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アナログゲームマガジン大賞2022健部賞

 去年は消極的ながら、この賞の選出そのものを辞退した。

 ボードゲーム・メーカーであるアークライトの海外ローカライズ部門の責任者であり、日本のゲームを海外に出すプロジェクトたるヤポンブランドの代表理事であるからして、何を選んでもバイアスがかかる。

  結局プレイするのは自分が関わったゲームばかり。

 そのなかから選ぶとなると、単なる宣伝の提灯記事になりかねない。

  ……とは言いつつ、昨年(2021年)のぼくの一位は、ここで何も書かずとも、皆さんお分かりになっているかと思う。ずっと個人的にサポートを続けてきたグルームヘイヴンですとも、ええ。

 で、今年の7月に前職を辞め、思いもかけず8月から、CMON Japanのディレクター(責任者)ということとあいなった。

 とはいえ、やはりボードゲーム・メーカーであり、そういう意味では昨年と全く変わっていない。

 だから公的には選べるわけなどないのだ、マイベストゲームなんて。

 わかってくださいよ、ねえカナイさん……

 「なんと、健部さん? それはいけません、ぜひともプレイしていただきたい、とても頭が悪いゲームがありましてね」

 チェシャ猫さながらの満面の笑み。はっきりいって邪悪である。彼がこんな言いかたをする場合のパターンは、2つしかない。

 一見クズに見えてものすごいツイストの逆転ウルトラC級傑作か、あるいは本当に本当にどうしようもないゲームか……

 ちなみに以前同じ形容をされたのが『グルームヘイヴン』であった。

 結果それはBGGの評価レーティングのトップを走り続ける怪物となり、ぼく自身も和訳に関わることになるわけだが、果たして今回の候補作はいかに?

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