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ホニャラ旅日記 Sポン人生の区切りを祝い旅!(その5)

再びクルマをピックアップ。再び高速道路で一気に焼津へと向かう。
昨日はシャワーだけで済ませていたので、予めリサーチしていた駅近くの温泉銭湯へ。焼津くろしお温泉は有名どころではあるが、短時間の利用では勿体ないので元湯なかむら館をチョイスした。
こぢんまりした銭湯だが、最近リニューアルされたのか、綺麗な館内。
お湯は源泉かけ流しらしく、露天風呂で暫くリフレッシュだ。

近くのホテルにチェックインして、すぐに夜のドライブ。
今日は、少し車で走ったところにあるバー・STONPに行く。
途中で静岡ローカルのラーメン店で腹ごしらえ。
STONPは、明日会う、シロー&クレアのカップルが出会ったバー。
シロー&クレアは、以前、地球宿で開催した、ゲストハウス開業合宿で僕たち夫妻がスタッフを務めた際に、参加者として来ていた。
その時は二人で神奈川に住んでいたが、ゆくゆくは静岡に移住してゲストハウスを開業したいと言っていた。
久しぶりに連絡をしてみたら、ちょうど静岡への移住生活を始めたばかりだというらしい。
しかも、前々から気になっていた、川根の「ライダーハウスやおき」に住んでいるのだそうだ。

夜の工業地帯を抜けて、バー・STONPに到着。
どんなところかな~?と思ったら、案外こじゃれた外観。
因みに以前は別の場所にあったらしく、とても怪しくて初見で入るには勇気がいるような所だったらしい。
中に入ってみると、マスターのおっちゃんが
「あ!髭の人だ!聞いているよ!」
とテンション高めにお迎え。シローが事前に僕たちが行くことを知らせてくれたらしい。

僕たちも含めると、8人ほどのお客さん。広めな店内はおしゃれな感じで居心地良い。
僕たちがシロー&クレアの友達だとわかると、全員が二人を知っているらしく、お陰でとても馴染むことが出来た。
本人たちは居ないが、二人のエピソードを聞く。
クレアは最初、ドアを少し開けて、一杯だった店内に怖気づいてスっと帰ろうとしたのだそう。しかし、それに気づいたマスターが「捕獲しろ~!」と後を追いかけて捕獲。中に連れ込んだのだとか。
(これだけ聞くと、マジでヤバい店だと思いそうですが、実際はそんなことはありませんw)
フレンドリーなバーの雰囲気にクレアも直ぐに溶け込み、友達もたくさん連れてくる超常連になったのだそう。
その時のマスターの好判断が無ければ。今のシローとクレアの出会いはなかったんだろうなと思うと、ご縁を繋ぐってとても素敵なことだと思う。
常連さん達と話していても、本当にクレアやシローが好かれていることがわかり、暖かい気分になった。
結局、ラストまで楽しい時間を過ごし、良い気分でホテルに戻った。


翌日、朝風呂と朝食をしっかりと楽しみ、一旦掛川に車を置く。
JR移動で金谷へ到着し、ここからは大井川鐡道での旅を楽しむ。
大井川鉄道は、その名の通り、静岡県金谷から、大井川に沿って走り、終点は井川。ローカル線というよりも、もはや観光鉄道の要素が強い鉄道だ。
日本で一番早い、1976年(その当時、国鉄線上ではまだSLが現役だった)からSLの保存運転に取り組んでいる。
最近ではトーマス列車(SL)やEL(電気機関車)けん引の急行列車も走らせる日もあり、観光列車として工夫を凝らしているようだ。
残念ながら、6月の閑散期の平日の今日は、SLやELなどの観光列車は走らない。しかし、普通列車も古い車両を譲り受けて走らせており、なかなか面白そう。ということで、金谷駅で2日間フリー切符を購入してホームへと出る。

大井川鉄道は2度目の乗車。といっても、前回乗ったのは小学生の頃で、バス&SLのセットツアーで来ただけ。今回は2日間かけてたっぷり楽しめそうだ。
さあ、最初の列車はなんだ?

