詰めて販売しているようだ。僕達も水筒に詰めて、今日の飲料とする。


調べたらすぐ近くに共同浴場も発見。少しわかりづらいところにあるので、普通に国道を走るだけなら気付かないだろう。茶褐色に濁る温泉は、とても気持ちよく、入ると細かい気泡が体に付くのは期待していた炭酸泉の証拠。共同浴場とはいえ、小ぎれいに整備されており、川を望む露天風呂まであるとは思いませんでした。これが300円とは安い!

そろそろお昼時。少し走って、会津川口の駅近くにある食堂おふくろへ。カツカレーミックスラーメンなるものが、店先に出ており、カツカレーと、ミックスラーメン?がウリなのかと思ったら、なんとカツカレーミックスラーメンで一つのメニューなのだとか!説明図によると、ラーメンの底に、カツカレーが沈んでいるような感じらしい…これは美味いのか?
非常に悩んだが、3種類のカツ丼が味わえる欲ばりメニューに心を動かされ、そちらに。瑛美ちゃんは冷やしラーメンを注文。どちらもとても美味しかった。次回はカツカレーミックスラーメンにチャレンジしてみようか…

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もう少し走り、「ソコカシコ」というゲストハウスに到着。オーナーと瑛美ちゃんは、オンラインサロンで知り合い、GWに企画した、日本縦断トークショーにも出演してもらった経緯がある。一見普通の田舎という感じだが、トークショーの時に、この下には縄文遺跡が眠っているという話を聞いたことを思い出す。今回、二人とも実際に会うのは初めて。宿は休業中とのことだったが、中を案内していただき、飲み物まで頂いた。実際に会って話すのは、とても楽しいものだ。

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1時間ほど話し込み、そろそろ山形へと出発。また今度はこのエリアにも泊まりに来たい。
喜多方を通過して、福島と山形の県境へ。今度は快走路が続き、長いトンネルを通って山形県に突入。ソフトクリームを求めて途中の道の駅に寄る。そういえば、岐阜や長野は道の駅が多いといわれるが、確かにこちらに来てからは少なく感じる。

もう一カ所ぐらい温泉に寄っていきたいと思い、検索してみると、少し寄り道したところにひなびた温泉街がありそうな感じ。その名も小野川温泉、行ってみると、昔ながらのとてもいい感じの温泉街だった。

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共同浴場・尼湯は、入ったらセルフの切符販売機があるだけで、脱衣場から浴場まで仕切り無し。地元のおじいちゃんたちが湯あみを楽しんでいた。とても熱く、長湯はとてもできない。いつもは僕より長湯の瑛美ちゃんが、この時ばかりは早く上がっていた。
少し温泉街を歩き、豆腐ソフトクリームに引き寄せられる。店に入るとオーナーさんが阪神ファンらしく、グッズやらサインやらが飾ってあって嬉しかった。
ソフトの他、今夜一緒に食べようと、豆腐も買っていく。

あとは山形・ミンタロハットを目指す。途中でガソリンを入れたが、なんと下道だけで岐阜から山形まで無給油で走り切った。おおよそ4000円程。よく頑張った。

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