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一人旅日記その1 福井県あわら温泉

今回から一人旅の日記をつけていくことにした。
Twitterではリアルタイムに写真を投稿したりするけど、なんだかそれだけではいろいろと伝わらないなと。

コロナ禍は今もなお続いている。
旅行に行くことをためらうのが増えてしまったことが何よりも辛い。

世間ではGoToキャンペーンが始まったものの、感染者が増える一方でキャンペーンそのものが叩かれている。
それはいいんだけど、さらにこんな時期に旅行に行くなんて、と非難する人も増えてきている。これが辛い。

旅行を趣味としている人間をこれでもかと否定してくる人たちが増えてきていて、本当に嫌になってしまう。

それでも自分の中で旅行欲は緊急事態宣言以降ずっと高止まりしている。
その要因の一つが、とあるマンガだった。

「ざつ旅」というこのマンガ。
漫画家を目指す子が壁にぶつかり、どうしようかなと思ってたときにSNSで行き先を決めて一人フラッと旅をするというもの。
話を読みすすめると一人旅だけじゃなく、友人や先輩たちとも旅に出るようになるんだけど、ほとんどが一人旅。
一人旅の気楽さ、でも一抹の不安、それをも上回る高揚感・・。一人旅のいいところをこれでもかと詰め込んだ話だ。

この漫画のおかげで旅行欲は下がるどころかずっと高いまま。
「あぁ、一人旅したい」
そして気がついたらホテルや高速バスを予約していたのだった。

2020年7月20日。

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朝8時過ぎに阪急梅田駅の下、三番街のバスターミナルにいた。
ここから各地へ向かうバスがどんどん発車していく。
あまりの高揚感で発車の40分も前に着いてしまい、朝ごはんを食べた。
これも旅行あるあるかもしれないけど、普段朝食をそんなに食べない人間なのに、旅行となると食べたくなってしまう。高揚感とか非日常だからなのか。

8時30分すぎ、福井行きのバスが到着。
乗客は自分含めて5人。
バスは80人くらいは余裕で乗れるバスだけど、5人しか乗客はいなかった。
事前に調べていたけども、バス会社は感染対策として4列シートだったら窓際しか売らないそうだ。個人的には2列分使えるし、隣を気にする必要ない、ラッキーと思うんだけど、これバス会社としては困る話だろうなぁ。

8時40分、バスは出発。
出発前にチケットの日付を間違って買ってた人がいて、ちょっと発車は遅れたものの、無事に出発。

バスは大阪市内を走り、新大阪駅・桃山台と停車して、いざ高速道路へ。
乗客は結局増えなかった。

バスは途中、多賀サービスエリアで休憩停車。

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梅雨の真っ只中だったけど、とてもいいお天気。

その後バスは名神から北陸道へ進み、一路日本海側へ。
敦賀~今庄って上下線でぜんぜん違う所通るんだね。知らなかった・・。

着いたのは福井駅前。

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空が高いなー。

北陸新幹線の工事が続く福井駅。
お昼に名物のソースカツ丼とおろしそばをいただく。うまー。

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何と言われたって、名物は食べる!観光客向けと言われようが、気にしない。

福井駅からはえちぜん鉄道。2両編成の車両がとても萌え。

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福井駅から1時間くらい。終点の三国港駅に着いた。


さて、東尋坊行のバスは・・あれ?

次は40分後・・。

ここから東尋坊まで3Km。

歩くか。

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そして炎天下の海岸沿い(しかもアップダウンそこそこ)を歩くことに。

うだうだ歩いて、ようやく東尋坊に。

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海きれーい。

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そしてそびえる断崖絶壁!
そりゃ昔から名勝地になるわなぁ・・。

東尋坊近くのお店にピットインして、焼き物食べつつビールを頂く。

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最近、BS-TBSでやってる番組のおかげで、一人のときは瓶ビールを頼むようになった。633は大人の義務教育。

東尋坊を後にしてバスで今日の宿泊地である芦原温泉へ。
バスの車内からも海がきれいに見えた。神戸の人間だからか、海を見るとなんか落ち着くんだよなぁ・・。

バスに揺られて40分くらいで、宿泊する温泉旅館へ。

時刻は16時過ぎ。チェックインする人が多いかなぁ・・と思いつつ入るとガラーンとしていた。
すでにチェックインしている人が多いみたいだ。

フロントでしきりに感染拡大防止の手ほどきを受けて、客室へ。

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客室はツインの洋室。一人だからシングルでいいのに・・と思うんだけど、そもそも温泉旅館にはシングルなんてほとんどないのだ。なので、だいたいがツインになることが多い。

過去には10畳の和室(+例の椅子とテーブル置いてるゾーン)に一人、ということもあったので、こういうのには慣れっこである。

さっそく大浴場にお風呂をいただくことに。やった、先客がいない、貸切風呂状態だ!