南海ズームカーだ!
1958年生まれなので、もう還暦を優に超えるおじいさん車両。
急勾配区間と平坦線区間での高速走行に対応した(当時の)高性能車両だ。南海高野線で、臨時の特急こうやにも使われていたらしい。
いざ車内に入ると、ノスタルジーな車内に、一番前には最新式のLCDディスプレイ。昭和の雰囲気と最新の技術が同居している。
シートに座ると、特急仕様だからか転換クロスシートとはいえ、ノーマルの状態でまあまあ角度が倒れている。
二人並んで座ると少し狭いのが、昔の人が小柄だったのだろうという事を感じさせる。(僕がデカいだけ?)通勤にも使えるように、通路幅の確保という面もあるかもしれない。
窓は開くのかな?と少し期待したが、残念ながら固定されている。下手に動かすと劣化するからだろうか。

ガタピシと言いながら、出発。
唸るモーター音を楽しみながら、大井川沿いを遡っていく。


門出駅が開業したのに合わせ、隣の五和(ごか)駅は合格駅に改称したのだとか。記念切符なども発売しているのだろうが、元々あった歴史ある名前を安易に変えるのはどうなんだろう?
合格(五和)駅などと、せめて元々の名前をある程度残したらいいんじゃないかな…と思う。

ちょっとわかりにくいが、カモシカの尻が見える

走行中、ファンファン!と警笛を鳴らして減速。もしや?と思って立ち上がると、カモシカが茶畑に逃げ込んでいくところ。すぐ後ろの席で宴会していたオバちゃん達も、何事か?と騒いでいたので、あそこにいますよ~と教えてあげた。

途中の家山駅ですれ違ったのも南海ズームカー。今日は南海デーなのか?時刻表を見る限り、昼間は2編成のみの運用と読み取れる。
あっという間の1時間少々で終点の千頭に到着。なんかドラゴンボールを思い起こさせるとは、瑛美ちゃんの弁。
すぐに井川線の列車との接続もあるが、お腹もすいたのでここで昼食タイム。シローに教えてもらったお蕎麦屋さんで、美味しい蕎麦を頂いた。
時間はまだあるので、SL資料館でも見てみようかな?と思ったら、なんとトーマスフェアの影響で、閉鎖しているのだとか。


話には聞いていたが、なかなかリアルなトーマスの仲間たち。しかし、これを走らせるには版権の絡みで莫大なカネがかかるのだとか?


金谷駅やHPにもそんな記載はなく、ちょっと残念。

駅からすぐ近くの道の駅へ行ってみると、珍しいことに物販コーナーは控えめで、音戯れの里という、音を楽しむミュージアムがメインみたい。
前庭の無料コーナーでもそれなりに楽しめたが、時間が少ないこともあり、中に入ることは出来なかった。クレアがお勧め!と言っていたので、今度ゆっくりできるときには是非訪れてみたい。

ここからは井川線。ワンサイズ小さい列車に乗って、さらなる秘境へ進む。
車両は客車列車に変わる。といっても、井川行の場合、先頭の機関車が引っ張るわけではなく、後ろからグイグイ押す形になる。
乗り込むと、かがまないといけないぐらいの小ささ。椅子もミニサイズだ。ドアも各車に一つだけで、全て手動。各駅発車時には、車掌さんが走り回って施錠を確認する模様。
遊園地のミニ列車と言ってもおかしくないサイズだが、れっきとした鉄道。先頭には運転台が付き、その真後ろに陣取ることが出来た。

ゴトゴトと走り始める列車。窓から入る風が気持ちいい。
運転士さんを見ると、茶髪でロン毛。ヤンキーっぽい見た目だが、しっかり仕事をこなしてくれればそれでいい。これなら、僕の髭面でも許されるのでは?と、思う。各駅で駅員さんと笑顔で話していたりと、ゆるい雰囲気もあり、働くのが楽しそうだ。

瑛美ちゃんでピッタリサイズの席。僕にはちと狭い。

素掘りのトンネルに入ると、ひんやりとした風が車内に。
前方の様子を見ると、トンネル内のカーブに合わせて、オレンジ色の補助前照灯が左右に首を振るのがわかる。
線路の異常を早期に見つけるためだろうか?

