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【猫】繊維肉腫に勝った猫 事前検査編

繊維肉腫、つまり癌の疑いがあるとして、紹介状を持って大学病院へ。

前回の記事はこちら

最高学府の動物病院へ

やって参りましたのは、赤門

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我が家から比較的近くて、高出力の放射線治療が出来る病院として紹介いただけたのが東京大学農学部併設の動物病院でした。
東大なんて、我が人生において、ほとんど縁のないところ。大学受験の時代でも検討すらしたことなく、その後の人生でもくぐったことすらありません(笑)。

事前にGoogle mapで病院の位置を調べていたにも関わらず、あまりにも広大な敷地に迷うこと迷うこと。売店には、学内マップが配布されているくらいに広いのです。都内の一等地というのに…
ようやくたどり着いたのは、敷地の結構ハズレの方、野球グラウンドの手前あたり。

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獣医師さんたちは意外にも凄くフレンドリー

そもそも、獣医になるには獣医学部を卒業する必要があり、それはかなりの難関なわけですが、その中でもここは断トツの高偏差値なわけで、凄く怖い先生だったらどうしようかと内心びくびく…

しかし、受付を終えて待ったあとに呼ばれて挨拶してくれたのは、うら若い女医さん。研修医さんだったのかな?「あらー、可愛いー、こんにちはー」とか言いながら愛猫を撫でてくれます。猫もふふん♪みたいな感じで接しています。先生、扱い上手です。次に出てきたのは担当医の男性。二人でニコニコしながら診察台でウチの猫を撫でくりまわしてます。ウチの猫も初対面にしては甘えています。おやおや。

そして担当医の男性は、猫のあちこちを撫でくりまわしながらも今後の治療プランをすらすらと仰せ。

・外見や紹介状の内容からも繊維肉腫の可能性が高い
・今日のCTで、患部の位置、深さなど切除可能かどうかを調べる
・CTと同時に、生体検査を行い組織からも診断を確定させる
・切除可能であれば、なるべく早く手術を行う
・手術後、再発を防ぐために放射線照射治療を行うことが望ましい
・手術が出来ないようであれば、別のプランを検討

初診の目的がそもそもCTスキャンだったのですが、麻酔が効いている間に生体をとって検査に回し、数時間後には詳しい治療プランが説明いただけるとのこと。そのまま猫は預けて、のちほど改めて診断結果を聞くことに。

この病院、受付の人たちはてきぱきと事務的なのと、超大型犬の患畜が多いのが特徴です。町の動物病院では手に余るのかな…。そして、獣医師さんたちは担当医に限らずスタッフさんを含めてすごくフレンドリー。勤務する獣医師やスタッフが全員同時に辞めてしまう某動物病院の院長より、よっぽど腰が低く、にこやかな態度です。素晴らしい…。

飼い主が分かって納得するまで説明してくれて、適当なことは全く言わないことは徹底してました。

「調べてみないと分からないが、こういう場合はこれこれの場合が多く、その場合はこういう対応をします」

理路整然とそう説明されると納得感が全然違います。こなす症例が多いのか、経験値の高さでしょうか…

「繊維肉腫」確定と治療費にショック

CT撮影と検体検査の結果が出るまで、全く縁のなかった東京大学をぶらぶら散歩し、学食で昼飯を食べたり、購買部をのぞいたりして時間潰しをした後、再び病院へ。

愛猫はCT撮影用の麻酔がまだ効いているらしく、ちょっとまだフラフラしていましたが、検体検査の結果はやはり「繊維肉腫」の可能性が高いとのこと。手術時に患部を摘出してさらに検査するものの繊維肉腫でなくても切除手術は続行するようです。

CT画像で見ると予想以上に腫瘤はデカい。皮膚の下にでっかい腫瘍の根っこみたいなのが確認できます。

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このCTが3Dで展開されるとビックリするほど生々しい姿で再現されるのです。

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皮を剥いた状態でしょうかね…この筋肉の上にボコッとついてるのが腫瘤。めっちゃ生々しい…

この3D処理された猫、先生の手元の処理で、画面のなかで回転したり、もっと深くスライスされていったりと色々と変化していくのですが、説明を聞くよりも見る方が楽しくなってしまった…

結果として、CTで見るかぎり、骨や内臓までは癌は達しておらず、転移もなさそうなので手術は十分に可能という判断。担当医は執刀しないものの、外科手術に長けた医師、麻酔医とのチームで手術を行うことになりました。

ただ、組織の検査とCT検査、治療費というか診療費は、結構なお値段になりました。

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初診料 3,000円
注射料 10,360円
検査料 48,350円
画像診断料 64,690円
合計 126,400円

思わず会計の時に「ひっ」という声が出ました。ただまあ、命に関わる大手術をするにあたっての重要な検査だし、3Dで愛猫の内部を見るというなかなか得難い経験も出来たので。

何より、

「手術に絶対は無いがこれまでにも何例も手掛けており、この患部の位置だと問題なく切除できる可能性が高い」
「患部周辺の組織も大きく切除できそうだし、再発リスクも出来る限り減らす」
「何より、年齢と持病を考えて、一回の手術でケリをつけます」

と力強くおっしゃった先生の言葉に胸が軽くなっていました。

正直、これまでに経験したどの動物病院よりも、1回の診察ですっかり信頼しちゃってました。それは大学の名前というよりも、獣医師先生の態度によるものかなあ。

約1ヶ月後に手術の予約も取れて、猫ともども帰路につきました。

次の手術編に進みます。


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