【全文掲載】コロコロの中での旅日記 その5


11日目

この日の目的地は山梨・石和温泉。連続の温泉地だ。
少し早めに宿を出発し、昨日手に入れておいた朝食を食べるスポットを探しに車を走らせる。温泉街を抜け、くねくねと曲がりくねる山道を走ると、一大観光地、芦ノ湖。観光地エリアに入る手前の自然の森公園的なところを見つけ、朝ご飯を食べに入る。芝生広場の脇にベンチがあったので、そこで朝ご飯。天気は微妙ではあったが、芦ノ湖の畔まで歩くことも出来たり、展望スポットもあるなど、ノンビリするには良い場所だ。

御殿場・山中湖付近を通過して、今日のメイン?ともいえる、富士山の山麓に位置する新屋山神社の奥社へ向かう。ここは金運上昇・商売繁盛の気が上がる場所だそうで、そこそこに稼がせてくださいなとお参りすることにしようと思ったのだ。
少しづつ標高を上げていく道。どんなところだろう?と期待しながら進むも、突如として目の前に立ち塞がるゲート。どうやら新型コロナの影響で、登山道が閉鎖されているのに伴い、林道も通行止めになっている模様だ。
直ぐ近くであれば、乗り越えて歩いて行ってみるのも考えたが、地図を見たらまだまだこの先は長そう。クマに襲われてもシャレにならないので、大人しく引き返すことに。恐らく同士と思われる車が僕達の後に入ってきた。

折角なので、新屋山奥社でなく本社へ行くことに。こちらはほど近く、住宅街の中に位置する。さっきの車も僕らの後を追ってやってきたから、やはり目的は同じだったのか。ホニャラノイエの今後のゆるゆるな発展を祈り、そろそろお昼ご飯にしようと探す。
この辺りのB級グルメは吉田うどん。最初に行こうとしたお店が営業していないというトラブルもあったが、最終的に住宅街の中の地元の人が行くようなお店を探し出し、美味い昼飯にありつけた。

朝は曇っていた天気も、河口湖につく頃にはいつしか快晴。富士山もどっかりと見える。これは河口湖でボートにでも乗ったら面白いかな?と思って探してみたが、コロナの影響か、どこも貸しボートは営業していない。
代わりに外のテラス席があるカフェで、ソフトクリームを食べてのんびりした。

信玄餅工場へ行ってみたり、スーパーで今夜の食材を買い出しして、石和温泉の鐡道ゲストハウス・鐵ノ家へ。前回訪れた時は、宿泊はせず、挨拶するだけだったので、今度はゆっくり訪れてみたいと、今回の旅の日程に組み込んだのだ。

「鉄道と温泉にどっぷりと浸かろう」というコンセプトにもあるように、元温泉旅館を改装したこともあり、源泉かけ流しのお風呂に入ることが出来る。そして、宿の真裏を中央本線が駆け抜けるため、一般の人には単なる騒音でしかないものの、鉄っちゃんとしたら、部屋から撮影を楽しめたり、走行音を聴きながら眠りにつくなど、最高のポジショニング。
何より、玄関を入ってすぐ横には、かつての大広間いっぱいに敷き詰められた、巨大なジオラマ。インテリアにも鉄道が随所に、更には本まで。まさにテツな空間が、広がっています。
早速温泉に浸かった後、スーパーで買ってきた食材で簡単に自炊し、夜ご飯。
その後は鉄トークを楽しみつつ、ジオラマの運転会。瑛美ちゃんは二人で楽しんで~と、お部屋へ引っ込んでいきました。
元JR東海・高山線で乗務していた僕のために?高山線で走っている車両を中心に揃えてくれた。模型を走らせつつ、少しマニアックな話をしつつ、夜は更けていった。

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12日目
朝から少し宿の周りを散歩。丁度通学時間帯のためか、自転車通学の学生が行き交う中をノンビリと。ブドウ畑も近くに広がる。
朝ご飯を食べて、鐵ノ家を出発。今日は静岡県・藤枝市を目指します。
甲府盆地から標高を上げていく国道を走る道すがら、「生とうもろこし」の幟を発見。気になったので引き返して覗いてみると、なんと、トウモロコシが生で食べることが出来るのだとか。早速クルマの中で噛り付いてみると、とても甘く、プチプチした食感が癖になる。
となりのトトロの、おばあちゃんの畑でサツキとメイがトウモロコシにそのままかぶりつくワンシーンを思い出した。

静岡県を目指し南下していく。国道から少し逸れて、ソフトクリームを求めて牧場が連なる地帯へ。
目当てにしていたお店へ向かう途中、雰囲気のいいお店を発見して、急遽立ち寄ってみる。
屋外のオシャレなテラススペース。ブランコもあるなど遊び心も満載で、居心地のいい空間。勿論ソフトクリームも美味でした!