アプトいちしろに到着。駅名にもあるように、ここからは1区間、日本唯一のアプト式鉄道区間だ。ここは長島ダムの建設に伴い、新線区間に切り替え。それと同時に90‰の急勾配区間が誕生したため、通常鉄道方式では登ることとが出来ないこともあり、アプト式鉄道が採用されたのだ。
専用の電気機関車を、後ろのディーゼル機関車の後ろに連結。歯車を嚙み合わせて登ることにより、急こう配を克服する。
この区間だけ電化されているのも特徴で、アプト式電気機関車とディーゼル機関車の背の高さの違いもチグハグで面白い。

この区間は完全にアプト式機関車に動力を委ねているのか、先頭の運転士は特に操作をする気配がない。
ぐいぐいと90‰の勾配を上り始める。トンネルを抜けて後ろを振り返ると、勾配のキツさが目で見てわかるほど。
眼下には、ダムに沈む前は現役だった廃線跡を望みながら進む。心なしか、窓から吹き込む風が涼しくなったようだ。
あっという間に長島ダムの横、長島ダム駅に到着。
押し上げてくれたアプト式機関車はここで切り離し。
さらなる秘境へと進んでいく。

日本一高い鉄道橋・関の沢鉄橋を渡ると、もう間もなく終点の閑蔵。路線の終着は井川駅ではあるものの、現在、落石の影響もあり、閑蔵~井川間は運休。すべての列車が閑蔵駅で折り返しなのだ。
時刻表では到着時刻の一分前に、千頭方面の列車が発車するダイヤなので、今乗っている列車の折り返し(1時間後)にしようと思っていたが、車内放送で直ぐに乗り換えが出来ると案内。臨時措置で発車を遅らせるのだろうか。

せわしないし、駅周辺でノンビリしてから行こうかと話して、ゆっくりと降りる。・・・が、
駅員さん「折り返し列車に乗らないのですか?」
僕「一本後にしようと思います~」
駅員さん「本当に何もないですよ!」
僕「トイレも行きたいし・・・」
駅員さん「それぐらいは待ちます!」
まあそこまで言われるなら折り返すか…
と、結局滞在2分ほどで折り返すことにした。
まあ確かに何もなさそうだが、そこまで折り返しを薦めてくるとは。

シローたちとは、接阻峡温泉で待ち合わせだが、1駅通り過ぎて、奥大井湖上駅へ。おススメされた散策路があるので、ぶらぶら歩いてみることにしたのだ。
ちょっと天気が怪しいが、大丈夫か?と思いつつ下車。
ここは正真正銘、列車か徒歩でしか辿り着けない駅。
「湖上」を「恋錠」と掛けて、奥大井こいじょうと読ませる看板があったのには少し笑える。

列車が走り去ると、静かなダム湖の真ん中に佇むロケーション。
鉄橋の横に作られた通路を、少しビビりながら進む。瑛美ちゃんがここで電車が来るまで待たなくてもいいの?と恐ろしいことを言う。




鉄橋を渡ると、一気に急勾配の階段で展望台へ。息を切らしながら登り切り、ちょっと休憩していたら、接阻峡温泉行の区間列車が汽笛を鳴らしながらやってくる。
まるでジオラマみたいな風景だ。

さらに歩くと、散策路は車道を外れて山の中を歩く小道に。
8つの橋を散策する、その名も八橋小道。「男の神(若宮神社)」から8つの橋をつないで「女の神(こだま石神社)」までを繋ぐことから、恋愛成就を祈願するルートと言われているとか。(二つの神社をつなぐということは帰ってから知った)
橋もそれぞれ少しずつ違い、最後にわたった宮沢橋は、珍しい階段型の吊り橋。ちょっとスリルがあった。

そして接阻峡温泉に到着。温泉会館にて、シローたちの到着を待ちながらゆっくりと温泉に浸かる。
トロトロの温泉で泉質最高!浴槽の中が想像以上に滑りやすくてびっくりだ。
ちょうど同じタイミングで温泉に入った地元の方から、大井川鉄道の話などをしてもらい、盛り上がった。

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