千葉県旭市の多世代交流施設「おひさまテラス」がすごかった
私が2019年、都市経営プロフェッショナルスクールを受講した際の、同期生であった永井大輔さんが手がけた千葉県旭市にある多世代交流施設「おひさまテラス」。
今回、所用があり近くにきたので立ち寄らせていただきました。イオンタウン旭内にある旭市の「多世代交流施設」でありこの圧倒的なデザイン力で公共施設とは驚きです。入り口だけでワクワクしますね。
多世代の方が交流できるようデザインされた空間と仕掛けが詰まった素敵な愛ある空間でした。おひさまテラスの素晴らしさをレポートさせていただきます!
千葉県旭市について
まずは旭市の基本情報から。
千葉県の東端で4市町村が合併して現在の形になっています。お世辞にも栄えているという感じではなく、第一産業中心のいわゆる典型的な地方都市という印象。この町をより住みやすく、楽しい町にするために「おひさまてテラス」が構想されました。イオンタウン旭が2022年4月にグランドオープンしており、「おひさまテラス」もこのタイミングで運営を開始されたとのことです。
「おひさまテラス」の素晴らしきコンテンツ
おひさまテラスでは何ができるの?という疑問にお答えします。
一言で言うとなんでもできます。まさに多世代で多機能な交流施設。
こちらがおひさまテラスの全貌です。
それでは各スペースについて詳細を見ていきましょう!
まずは、施設全体的に目を引く本たち。図書館のような印象ですが、あくまでコミュニケーションツールの本としてレイアウトされています。施設内で読んでもらう仕様となっていて、本からコミュニケーションが生まれるよう、目を引くタイトルや施設内のコンテンツと関連づけた書籍をチョイスしているとのこと。市立図書館との棲み分けもされています。
そしてインパクトのある「パブリックスペース」がこちら。人工芝が敷かれているため、自由に寛ぐことができ、階段状の設計はイベント時はステージとしても使用できます。棚に配置された本もインパクトがありますね。
続いて、おひさまテラス利用の方が託児できる「ベビーキャンプ」。なんと地元の保育園から保育士さんも常駐しており、イベント参加時やスペース利用時、親御さんが集中したい時にはこちらの託児サービスを受けられます。
続いて「プレイングパブリック」は、子どもたちの溜まり場ですね。こんなインドア施設欲しかったと誰もが願う空間です。ポイントは禁止事項をあえて書いていないこと。書いた瞬間にコニュニケーションが奪われてしまうことを敬遠して、利用者自信にも考えてもらうこと、ルールをともに作っていくという考え方です。手はかかるかもしれませんが、これが本来の公共空間のあり方なのかもしれません。
そして、私がワクワクしてしまう「クラフトルーム」。地域の作家さんなどの利用が多く、個人や小規模事業者では揃えにくい工具なども充実しています。また、地域の子ども達向けのワークショップなども企画されており、創作意欲を掻き立てられます。
そして極め付けの「ミュージックスタジオ」。地域の音楽好きの方が練習場所として利用できます。防音設備も整っており、音楽好きの人からするとよだれモノ!?プロベーシストの方もワークショップの企画にご協力いただいているそうです。
今回ご紹介しきれませんが、その他にも「キッチンスペース」「パーティールーム」「コワーキングスペース」「ミーティングルーム」「ダンススタジオ」「カフェ」があり、まさに多世代多機能の空間が広がっています。旭市民の方は羨ましい限りです。
「おひさまテラス」の仕掛け人 永井大輔さん
さて、この素晴らしい施設を仕掛けた、永井大輔さんですが、イオンタウン株式会社の職員であり、まちづくりのことについてともに学んだ同志でもあります。彼の住まいは茨城県守谷市ですが、イオンタウン旭のオープン構想が持ち上がった際に、学んだことを社内で実践されるべく、イオンタウン旭内に市民が交流できる仕掛けがあると良いのではと提案されたそうです。
そこから、旭市の市役所職員とも交渉を重ね、民間商業施設内に、行政施設を設置するというかなり特殊なケースを実現されています。
イオンタウン内のスペースを市に貸し出し、イオンタウン株式会社が指定管理者としておひさまテラスを運営しているという運営スキーム。複雑ですが理にかなっていると感じました。この交渉を進めるにはかなりの胆力が必要です。粘り強く、着実に進めてこられた永井さんの交渉力、あっぱれです!
視察も受け入れており、かなりの数の方が視察に訪れています。ただし、視察は有料です。お金を払ってしっかりと学びましょう!
(ごめんなさい、今回はよく知っているご縁で無料でご案内いただきました笑)
民間が主役、民主導型のまちづくり
まちづくりと聞くとどうしても行政が担ってくれるというイメージがあるのではないでしょうか。しかし、本来担うべき中心は民間事業者であるということを改めて実感しました。民間が主導した事業を支援するのが行政の役割です。
永井さんは、イオン単独でなく建設会社や福祉法人などの地元企業とも連携しており、イオンタウン旭内に留まらず、エリア全体のマネジメントを構想されています。多様なステークホルダを巻き込み、表面的な繋がりでない、泥臭い1対1のコミュニケーションを大事にされてきました。会社の看板も大事ですが、個人で何ができるのか、どんな人なのか知ってもらうことがとても重要です。それは、地域で活動する上で、業種や業界関係なく共通する部分でもあります。
自然体験、アウトドアを事業にしている私も、とても参考になることがあり刺激されました。南房総がより楽しく、住みやすいまちになるために、仕掛けていきたいと思います。永井さん、ありがとうございました!
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