約物の使い方──ダッシュ「―」

ダッシュ「—」(Unicode:U+2014)には、倍角で使用する場合と、一字分使用する場合とがあります。

倍角で使用する場合

ウェブ上では倍角にできないので、代わりとして横細線素片「─」(U+2500)2文字分を使うと、大抵のフォントで繫がった線を書くことができます。

文中の補足

会議では、誰からも──納得はしていなかっただろうが──反対意見は出なかった。

引用元を示す

「来た、見た、勝った」──ユリウス・カエサル

書名の副題

萱野稔人『死刑──その哲学的考察』

一字分使用する場合

欧文の複合語

外来語表記で、欧文のenダッシュ「–」(U+2013)に相当する部分をダッシュ「―」一字分で置き換えます。

Cauchy–Schwarz inequality コーシー―シュワルツの不等式
Hay–Bunau‐Varilla Treaty ヘイ―ビュノー゠バリーヤ条約

区間や範囲を表す

東京―大阪
10―20頁

波ダッシュ「〜」(U+301C) の方が馴染みがあるという人は多いと思います。なお、キーボードの「Shift」を押しながら「へ」を打つと出てくる「~」(U+FF5E)は全角チルダという音声記号で、波ダッシュとは別のものです。どちらも使わない方が無難です。

というのも、初期のUnicodeでU+301Cへの割り当てミスがあり、更にややこしいことに、そのミスへの対応がOSやブラウザーによって異なるため、いわば一種の機種依存文字となってしまっているためです。特に「Windows」で使用すると、他のOSで文字化けが発生しやすくなります。

区間や範囲を示すときは、ダッシュ「—」(U+2014)を使うようにしましょう。

かなの長音符「ー」(U+30FC)とダッシュ「—」(U+2014)とを間違えているのをよく見かけます。特にゴシック体ではわかりにくいので、注意が必要です。

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