キョウヤクな複素数

数学の複素数で、x+iyとx-iyとの関係を「共役(きょうやく)」といいますよね。これも「同音の漢字による書きかえ」です。

本来は「共軛」です。2つの「軛(くびき)」を牛馬に固定して荷車を引くことから、2つのものがセットになっているという意味になります。複素平面上で示すと、x+iyとx-iyが実軸に対して上下対称となることから、そう呼ばれるようになりました。

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「共役」だと、その字面からは何のことか全く見当がつきません。意味を無視してみだりに表記を置き換えると、事物の正常な理解を妨げることになります。代用表記はその点で罪が大きいのです。

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