白糸の滝に到着。滝から近い駐車場は有料ばかりだが、少し離れているところに無料駐車場もある。この日も快晴で少し歩くと汗ばむぐらい。谷へ降りていく道を歩いていくと、目の前には無数の水筋がしたたり落ちる、白糸の滝。滝に近づくと、とても爽やかな風が吹き抜ける。平日ではあるが、それなりに観光客もおり、人が動き始めているのを感じる。

少し遅めのお昼は、静岡県と言えば…よくFBなどでみんなが投稿している、さわやかハンバーグに初挑戦。
ボリュームあるげんこつハンバーグは、肉汁あふれてとても旨い!静岡は何度も来ているのに、なぜ今まで食べていなかったのかと思う。

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バイパスを飛ばして、藤枝市・瀬戸ノ谷の宿・椿亭へ。島まるごとユニバーシティ以来となる、たみ子さんと再会する。

僕達がお手伝いをしていた、広島・音戸で開催された、島まるごとユニバーシティーに静岡から参加してくれただけでなく、瑛美ちゃんは奈良で活動していた時に、何かのイベント?で知り合ったそうだ。

早速、たみ子さん実家の茶畑を見学させてもらう。様々な国で住む経験を経た後、やっぱり実家の茶畑を継ごうと決意して、地元の藤枝市に戻り、今は地域の核として、様々な活動をしているそう。
軽自動車でどこへ行くのかと思ったら、細い山道へ突っ込んでいく。途中は両脇が谷、もちろんガードレールなどなく、こんなところを車が走るのか!と思うような悪路。まるでアトラクションのようだ。
竹林の中を抜けると視界が開け、程なく茶畑に到着する。たみ子さんのご両親や、お手伝いに来てくれている方が作業中。いろいろとお茶に関して教えてもらう。
さらに瀬戸ノ谷をぐるりと一周して、これから山奥の大人の秘密基地?として生かしていこうという場所や、面白い人がやっているというカフェ(残念ながら営業はしておらず)、
樹齢300年ほどになるという大茶樹など、瀬戸ノ谷の面白いポイントを案内してもらい、温泉へ。

サッパリして戻ると、少ししたら地元の人たちが続々とやってくる。
そう。今回、泊まることを連絡を取った数日前、もし良かったら僕ら二人のことを地元の人に紹介したい!ということで、急遽その機会を「ホニャラノイエオープンパーティーIN静岡」として、設けることとなったのだ。
一品持ち寄りとした今回。僕らは鋸南で買った海の幸の佃煮的なものを。(よく考えたら、ここも海に近いなw)
そして地元の方々の手作り総菜が食卓に並ぶ。食事も勿論美味しいが、ここで本当にハマったのが、「お茶」の美味さ。水出しで作る和紅茶がとても絶品で、お酒が飲めない僕らは沢山いただいた。
まずは自己紹介も兼ねて、僕らのこれまでの出会いのいきさつや、世界一周新婚旅行。ホニャラノイエの事をプレゼン。
そしてご飯を食べつつ、地元の方たちとの会話を楽しんだ。


13日目(FINAL DAY)

朝ご飯を頂き、少しゆっくりしてから出発。天気が怪しい中、まだお昼まで時間があるので、近くの宇津ノ谷トンネルの近くを散策。ここは明治・大正・昭和・平成の四世代のトンネルが通行可能な状態であるという、なかなか珍しいところ。
小さい宿場町を歩いて抜けて、歩行者専用になっている明治時代のトンネルと、旧道であまり車通りもない大正時代のトンネルを歩き比べ。レンガ造りのトンネルは、不思議な雰囲気。途中で小雨が降り出したので、早足で帰ることになったが、面白い体験ができた。

そこから程近い、用宗漁港へ。お目当は漁港内にあるどんぶりハウス。港の駐車場の一角に、コンテナハウスとテントという超簡易なお店を構えているが、味は絶品。数年前に適当にブラブラして昼飯を探していたら、偶然見つけたのだ。それ以来、近くを通るたびに立ち寄っているお気に入りのお店だ。
お目当の生しらす丼はやっぱり最高!美味しすぎて、おかわりまでしてしまうw

あとは帰路。長い長い静岡県をオール下道で駆け抜け、愛知に入って程なくして高速へ。
2週間近くの旅を終えたのだ。


まとめ

この旅、まさしくテーマは「再会」の旅だった。リアルで会うのが久しぶりのお友達は勿論の事、GWのオンライン日本縦断の時に繋がり、リアルで会うのが初めてという方も、この旅で実際に会うことが出来た。これも、広い意味では再会だろう。
人と人は、一回会うだけでは中々印象に残ることは少ないが、二度三度と出会いを重ねれば、より印象は深まる。そんなご縁を繋ぎに出かけるのが、今回の僕達のテーマだ。


やはり、地域によってはコロコロを恐れる風潮が非常に強い。特にまだ一人も、地域内でコロコロ感染者が発生していないようなところでは、第一号になってはいけない…というような風潮がある場所も。
しかし、反面飲食店など、個人営業しているようなお店が大ダメージを受けていることも事実。今回訪れたお店では、よそ者の僕らに対しても、優しく接してくれた。
そのうち気持ちよく、旅が出来るような世の中になればいいのにという思い。そして、コロコロ後の世界はどうなるのだろう?という思いも湧いた。

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