普段はずっとシャワーの毎日で、湯船に浸かるのなんて6月に行ったスーパー銭湯以来。
しかしまぁ温度がちょうどいい。熱すぎずぬるすぎず。だから長くつかることができる。
お湯は無色透明。これといって匂いもない。
もともと冷泉を温めている温泉だそうだけど、これはこれでいいのだよ・・。

お風呂から上がると晩ごはんの時間。
18時に夕食。ふだんならまだ移動中だ。温泉旅館にいると時間の流れがとてもゆっくりするのは、こういう「普段よりも早くイベントが起きる」からかもしれない。

晩ごはんはバイキング形式。

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感染拡大の防止策として、料理を取りに行くときはマスク着用、トングは常に消毒、トングを持つために必ずビニール手袋を装着・・。
ここまで徹底しているのだ。感染することも感染させることも絶対に起こさせないという気概が伝わってくる。

コロナ禍になって一番困ったこと。それは「バイキング形式に行きづらくなったこと」がある。
一人バイキングとか普通に行っちゃうし楽しんじゃう人間として、これは由々しき事態なのである。だからこうして、対策を取りつつも普段の日常だったことに近いことができるだけで、もう嬉しいのである。
あとバイキングって、色んなものを食べられるし、自分のペースで自分の好きなやつが食べられて、楽しいじゃん?

今回の旅行は大きなお風呂、バイキングと「コロナ禍になってしまったことでなかなかできなかったこと」ができて、羽根を伸ばすという意味では最高の旅行だ。

その後はまたお風呂に入り、半沢直樹の1話を見て(市川猿之助)、さらにまたお風呂に入って就寝。

温泉旅館に泊まる機会があんまりなかったから、今までわからなかったけど、時間がすごくゆっくりと過ぎるように感じた。
それでもやってることは、何度もお風呂に入り、あとはぼけーっとしたり、テレビ見たりするくらい。家でもできるこの「何もしない」ことを、あえて温泉旅館という特別な場所で行うこと、これも旅行の醍醐味なのかもしれないなぁとしみじみと思った。

でもたぶん、これを「いいなぁ」と思えるのは、コロナ禍でずっと家にこもらなければならない、そんな経験をしたからなのかもしれない。
なんか、いろいろと考えさせられるな・・。

翌朝もお風呂に入り、朝食バイキングで優雅な朝食。

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バイキングって、色んなものを食べられるし、自分のペースで自分の好きなやつが食べられて、楽しいじゃん?(2回目)

その後部屋でのんびりとしてから、芦原温泉を後にした。

本当は芦原温泉の街を歩こうかなぁと思ったのですが、思ってた以上に朝はほとんどお店やってない・・。
なんか人通りも少なかったなぁ・・。

芦原温泉の特性、なのかもしれないけど宿泊する人の多くはやっぱり車で来るか、JRの芦原温泉駅経由が多いようだ。えちぜん鉄道に乗る人、ほぼいなかった。
芦原温泉駅の方行けばよかったかなぁと思いつつ、えちぜん鉄道で福井駅に戻り、サンダーバードでいそいそと大阪へ帰ることになった。

本当は福井市内をぶらぶらしようとかいろいろと考えてたんだけども、そもそも平日なので資料館的なところもやってない、観光客も少ない、そういう状態なので、まぁ今回は温泉に浸かるという目的を達成したし、まぁいっかとなっちゃった・・。こういう決断も一人旅ならでは。

最初は旅行に行くことを少しためらっていたけど、いざ出てしまえば、変わってることも多々あるものの、旅というアクションに対する高揚感はなんにも変わっていなかった。
そして行く先々ではお店、旅館、交通機関、飲食や観光に関わる方たちは何らかの感染拡大防止対策を取っていた。もちろん、行く人が気をつけなければならないこともあるし、その対策に協力しなければいけない。
でもその対策を双方が講じることで、今まで通りの旅行ができるのならば、もう外に出てもいいのではないだろうか。個人的にはそう感じた。

なのでこちらとしては、可能な限り、感染拡大防止策を取りながら一人旅を続けていく所存である。

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